バイクのヘルメットに関する法律をわかりやすく解説!違反例も掲載

バイクのヘルメットに関する法律をわかりやすく解説!違反例も掲載

バイクのヘルメット着用の法的義務

引用元:https://pixabay.com/ja/photos/A4-264220/

ヘルメットは万が一転倒した際に、頭部を守ってくれる重要なアイテムですが、バイクで走行する場合はヘルメット着用の法的義務も生じます。

バイクのヘルメット着用義務を定めた法律と罰則、よくある誤解について解説をしていきます。

道路交通法 第71条の4

道路交通法の第71条の4は、バイクを運転する際にヘルメット着用義務がある根拠となる条文で、以下のように定められています。

「大型自動二輪車又は普通自動二輪車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶらないで大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車を運転し、又は乗車用ヘルメットをかぶらない者を乗車させて大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車を運転してはならない。

2 一般原動機付自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶらないで一般原動機付自転車を運転してはならない。」

引用元:e-Gov

https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105

大型自動二輪と普通自動二輪を運転する際、乗車用ヘルメットを被らずに運転することができないと定められており、次の2項では原付にもヘルメットの着用義務があることが定められています。

このように道路交通法 第71条の4は、原付であっても大型バイクであっても、二輪車で公道を運転する場合は、ヘルメットの着用義務があるということが定められた条文です。

バイクで道路を走る際はこの条文が根拠となり、ヘルメットの着用義務が発生し、ヘルメットを着用せずに走行すると法律違反となります。

対象となる車種

二輪車でヘルメットの義務がある対象となる車種は、以下の通りです。

車種 ヘルメット義務 備考
原動機付自転車(~50cc) 必須 原付一種
小型二輪(51cc~125cc) 必須 原付二種
普通二輪(126cc~400cc) 必須 二人乗りも要着用
大型二輪(401cc~) 必須 高速道路の利用もあり、安全性が特に重要

バイクで公道を走行する場合は、50ccの原付バイクであろうと、400ccを超える大型バイクであろうと、全てのバイクにヘルメット着用の義務があります。

二人乗りができるバイクで二人乗りをする場合は、運転者のみならず後席に乗せる人にも、ヘルメットの着用義務が生じ、守らなければ交通の違反取締り対象です。

中でも高速道路の走行が可能な125ccを超える排気量のバイクは、より高い速度での走行ができるため、フルフェイスやジェットヘルなど、安全性が高いヘルメットの着用が推奨されています。

違反時の罰則

バイク走行時にヘルメットを着用しないで警察官の取締りにあった場合、以下のような罰則を受けます。

内容 対応
違反名 乗車用ヘルメット着用義務違反
違反点数 1点加点
反則金 なし(行政処分のみ)
備考 警察の職務質問・取締り(検挙)の対象になります。累積点数がたまると、免許停止や免許取消しの可能性も。

バイク走行時にヘルメットを着用しないで警察官の取締りにあった場合、以下のような罰則を受けます。

よくある誤解

バイクのヘルメット着用に関する「よくある誤解」に、以下のようなものがあります。

  • 「原付はヘルメットいらない」
  • 「半キャップでもとりあえず被ればOK」
  • 「ひもを締めてなくても被っていれば大丈夫」
  • 同乗者がヘルメットなしは運転者に責任がない

それぞれどのような誤解なのかを詳しく見ていきましょう。

誤解1. 原付はヘルメットいらない

原付バイクに乗る場合、ヘルメットの着用はいらないという誤解がありますが、原付であってもヘルメットの着用は必須で、着用しないと交通違反となります。

1986年(昭和61年)以前は、原付のヘルメット着用は義務化されていませんでしたが、原付も含めた死亡事故が頻繁に起きていたことを背景に、原付にもヘルメット着用義務化が拡大。

すべてのバイクでヘルメットが義務化され、原付を含めバイクの排気量に関係なくヘルメットの着用が義務付けられています。

誤解2. 半キャップでもとりあえず被ればOK

半キャップを被ってバイクに乗っても違反にはなりませんが、万が一転倒した際は、頭部や顔を守りきれず大きな障がいとなることもあります。

高速道路や風の強い日に半キャップで走行していると、ヘルメットが頭部よりずれたり、外れたりしやすく、ヘルメットとしての機能も果たせません。

バイクのヘルメットは転倒の際に、打ち付けると致命傷になりやすい頭部や顔面を守るために装着するもので、ファッション性を優先するのは、安全性の観点から本末転倒です。

誤解3. ひもを締めてなくても被っていれば大丈夫

バイクのヘルメット着用は義務付けられていますが、あごひもを締めるまでは規定されておらず、あごひもを締めなくても違反とはなりません。

しかし、バイクのヘルメットは転倒などで頭部を打つ場面において、頭部や顔面を守る役割があり、あごひもを締めないと転倒時にすっぽぬけて頭部を強打する可能性があります。

転倒時などの万が一の際に頭部を守るには、あごひもを締めることが必須なので、ヘルメットを被るだけでなく、しっかりあごひもを締めましょう。

誤解4. 同乗者がヘルメットなしは運転者に責任がない

2人乗りができるバイク(排気量51cc以上のバイク)は、後席に人を乗せて走行(タンデム走行)できますが、運転者のみならず後席の同乗者にもヘルメットの着用義務があります。

バイクに乗って走行する場合は、搭乗者すべてにヘルメット装着の義務が発生し、同乗者がヘルメットを装着しないで警察の取締りにあうと、運転者に罰(違反加点1点・反則金なし)が科されます。

また、万が一同乗者に怪我をさせてしまった場合は運転者に責任も生じるので、可能な限り同乗者にも安全な服装や装備をさせた上で同乗走行をしましょう。

法的に認められるバイクヘルメットの基準

引用元:https://pixabay.com/ja/photos/BC-6288958/

ヘルメットにはさまざまな種類のものがありますが、ヘルメットであればOKという訳ではなく、以下の表のように、バイク走行に適したヘルメットを選ぶ必要があります。

番号 基準内容 解説
1 左右及び上下の視野を妨げない構造であること 周辺確認ができないと、安全運転が困難になるため。ジェット型やフルフェイス型は基本的にクリア。
2 風圧によりひさしが垂れて視野を妨げない構造 ひさし部分が柔らかすぎると走行中に下がって危険。
3 聴力を著しく妨げない構造 車の接近音やクラクションが聞こえる程度の通気性・聴覚性が必要。
4 衝撃吸収性を有し、帽体に耐貫通性があること 転倒時や衝撃時に頭部を保護できる構造。発泡スチロール素材を使用しているものが多い。
5 衝撃により容易に脱げないようにし、あごひもで固定できる構造 かぶるだけでなく、あごひもを締めていないと脱げやすくなるため、違反となる可能性あり。
6 重量が2kg以下であること 重すぎると首に負担がかかり、安全面で不利。通常は1.5kg以下が多い。
7 人体を傷つけるおそれのある構造でないこと トゲや鋭利な装飾、金属製の突起物はNG。理由は、事故時に怪我を助長するため。

参照元:e-gov 法令検索

https://laws.e-gov.go.jp/law/335M50000002060

ヘルメットを被った際に、左右上下の視野が確保でき、風圧でひさしが垂れて視界を妨げない構造のものを選ぶ必要があります。

また、聴力を著しく妨げない構造である必要もありますが、視界が確保できないと安全走行ができず、聴力を妨げると回りの車やバイクなどの存在に気づきにくく危険です。

ほかにも衝撃吸収性があり、転倒時に頭部を保護する構造である必要があり、あごひもでしっかり固定できて、転倒時に脱げるような構造もNGになります。

上部の表のような条件を満たしていないと、バイク用のヘルメットとしては安全面がクリアできないので、工事現場用のヘルメットなどを被ってのバイク走行はNGです。

道路交通法施行規則第9条の5

道路交通法施行規則第9条の5では、ヘルメットの基準について定められています。

また、ヘルメットメーカー側が取得した安全性に合わせ、以下のようなマークがあり、ヘルメットを選ぶ際はこれらのマークが表示されたものを選びましょう。

  • PSCマーク
  • SGマーク
  • JIS規格

それぞれのマークが何を表しているのか、詳しく解説していきます。

PSCマーク

PSCマークは国の定める安全基準を満たして製品に付けられるマークで、Product(製品)、Safety(安全)、Consumer(消費者)の頭文字からPSCマークと呼ばれています。

経済産業省が定める特定製品(乗車用ヘルメット、家庭用圧力鍋など)が対象で、製品による事故を防いだり、生活の安全を確保したりするのが目的です。

対象品目は、生産者や輸入販売者が自己確認を義務付けられている「特定製品」と、より厳格な基準で第三者機関による検査が義務付けられている「特別特定製品」があり、PSCマークが備わっていないと販売できません。

SGマーク

SGマークは「Safe Goods(安全な製品)」の略で、「一般財団法人製品安全協会」が定めている安全基準に適合した製品に表示されます。

消費者の生活や身体に影響を及ぼす可能性のある製品が対象で、製品の構造や材質、使い方などに対して定められた、安全な基準(SG基準)です。

対象製品は乳幼児製品やスポーツ用品など多岐にわたり、SGマークのついた製品に原因があり、その原因が元で消費者が怪我などを負った場合、生活安全協会が最大で1億円の損害賠償を行います。

JIS規格

製品やサービスの安全性や品質に関するルールがJIS規格で、JIS規格によって日本製品の品質などが一定以上に保たれています。

日本産業規格(Japanese Industrial Standards)」を略してJIS(ジス)規格と呼ばれ、産業標準化法(JIS法)に基づいた国が定める法律に基づいた規格です。

国レベルで製品やサービスの品質を一定以上に保つのが目的で、例えば家庭用電気の口径や十字穴付きネジなどの寸法、用紙のサイズ(A4、B3など)や品質、性能・機能などが定められています。

違法になる可能性があるヘルメット例

ヘルメットは頭に被っていればいいという訳ではなく、以下のような使用方法によっては違法となる可能性があります。

  • ノーヘル
  • あごひもを締めていない
  • ファッション用ヘルメット
  • 半キャップ

違法となる可能性のある使用方法について、それぞれを詳しく見ていきましょう。

ノーヘル

ノーヘルとは「ヘルメットを被ってすらない状態」のことで、2025年現在は原付から大型バイクに至るまで、全てのバイクはヘルメットの着用なくして運転できません。

運転者だけでなく、2人乗りできるバイクは後席の同乗者もヘルメットの着用が必要で、ノーヘルで運転をしていると警察官に違反の検挙がなされます。

早朝の新聞配達員の中にはノーヘルで運転している人もいますが、新聞配達員だからノーヘルルが許されるということはなく、交通違反です。

ヘルメットは万が一の転倒の際に自分の身を守るもので、ファッションや利便性(被るのが面倒、蒸れやすい)を優先して被るものではありません。

あごひもを締めていない

あごひもを締めていなくても、取締りで違反通告をされることはありませんが、警察官から「あごひもを締めるように」と注意を受けることがあります。

また、あごひもを締めていないと転倒時などに衝撃でヘルメットが脱げ、頭を保護することができない可能性が高いです。

頭部を守る安全機能としてヘルメットを被るので、あごひもをしっかり締め、ヘルメットが脱げないようにしてバイクを運転しましょう。

ファッション用ヘルメット

安全面よりも装飾やデザインを優先した、ファッション用ヘルメットも、バイクの運転には避けるべきヘルメットです。

ファッションヘルメットは、安全面などバイクのヘルメットに必要な規格を満たす必要がないため、安全面や性能面に問題があります。

ヘルメットの形さえしていればどんなヘルメットを被っても良い訳ではなく、バイクで求められる安全性能や機能性を満たしたヘルメットを被りましょう。

半キャップ

バイク用半キャップは違反ではありませんが、フルフェイスなどに比べ転倒の際に頭や顔面を守ることができない可能性が高く、選ぶのは避けたほうが良いです。

頭とあごひもの2点でしか固定されないので、走行中にも風圧でズレやすく、後部や顔面を覆っていないので、転倒の際に怪我もしやすくなります。

ヘルメットは安全性を最優先すべきなので、より安全性の高いフルフェイスやジェットヘル、システムヘルメットを選ぶのがおすすめです。

法的に認められる条件を満たしているおすすめヘルメット

法的な規格を満たしているバイク用ヘルメットを6アイテム紹介していきます。

バイク用ヘルメット選びに迷ったら、今回紹介するアイテムを参考にヘルメットを選んでみてください。

DN-001RS フルフェイスヘルメット ホワイト DAYTONA

引用元:https://bikeman.jp/products/d-vr-t-000820

インナーバイザーが付いた、コストパフォーマンスの高いバイク用ヘルメットが、DAYTONA(デイトナ)「DN-001RS フルフェイスヘルメット」です。

素材にはABSとPCの複合素材が採用され、2万円を切る価格ながら、バイクヘルメットに求められるSGやPSCの規格をクリアしています。

  • タイプ:フルフェイス
  • 商品名:DN-001RS フルフェイスヘルメット ホワイト
  • メーカー:DAYTONA(デイトナ)
  • 対応規格:SG、PSC
  • 販売価格(税込):18,616円

N808 WANTED NOLAN

引用元:https://bikeman.jp/products/d-45666

「N808 WANTED」は、イタリアで50年以上の歴史を持つNOLAN(ノーラン)のヘルメットで、日本製とは異なった欧州らしいデザイン性で、街乗りからツーリングまで使えます。

NOLAN製品の日本総輸入元はバイクパーツの生産・販売を行うDAYTONAで、日本のSG規格に合う仕様で生産されており、安全面や法律面も安心です。

  • タイプ:フルフェイス
  • 商品名:N808 WANTED
  • メーカー:NOLAN(ノーラン)
  • 輸入発売元:DAYTONA(デイトナ)
  • 対応規格:SG、PSC
  • 販売価格(税込):39,547円

N80-8 ソリッド メタルホワイト NOLAN

引用元:https://bikeman.jp/products/d-28987

NOLAN「N80-8 ソリッド メタルホワイト」は、ボタンワンプッシュで収納できる、サングラスとしての機能を持ったインナーバイザーが備わったフルフェイスヘルメットです。

LPC(ライナーポジションコントロール)により内装の高さ調整が可能で、チークパッドの赤いテープを引っ張るだけでパッドを取り外しでき、救護の際に脱着させやすい機能性の高さも備えています。

  • タイプ:フルフェイス
  • 商品名:N80-8 ソリッド メタルホワイト
  • メーカー:NOLAN(ノーラン)
  • 輸入発売元:DAYTONA(デイトナ)
  • 対応規格:SG、PSC
  • 販売価格(税込):32,355円

X-804RS ウルトラカーボン SPECTRE ブルー

引用元:https://bikeman.jp/products/d-45230

サーキット走行などスポーツ走行を行う人におすすめなのが、NOLAN「X-804RS ウルトラカーボン SPECTRE」です。

カーボンやアラミド繊維など、プロレーサー用ヘルメットにも使われるハイエンド素材を使用、高い強度や安全性に軽さや快適性を備え、レーサー向けに設計された空力性能を持つフラッグシップモデルになっています。

  • タイプ:フルフェイス
  • 商品名:X-804RS ウルトラカーボン SPECTRE ブルー
  • メーカー:NOLAN(ノーラン)
  • 輸入発売元:DAYTONA(デイトナ)
  • 対応規格:SG、PSC
  • 販売価格(税込):101,563円

HJH190 i90 ホレン システムヘルメット RSタイチ

引用元:https://bikeman.jp/products/rst-hjh190ye01l

格納式サンバイザーやラピッドファイヤーシールド着脱システムなど、機能性が豊富なシステムヘルメットが、RSタイチ「HJH190 i90 ホレン システムヘルメット」です。

スピーカーやマイクなどインカム関連の装着が可能なスペースも備え、走行風の取り込みや内部熱の放出が効率よく行われる、ベンチレーションシステムも搭載しています。

  • タイプ:システム
  • 商品名:HJH190 i90 ホレン システムヘルメット
  • メーカー:RSタイチ
  • 対応規格:SG、JIS
  • 販売価格(税込):29,920円

KAMUI 3 JAG カムイ3 ジャグ ブラックブルー

引用元:https://bikeman.jp/products/ogk-4966094596699

OGKカブト「KAMUI 3 JAG カムイ3 ジャグ ブラックブルー」は、トライバル模様とシャープなデザインを持ち、脱着のしやすさと首元までソフトに包み込む装着感があります。

UV(紫外線)とIR(赤外線)をカットする、帝人製高機能ポリカーボネートを採用、チークパッドはメガネやサングラスの脱着も容易な設計です。

  • タイプ:システム
  • 商品名:KAMUI 3 JAG カムイ3 ジャグ ブラックブルー
  • メーカー:OGKカブト
  • 対応規格:JIS
  • 販売価格(税込):38,649円

違反時の罰則

ヘルメットを着用せずに公道をバイクで運転した場合、以下のような罰則が科される可能性があります。

項目 内容
違反名 乗車時ヘルメット着用義務違反
根拠法令 道路交通法 第71条の4・道路交通法施行令 第26条の3
対象者 運転者および同乗者(原付含むすべてのバイク)
違反点数 1点加点(行政処分)
反則金 なし(金銭的な罰則は科されない)
刑事罰 なし(交通違反として処理)

ヘルメットを着用せずにバイクを運転した場合、乗車時ヘルメット着用義務違反(道交法第71条4・26条3)となり、違反加点が1点で反則金はありません。

半キャップヘルメットの使用について法的リスク

引用元:https://pixabay.com/ja/photos/88-3097712/

半キャップは法律上の扱いではグレーとなり、違反となる可能性があるため、半キャップの使用は避けたほうが無難です。

警察官による取締りを受けなかったとしても、フルフェイスなどに比べ安全性が圧倒的に劣る点も、半キャップを避けるべき理由になります。

半キャップは転倒した際などの衝撃で簡単に脱げてしまい、頭を保護するヘルメットの役割を果たさない可能性が高く、法的にグレーな点と安全面に期待できない点が、半キャップを使用する上でのリスクです。

違反となる可能性がある理由

バイク用ヘルメットだとしても、以下のような理由で交通違反となる可能性があります。

  • 衝撃吸収性・耐貫通性が多くの製品で不十分
  • 安全規格マーク(PSC・SG・JIS)は多くの製品が非対応
  • 頭部全体の保護ができていない

バイクヘルメットを選ぶ際は、これら違反となる可能性がないかを確認のうえ選びましょう。

衝撃吸収性・耐貫通性が多くの製品で不十分

道路交通法でヘルメットの基準として、「衝撃吸収性があり、かつ、帽体が耐貫通性を有すること」とあり、これらの条件を満たしていないヘルメットは、違反となります。

安価なヘルメットは、衝撃吸収性や帽体の耐貫通性が満たされていない製品も多いため、警察官による取締りを受ける可能性も。

また、衝撃吸収性と耐貫通性は頭部を守る際に必要な条件なので、安全面を考慮し、これらを満たしていない安価(1万円前後)なヘルメットを選ぶのは避けましょう。

安全規格マーク(PSC・SG・JIS)は多くの製品が非対応

バイクヘルメットには様々なタイプや販売元がありますが、安価なヘルメットは多くの製品で安全規格マーク(PSC・SG・JIS)をクリアしておらず、違反となる可能性があります。

特に販売価格が1万円を切るようなヘルメットは、安全規格をクリアできていない製品が多いので、価格だけでヘルメットを選ぶのは安全面からも危険です。

予算の面で少しでも安価なヘルメットを選びがちですが、ヘルメットは身の安全を守るためのものなので、できるだけ価格よりも安全面を優先しましょう。

安全面で劣るヘルメットを被ると、頭部のダメージにより後遺症が残る可能性が高まり、ヘルメット代金を安く押さえた金額以上の損害となるので、安全面を満たすヘルメットを選ぶのがおすすめです。

頭部全体の保護ができていない

バイクヘルメットは頭部の保護を目的とするものなので、頭部全体の保護ができていないと、警察官による取締りを受ける可能性があります。

法律上(道路交通法施行規則第9条の5・乗車用ヘルメットの基準)は半キャップでも違反となりませんが、デザイン性を優先しすぎたヘルメットは、バイク用ヘルメットとして認められないことも。

安全面が劣り違反になる可能性があることから、バイク用ヘルメットは頭部全体をしっかり覆る製品を選ぶのがおすすめです。

バイクヘルメットの法律の歴史

引用元:https://pixabay.com/ja/photos/BC-5040167/

1965年以前は特に乗車用ヘルメットの装着が義務化されていませんでしたが、以下のように段階を踏んでヘルメット装着義務が強化されていきました。

内容 補足
1965年(昭和40年) 高速道路における二輪車のヘルメット着用を「努力義務」として定める 法的罰則はなし。死亡事故増加を受けた初期の対応。
1972年(昭和47年) 51cc以上の自動二輪車に対して、指定区間(高速道路・幹線道路など)でのヘルメット着用を義務化 この時点では、対象は大型・中型のみ。原付は除外。
1975年(昭和50年) 政令指定区間道路すべてに拡大して、51cc以上のバイクは「常時着用義務」へ 幹線道路だけでなく、一般道路にも適用が広がった。
1978年(昭和53年) すべての道路で、51cc以上のバイクに対して着用を「完全義務化」 二輪車事故による死亡事故率が非常に高かったのが背景。
1986年(昭和61年) 原付(50cc以下)にも着用義務が拡大され、すべてのバイクに完全義務化 原付の死亡事故も深刻化していたため、全面施行に。
現代(2020年代) 全排気量・すべての道路・運転者&同乗者を対象に完全義務化 未装着車は道路交通法違反(1点加点)、同乗者も対象

まずは1965年に高速道路を走行するバイクにヘルメット着用義務が課され、1972年に指定区間(高速道路・一部幹線道路)での着用に拡大。

3年後の1975年には一部期間ではなく、政令指定区間全ての道路でのヘルメット着用が義務化(原付以外)、1986年には原付にもヘルメットの着用義務が導入されました。

2020年代にはバイクの排気量を問わず全ての道路で、運転者・同乗者ともにバイクに乗る者全てにヘルメットの義務化が課され、現在に至ります。

なぜ段階的に義務化されたのか?

バイクのヘルメットが段階的に義務化されていったのは、事故(特に死亡事故)が増加していった背景があります。

当初は転倒時によりダメージを受けやすい、速度が速い高速道路や幹線道路に限っての義務化でしたが、一般道路でも死亡事故が増加したため、段階的に義務化の対象となるバイクも増えていきました。

死亡など致命的な事故の増加に合わせ、ヘルメットの装着義務の対象も段階的に拡大されていったのが、ヘルメット着用義務の歴史です。

義務化の効果

(財)交通事故総合分析センターの調査により、ヘルメットを装着していないライダーは、脱着しない状態で装着していたライダーに比べ、2倍以上も頭部の負傷が多い結果が出ました。

同センターが調査したバイク事故280件のうち、ヘルメット非装着の事故は67.4%ものライダーが頭部に負傷を受けています。

逆に、ヘルメットを正しく装着していたライダーの頭部負傷は30.8%にとどまり、頭部負傷が半分以下と、ヘルメット装着による高い効果が分かりました。

参照元:(財)交通事故総合分析センター

https://www.itarda.or.jp/contents/499/info39.pdf

ブログに戻る

最近見た商品