【状況別】バイクの燃料コックはどの向きにすればいい?各向きの役割とトラブルも交えて解説

【状況別】バイクの燃料コックはどの向きにすればいい?各向きの役割とトラブルも交えて解説

バイクの燃料コックはどの向きにすればいいのか?

引用元:https://pixabay.com/ja/photos/A4-1795712/

バイクの燃料コックとは、ガソリンタンクからキャブレターへガソリンを送る通路にある機構のことで、通常走行時は「ON」の位置でOKです。

一般的に燃料コックには、「ON」と「OFF」のほかに「RES」(「PRI」がある車種も)があり、燃料コックの向きによってキャブレターへガソリンを送ったり、遮断したりできます。

① 普段の走行時:→「ON」向き

普段走行するときの燃料コックの向きは「ON」が基本で、ON(燃料コックのレバーの先端が「ON」方向を指すようにセット)になっていると、ガソリンタンクからキャブレターにガソリンが流れるようになります。

ガソリンタンク内のガソリンが満タンからガス欠近くまでONのまま走行でき、ガソリンの残量が少なくなってきたり、ガス欠になりかけたりしたら、コックのレバーを「RES」の位置に変更しましょう。

燃料コックがONの状態のまま走行し、アクセルを開けても吹け上がりが悪くなってきたらガソリン切れ(ガス欠)の傾向が出てきているので、RES(リザーブ)に変更します。

② ガス欠しかけたとき:→「RES」向き

通常走行をしていて、アクセルを開けてもエンジンが吹け上がらなかったり、エンジンが止まりそうになったりしたら、燃料コックのレバーを「RES(Reserve:リザーブの略)」の位置に変更しましょう。

RESとは予備タンクのことで、ガソリン残量が少なくなったときに予備のガソリンを使うための機能で、レバーを「RES」に切り替えると、残りの燃料(予備)を使えます。

RESに切り替えた後はできるだけ早くガソリンを給油し、給油した後は速やかにコックのレバーをONに戻すのを忘れずに。

③長時間保管・整備・キャブ車の停車時: →「OFF」向き

バイクに長期間乗らない場合や、整備や修理などでガソリンタンクを取り外す場合は、燃料コックを「OFF」にしましょう。

コックがOFFになっていると、タンクからのガソリンの流れを遮断し、キャブレター内にガソリンが溜まるのを防ぎ、オーバーフローなどのガソリン漏れを防ぎ、ガソリン臭対策にも効果的です。

日常的にバイクに乗る場合はOFFにしなくてOKですが、週末のみバイクに乗るなど週に1回以下の走行頻度の場合はバイクを停車後、燃料コックのレバーをOFFにし、走行前に忘れずにONに戻しましょう。(OFFのままだと数分でエンストします)

④ キャブに燃料が来ていないとき: →「PRI」向き(ある車種のみ)

長期保管後やガス欠などでキャブレターが乾いている場合、コックをONにしても燃料が流れないことがあり、その場合は「PRI」にすることで強制的にガソリンがキャブレターに流れ込むようになります。

燃料コックをPRIの位置にした後、1~2分が経過したらONの位置に戻しますが、PRIのまま走行するとガソリンの供給過多でオーバーフローを起こすこともあるので、燃料コックをPRIの位置にしたあと忘れずにONにしましょう。

PRIはすべての車種に備わっているわけではなく、備わっていないバイクもあります。

注意点

バイク走行時は燃料コックの位置をONにしたままが基本で、ガス欠症状が起きたらRESにしますが、ガソリン給油を終えたら忘れずにONに戻しましょう。

ONに戻し忘れると予備タンクが使えず、ガス欠時に予備タンクが使えないことで、その場から動けなくなります。

また、コックがOFFのまま走行するとエンストしますので、忘れずに走行前にONに戻すほか、PRIを使ったら戻さないとガソリン漏れの原因になるので、PRIにした場合も忘れずにONに戻しましょう。

燃料コックの各ポジションの役割

引用元:https://pixabay.com/ja/photos/85-6703378/

ガソリンタンクの燃料コックのポジションの役割は、以下のようになっています。

燃料コックの位置 使用時 注意点
ON(オン) ガソリン満タン~ガス欠寸前まで 走行時は常にON
OFF(オフ) 長期間バイクに乗らないとき、ガソリンタンクを取り外すとき OFFのまま走行するとエンジン停止に
RES(リザーブ) ガス欠の症状が現れた、ガス欠になったとき 給油後は必ずONに戻す(RESのままにしない)
RPI(プライマリー) キャブのガソリンが無くなったとき(ガス欠時など) 使用後1~2分でONに戻す(PRIにしたままにしない)

燃料コックの各ポジションがどのようなものなのかや、使用する際の注意点についてより詳しく見ていきましょう。

ON(オン)

燃料コックがONの位置は、キャブレターにガソリンが流れ込む状態で、走行中はONが基本です。

ガソリンを給油したときからガス欠近くなるまでONで走行できますが、普段から早めに給油を行っている人は、コックの位置を操作する必要はありません。

ONで走行し、アクセルを開けてもエンジンが吹け上がり悪くなるなどガス欠の症状が出てきたら、燃料コックをRESの位置に切り替えましょう。

OFF(オフ)

燃料コックをOFFの位置にすると、ガソリンがキャブレターに流れるのを遮断できるため、バイクに長期間乗らない場合や、整備などでガソリンタンクを取り外す際に使用します。

長期間バイクに乗らない場合、コックの向きをOFFにしておかないとキャブレターにガソリンが流れ込み、ガソリンを溜めて置ける量を超えて漏れ出す「オーバーフロー」を起こすことも。

また、ガソリンタンクを取り外す際にOFFにしておかないと、ガソリンがどんどん流れ出すので、長期間バイクに乗らない場合やガソリンタンクを取り外す場合は、忘れずにコックをOFFにしましょう。

RES(リザーブ)

RES(リザーブ:Reserveの略)は、ONで走行中にガソリン残量が少なくなってきたときに使用し、ガス欠症状(アクセルを開けても吹け上がりにくい)になったら使用する燃料コックの向きです。

RESは予備タンクとも呼ばれることがありますが、予備タンクが備わっているのではなく、ONで吸えなくなったガソリンタンク底部のガソリンを吸い出します。

ONでガス欠症状になったとき、ガソリンスタンドまで走行できる保険のような機能なので、切り替えた後は早めの給油が必要となり、給油後は忘れずに燃料コックをONの位置に戻しておきましょう。

RESのガソリン容量は?

RESのガソリン容量はバイクによって異なるため、走行できる距離もバイクによって変わりますが、一般的に予備タンク(リザーブタンク)の容量は2~4L程度です。

参考までに、YAMAHAのSR400は予備タンク容量が2.2L、ドラッグスター1100は予備タンクが4.5Lとなっていますが、平均的に2L前後の予備タンクとなっています。

2ストバイクなど一部バイクは予備タンクの容量が少ないこともあるほか、RESが備わっていないバイクもあるので、事前にRESが備わっているか、予備タンクの容量と走行可能距離を知っておくと安心です。

PRI(プライマリー)※一部車種のみ

PRI(プライマリー)はガソリンを強制的にキャブレターに送り込む機能で、一部の車種にのみ備わっています。

完全にガス欠になったあとやキャブレターの整備後など、キャブレター内のガソリンが完全に枯渇した場合に使用しますが、普段使うことはほとんどありません。

PRIは強制的にキャブレターにガソリンを送る機能なので、PRIにしたあと1~2分程度でONに戻さないと、ガソリンの供給過多によってガソリン漏れを起こすことがあるため、使用後は忘れずに戻しましょう。

よくある燃料コック関連のトラブル

引用元:https://pixabay.com/ja/photos/A9-2186589/

燃料コック関連に起きるトラブルについて、事例と解決方法についてまとめてみました。

実際にトラブルが生じた場合はもちろん、事前に知っておくとトラブルを回避できたり、慌てず対応できたりするので、キャブレターのバイクに乗っている人や乗ろうと思っている人はぜひ参考にしてみてください。

エンジンがかからない/すぐ止まる

バイクのエンジンがかからなかったり、エンジンが始動してすぐに止まってしまったりした場合は、燃料コックがOFFになっている可能性があります。

また、燃料コック内部や燃料フィルターのつまりや劣化によってもガソリンの流れが悪くなり、エンジンが始動できなかったり、吹け上がりが悪くなったりのトラブルに発展することも。

エンジンがかからなかったり、かかった後すぐに停止してしまったりする場合は、燃料コックがOFFになっていないか確認し、ONになっているなら燃料コックが詰まっていないかチェックしてみましょう。

走行中に急にエンストした

走行中にエンストをした場合、燃料コックがOFFになっていないか、ガソリンの残量があるかどうかをチェックしてみましょう。

燃料コックがOFFになっていると、キャブレターへのガソリン供給が断たれているため、走行できたとしてもすぐにエンストしてしまいます。

ONのまま走行しているとやがてガソリンが無くなり、燃料コックをRES(リザーブ)にしないとエンストするので、ガス欠症状が起きたら忘れずにRESに切り替え、できるだけ早く給油しましょう。

コックが固くて回らない/逆にゆるすぎる

燃料コックが固くて回らない場合は、コック内部のグリス切れや経年劣化、サビによる固着が疑われますので、グリスアップやサビ取り剤を塗布してサビや汚れを落としてみましょう。

逆にゆるすぎる場合は燃料コックの固定が緩んでいる可能性があるので、燃料コックのチェックや増し締めをしてみてください。

経年劣化による汚れや変形、サビがひどくて固着している場合は燃料コックの交換が必要となり、車種によりますが交換費用は5,000円前後~となっています。

ガソリンが漏れている

燃料コック周辺やキャブレターからガソリンが漏れている場合、燃料コックの位置がPRIになっていないか(備わっているバイクのみ)確認し、PRIになっていないなら燃料コックの故障が疑われます。

PRIはキャブレターに強制的にガソリンを送る機能のため、PRIのままにしておくとキャブレターからガソリンが漏れ出す(オーバーフロー)ことがあるので、PRIが備わっているバイクは、コックの向きを調べてみましょう。

また、燃料コック周辺からのガソリン漏れには、シールの劣化やOリングの破損、燃料ホースの接続不良や破損など様々な原因があります。

Oリングのトラブル

燃料コックのレバー裏にはOリングと呼ばれるゴム製のリングが装着されており、Oリングが押し付けられることでガソリンの経路を遮断します。

Oリングに亀裂などの破損が起きると、破損箇所からガソリン漏れを起こすことがあり、新品への交換が必要です。

Oリングの部品代は数百円程度で、交換するには燃料コックの分解が必要となり、バイクショップに修理を依頼すると3,000円~5,000円前後の費用となります。

ホース周りのトラブル

燃料コックやキャブレターに接続されるホースの接続不良や、亀裂などの劣化によってガソリン漏れが発生することがあります。

接続がしっかり行われていない場合は接続をし直せばガソリン漏れが直りますが、破損している場合は交換が必要となり、その際の交換費用は5,000円前後です。

ブログに戻る

最近見た商品