3気筒バイクとは?メリット・デメリットやおすすめ車種を紹介
3気筒バイクとは?

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一般的なバイクは単気筒や2気筒、4気筒が多いですが、近年3気筒バイクも登場し、2気筒と4気筒の「いいところをあわせ持つバイク」と評価されることも多いです。
3気筒バイクとはどのようなバイクなのか、基本的な定義と構造や仕組みなどについて、見ていきましょう。
3気筒バイクの基本的な定義
3気筒バイクとは、シリンダー(気筒)が3つあるエンジン(3気筒エンジン)を登載したバイクのことで、2気筒と4気筒の特徴を持った独特な乗り味が特徴です。
2気筒よりも滑らかな加速で、低回転から高回転までスムーズに回り、排気音も2気筒のような野太さと、エンジンを回したときに4気筒のような甲高い音を兼ね備えています。
1970年代にスズキやカワサキが3気筒バイクを発売していましたが、一旦市場から3気筒バイクが消えるものの、2014年にヤマハが3気筒バイクのMT-09を発売、再び3気筒バイクに注目が集まった流れです。
<h3>エンジンの構造と仕組み</h3>
3気筒エンジンは、3つのシリンダー(気筒)を持っており、シリンダーが並列またはV型に配置されています。
シリンダーの燃焼は1→3→2という順序で、各気筒が240度間隔で点火していくため、燃焼が均一です。
3気筒エンジンは、揺さぶるような振動が発生する場合があり、バランスウェイトを用いるなどして振動を打ち消すようになっています。
3気筒バイクの特徴やメリット・デメリット

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シリンダーの数が3本あるエンジンを登載した、3気筒バイクにはどのような特徴があるのでしょうか。
3気筒バイクの特徴やメリット・デメリットについても見ていきましょう。
3気筒エンジンの特徴
3気筒エンジンは、2気筒と4気筒のいいところを併せ持っていると言われ、低速トルクがある上に高回転の伸びが良く、バランスの良いエンジン特性が特徴です。
気筒の数が多いと振動が少なくパワーも出ますが、3気筒エンジンは2気筒よりも振動が押さえられ、パワフルなエンジンになっています。
4気筒よりもコンパクトで重量が軽いのも特徴で、車体が軽くなっているのも特徴です。
3気筒エンジンのメリット
3気筒エンジンのメリットは、以下のようになっています。
- 2気筒よりも振動が少ない
- 低速からトルクがあって扱いやすい
- 4気筒に比べて軽量
バイクのエンジンは気筒数の数が増えるほど振動も少なくなっていきますが、2気筒よりも気筒数が多い3気筒は、エンジンの振動も少なくなっています。
低回転(低速)からトルクがあるので、発進時や街乗りで乗りやすく、扱いやすいのも3気筒エンジンのメリットです。
また、4気筒に比べるとエンジンが軽いので、バイクの軽量化につながり、燃費性能の向上にもなります。
3気筒エンジンのデメリット
3気筒エンジンには、以下のようなデメリットもあるので、メリットと合わせて押さえておきましょう。
- 4気筒エンジンに比べ振動が大きい
- 中途半端なエンジン特性
- 登載しているバイクが少ない
3気筒エンジンは4気筒エンジンに比べると振動が多く、2気筒と4気筒エンジンの特性を合わせ持つため、中途半端に感じる人もいます。
2025年現在、3気筒エンジンの登載バイクを新車発売しているのが、国産ではヤマハのみで、輸入車ではイギリスとトライアンフ、イタリアのMVアグスタのみです。
3気筒エンジンを登載して販売しているモデルも限られるため、バイクの選択肢が限られる点もデメリットと言えます。
3気筒バイクはどんな人に向いている?

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2気筒エンジンと4気筒エンジンの特性を合わせ持つ3気筒エンジンですが、どんな人が向いているのでしょうか。
3気筒エンジンが向いている人について、解説していきます。
2気筒と4気筒の“いいとこ取り”をしたい人
3気筒エンジンは、2気筒と3気筒のいい部分をあわせ持つエンジンと言われているため、それぞれのいいとこ取りをしたい人に向いています。
低速域での太いパワーと、4気筒にも近いような高回転まで回せるエンジン特性なので、街乗りからスポーツ走行まで、バランスの良い走りができるエンジンです。
3気筒エンジンにしか出せない独特なサウンドも楽しめ、2気筒と4気筒のよい部分を楽しみたい方に向いています。
軽量で扱いやすいバイクが欲しい人
3気筒エンジンは4気筒よりも軽量でコンパクトなエンジンなので、軽量で扱いやすいバイクを求めている人にも向いています。
バイクの車体も軽量でコンパクトにできるため、バイクから下りて押す場合や、Uターン時も取り回しがしやすく、初心者にも扱いやすいです。
エンジン特性と相まってバランスのよいモデルも多いので、軽量で扱いやすいバイクを探している人に、3気筒エンジンのバイクは向いています。
ワインディングや峠を走るのが好きな人
高回転までスムーズに回るため、ワインディングや峠など、スポーツ走行を楽しみたい人に3気筒エンジンのバイクは向いています。
軽量で扱いやすく、コーナーへの進入や立ち上がりもスムーズなので、コーナーが連続するワインディングロードも走りが軽快です。
軽量でパワフル、低速から高回転までスムーズに回るバランスのよいエンジン特性なので、ワインディング走行が好きな人、通勤などで日常的に峠道を走行する人に3気筒エンジンは向いています。
ツーリングを快適に走りたい人
高回転までスムーズに回るエンジン特性と、4気筒エンジンよりも燃費性能が高いので、ツーリングを快適に走りたい人に3気筒エンジンは向いています。
低速での太いトルクや、高回転までスムーズに回るエンジンなので、一般道の走行から高速道路の走行まで走行しやすいエンジンです。
3気筒バイクのおすすめ車種

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2025年5月現在、3気筒バイクを新車販売しているメーカーは、ヤマハとトライアンフ、MVアグスタのみとなっています。
その中から、3気筒バイクのおすすめ車種を紹介していきますので、購入を検討している人や、どんな車種があるのか気になっている人はぜひチェックしてみてください。
1.DAYTONA 660 Triumph 659.3cc
トライアンフ(Triumph)「DAYTONA 660」は、ストリート重視のセッティングにより、快適な走行が楽しめるフルカウルの3気筒バイクです。
DAYTONAの名は、1966年にデイトナ200マイルレースで優勝した記念により付けられ、2006年に3気筒エンジンを登載したDAYTONA 675がデビューするも、2016年に生産が終了。
2019年に659.3ccの3気筒エンジンを登載した、DAYTONA 660として再び販売が開始されました。
- 全長×全幅×全高(mm):2,050×735×1,145
- 車重:202kg
- エンジン型式:4スト水冷直列3気筒
- 排気量:659.3cc
- 最高出力:95ps
- 最大トルク:69N・m
- 平均燃費(WMTCモード値):カタログ表記なし
- 新車販売価格(税込):1,085,000円
- 中古車相場:80万~110万円前後
2.MT-09/MT-09 SP YAMAHA 888cc
YAMAHA「MT-09」は、ライダーが意のままに扱えるような乗り味がコンセプトの3気筒バイクで、2014年にデビューしました。
エンジン特性や走行性能のみならず、ニーグリップしやすい設計のガソリンタンクなど、車体とライダーが一体化しやすい設計になっています。
最高出力120psを発生する888ccのエンジンを登載しながらも、車重は193kg(SPは194kg)と、400ccクラスのバイク並の軽量で、取り回ししやすいモデルです。
- 全長×全幅×全高(mm):2,090×820×1,145
- 車重:193kg:(SP)194kg
- エンジン型式:4スト水冷直列3気筒
- 排気量:888cc
- 最高出力:120ps
- 最大トルク:93N・m
- 平均燃費(WMTCモード値):21.1km/L・1名乗車時
- 新車販売価格(税込):1,254,000円:(SP)1,441,000円
- 中古車相場:60万~150万円前後
3.F3 800R MVアグスタ 798cc
イタリアに拠点を置くMVアグスタの「F3 800R」は、3気筒エンジンを搭載するフルカウルバイクとして、2023年にデビューしました。
144psを発生する、水冷3気筒エンジンを搭載したコンパクトな車体で、軽快でパワフルな高い走行性能を持っています。
芸術的な美しいスタイルのF3 800Rですが、レースバイクなどにしか採用されていない、逆回転クランクが採用されているのが大きな特徴です。
- 全長×全幅×全高(mm):2,030×730×(全高表記なし)
- 車重:186kg(乾燥)
- エンジン型式:4スト水冷直列3気筒
- 排気量:798cc
- 最高出力:147ps
- 最大トルク:88N・m
- 平均燃費(WMTCモード値):カタログ表記なし
- 新車販売価格(税込):2,690,000円
- 中古車相場:125万~180万円前後
4.XSR900 GP YAMAHA 888cc(排気量)
YAMAHA「XSR900 GP」は、まるで1990年代のレーサーレプリカブーム時に発売されたような、レトロなデザインが特徴の3気筒バイクです。
最初は海外向けモデルとして発売されていましたが、日本国内では2023年10月より発売開始され、ハーフカウルを装着した独特なデザインになっています。
120psを発生させる水冷直列3気筒エンジンを搭載し、見た目のレトロさとは対照的に、トラクションコントロールやフロントリフトコントロールなど、最新の電子制御が備わったモデルです。
- 全長×全幅×全高(mm):2,160×690×1,180
- 車重:200kg
- エンジン型式:4スト水冷直列3気筒
- 排気量:888cc
- 最高出力:120ps
- 最大トルク:93N・m
- 平均燃費(WMTCモード値):21.1km/L・1名乗車時
- 新車販売価格(税込):1,430,000円
- 中古車相場:115万~170万円前後
5.TIGER SPORT 660 Triumph 659.3 cc
トライアンフ「TIGER SPORT 660」は、アドベンチャースポーツの3気筒バイクで、2021年にデビューしました。
排気量が659.3ccの81psを発生する水冷直列エンジンは、日常からツーリングまで、扱いやすいパワーと取り回しのよさが特徴です。
2025年モデルには、クルーズコントロールやクイックシフターが標準装備され、エンジンモードにスポーツが追加されるなど、より充実した仕様になっています。
- 全長×全幅×全高(mm):2,070×830×1,398
- 車重:207kg
- エンジン型式:4スト水冷直列3気筒
- 排気量:659.3cc
- 最高出力:81ps
- 最大トルク:64N・m
- 平均燃費(WMTCモード値):カタログ表記なし
- 新車販売価格(税込):1,125,000円
- 中古車相場:75万~115万円前後
6.TRACER9 GT ABS YAMAHA 888cc
軽快でスポーティな走りが楽しめるスポーツツアラーが、YAMAHA「TRACER9 GT ABS」です。
交通の状況を自動で判断し、照射範囲を調整する「マトリクスLEDヘッドランプ」を採用、100mmの範囲で無段階に調整できるフロントスクリーンや、高密度で走行時の疲労を軽減してくれるシートなど、充実した機能で良きツーリングの相棒になります。
全域に渡って滑らかなトルク特性で、低速走行から高速走行まで、スムーズでパワフルな走りが楽しめる3気筒バイクです。
- 全長×全幅×全高(mm):2,175×900×1,440
- 車重:227kg
- エンジン型式:4スト水冷直列3気筒
- 排気量:888cc
- 最高出力:120ps
- 最大トルク:93N・m
- 平均燃費(WMTCモード値):20.9km/L・1名乗車時
- 新車販売価格(税込):1,595,000円
- 中古車相場:65万~160万円前後
7.ROCKET 3 STORM R Triumph 2,457cc
他を寄せ付けない、大排気量の3気筒バイクに乗ってみたい人におすすめなのが、トライアンフ「ROCKET 3 STORM R」です。
バイクの域を超えた、182psを発生する排気量2,457ccの水冷直列3気筒エンジンを搭載し、どの回転域からもしっかり加速するよう設計されています。
2024年に登場したモデルには、坂路の発進をサポートする「ヒルアシストシステム」も備わり、コーナリングABSやトラクションコントロールなど、安全装備も充実したモデルです。
- 全長×全幅×全高(mm):2,365×920×1,125
- 車重:318kg
- エンジン型式:4スト水冷直列3気筒
- 排気量:2,457cc
- 最高出力:182ps
- 最大トルク:225N・m
- 平均燃費(WMTCモード値):カタログ表記なし
- 新車販売価格(税込):2,989,000円
- 中古車相場:270万~290万円前後
8.XSR900 ABS YAMAHA 888cc
ネオレトロなモデルの3気筒バイクを探している人におすすめなのが、YAMAHA「XSR900 ABS」です。
888cの水冷直列3気筒エンジンは、MT-09がベースとなっており、ライダーの操作に素早く反応するクロスプレーンコンセプトのバイクになっています。
見た目のレトロ感に反して、トラクションコントロールやアシスト&クリッパークラッチ、ABSなど現代の電子制御を標準装備した3気筒バイクです。
- 全長×全幅×全高(mm):2,155×790×1,160
- 車重:196kg
- エンジン型式:4スト水冷直列3気筒
- 排気量:888cc
- 最高出力:120ps
- 最大トルク:93N・m
- 平均燃費(WMTCモード値):20.9km/L・1名乗車時
- 新車販売価格(税込):1,320,000円
- 中古車相場:60万~175万円前後
9.TRIDENT 660 Triumph 659.3cc
2020年10月にデビューしたトライアンフ「TRIDENT 660」は、扱いやすい大型ミドルクラスの3気筒ロードスターモデルです。
659.3ccの水冷直列3気筒エンジンを搭載し、2025年モデルではクイックシフターやクルーズコントロールを標準装備されるなど、より走行の負担を減らす仕様になっています。
灯火類は全てLEDで、ウインカーの自動キャンセル機能が備わっているなど、走りに集中できる3気筒バイクです。
- 全長×全幅×全高(mm):2,020×795×1,089
- 車重:190kg
- エンジン型式:4スト水冷直列3気筒
- 排気量:659.3cc
- 最高出力:81ps
- 最大トルク:64N・m
- 平均燃費(WMTCモード値):カタログ表記なし
- 新車販売価格(税込):995,000円
- 中古車相場:65万~105万円前後
10.SPEED TRIPLE 1200 RS Triumph 1,160cc
1,160ccの3気筒エンジンを搭載した、リッター超え3気筒バイクがトライアンフ「SPEED TRIPLE 1200 RS」です。
183psを発生する水冷直列3気筒エンジンが搭載され、車体重量は199kgと、軽量でパワフルな走りが楽しめます。
愛嬌のあるフロントデザインに、オーリンズ製のフルアジャスタブルサスや、ブレンボ製のブレーキシステムが装備されており、パフォーマンスの高いモデルです。
- 全長×全幅×全高(mm):2,150×875×1,395
- 車重:199kg
- エンジン型式:4スト水冷直列3気筒
- 排気量:1,160cc
- 最高出力:183ps
- 最大トルク:128N・m
- 平均燃費(WMTCモード値):カタログ表記なし
- 新車販売価格(税込):2,225,000円
- 中古車相場:135万~185万円前後
【用途別】3気筒バイクの選び方

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「街乗りメインに欲しい」「ツーリングの相棒が欲しい」など、人によってバイクを選ぶ理由はさまざまです。
そこで、目的別に3気筒バイクの選び方を紹介していくので、バイクを選ぶ際の参考にしてみてください。
1. 街乗り・日常の足に使いたい場合
街乗りや日常の足として3気筒バイクに乗りたい場合は、コンパクトで取り回しがしやすいモデルがおすすめです。
トライアンフ「TRIDENT 660」は、3気筒エンジン搭載バイクの中でも排気量が控えめの659.3ccで、車体も軽量なので街乗りや普段乗りとして乗れます。
頻繁にウインカーを出すことも多い街乗りですが、ウインカーの自動キャンセル機能も備わっているので、ウインカーの消し忘れも安心です。
2. ツーリングを楽しみたい場合
3気筒バイクでツーリングを楽しみたい場合は、高速走行で疲労軽減になるクルーズコントロールや、パニアケースなどの収納の装着が容易なツアラータイプがおすすめ。
YAMAHA「TRACER9 GT ABS」はクルーズコントロールや、高さ調整可能なウインドスクリーンを装備しており、高速走行での快適性が高められています。
シートもクッション性の良いものが採用されているので、長時間の走行でも疲労が蓄積しにくく、ツーリングに最適です。
3. サーキット走行・スポーツライディング
サーキット走行や、峠などのワインディングロード走行など、3気筒バイクでスポーツ走行をしたい人は、走りに重点を置いたバイクを選びましょう。
トライアンフ「DAYTONA 660」は力強い低速トルクと、高回転までスムーズに加速する、軽さと快適さを備えたフルカウルの3気筒バイクで、スポーツ走行を楽しみたい方におすすめです。
4. オフロード・アドベンチャー
3気筒バイクで新車販売されているバイクは限られ、アドベンチャーモデルにはトライアンフの「TIGER SPORT 660」や、MVアグスタの「エンデューロヴェローチェ」があります。
TIGER SPORT 660は軽量でパワフルなアドベンチャースポーツバイクで、取り回しがしやすく、日常使いからツーリングまでこなせる3気筒バイクです。
エンデューロヴェローチェは、スポークホイールが採用され、よりオフロード走行に適した仕様となっており、クイックシフトや8段階に設定が可能な走行モードを備えています。
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