バイクの「cc」とは?ccによって変わるバイク性能と維持費について

バイクの「cc」とは?ccによって変わるバイク性能と維持費について

バイクのccってなに?

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バイクのcc(シーシー)とは排気量を表す言葉のことで、cubic centimeter(キュービックセンチメートル)の略です。

ccはエンジンのシリンダー内部で、ピストンが動く空間(シリンダー容積)の大きさを表しています。

また、排気量とは、エンジンの燃焼に使われるシリンダー容量を合計したもののことで、1回の燃焼でどれだけの混合気(燃料+空気)を吸い込み、燃焼できるかを表しています。

例えば、排気量が250ccのバイクは、燃焼室のシリンダー容量の合計が250立法センチメートル(cm³)という意味です。

ccが大きいと何がどう変わる?

cc(排気量)が大きいと、エンジンがより多くの燃焼を行えるため、エンジンパワー(馬力やトルク)が向上し、加速性能や最高速度が上がります。

排気量が上がると高回転時のエネルギーが増えトルクも生まれるため、高速道路でも余裕のある走りが可能になりますが、一度に燃焼する燃料の量も増えるため、小排気量のバイクに比べ燃費が劣ることが多いです。

日本の軽自動車税や自賠責保険の料金は排気量ごとに区分されており、排気量が上がると高額になるほか、エンジンサイズが大きくなるため車両重量も増え、取り回しが難しくなることがあります。

ccとバイク性能の関係

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ccが異なると、パワーや最高速度などバイクの性能に差が生まれ、大きいほうがバイクの性能が高くなる傾向にあります。

パワーや最高速度など、ccとバイクの性能の関係について、見ていきましょう。

ccと各性能への影響

バイクのcc(排気量)が大きくなればなるほど、一度に多くの燃料と空気を燃焼できるため、エンジンの出力(馬力やトルク)が大きくなります。

最大出力(psやhp)が大きいほど、最高速度や高速域での伸びるようになり、トルク(N・m)は加速力に影響し、発進時や坂道での力強さです。

バイクの排気量とおよその最高出力(馬力)、走行時の様子は以下のようになっています。

バイクの排気量 およその最高出力 走行時の様子
125cc 約10~15ps 街乗りは十分だが、2人乗りだとパワー不足を感じる
250cc 約20~35ps 高速道路ではややパワー不足を感じる
400cc 約40~50ps 高速道路でも峠道で快適に走れる
1000cc 約150~200ps 非常に加速が鋭く、レースバイク並の高性能

ccと最高速度

バイクの排気量が上がるほどエンジンが力強くなり、最高速度も上がっていきますが、排気量と最高速度の目安は、以下のとおりです。

排気量 最高速度の目安
50cc 約50~60km/h(法定速度は30km/h)
125cc 約90~110km/h
250cc 約130~160km/h
400cc 約160~180km/h
600cc 200km/h以上
1000cc 250km/h以上(海外モデルは300km/h超えも)

エンジンの出力は最高速度に影響し、同じ排気量のバイクであっても、最高出力の大きいほうがより最高速度が高い傾向にあります。

また、ネイキッドタイプのバイクよりも、カウルの付いたスポーツタイプのバイクのほうが、風の流れを制御しやすく、同じ馬力であっても最高速が高いです。

ccと燃費

排気量が大きくなるほど、一度に燃焼する燃料の量が多くなるため、燃費は悪化する傾向にあります。

排気量 燃費の目安 特徴
125cc以下 約40~60km/L 燃費が良く、通勤や街乗りに最適
250ccクラス 約30~40km/L 燃費とパワーのバランスが良い
400ccクラス 約20~30km/L 燃費よりもパワー重視の方向け
1000cc以上 約10~20km/L 高出力エンジンで排気量も大きいため燃費が悪い

燃費性能だけで見れば、125cc以下のバイクがガソリン1Lあたり40km~60km走行でき、経済的に良いです。

250ccクラスは125cc以下ほどの燃費性能はないものの、パワーと燃費のバランスが良く、スムーズな走行ができます。

大排気量のバイクは、アクセルを大きく開けると燃費が一気に悪化するので、アクセルワークや走り方に注意が必要です。

ccと車体の重さ

バイクは基本的に、排気量が増えるとエンジン重量も増えるため、車重も連動して重くなる傾向にあります。

排気量と車両重量の目安は次のようになっていますが、同じ排気量であっても、バイクのジャンル(ネイキッド、スーパースポーツなど)によって重量が変動しますので、あくまでも目安です。

排気量 車両重量の目安
50cc 約80~100kg
125cc 約100~130kg
250cc 約140~180kg
400cc 約180~220kg
600cc以上 200kg以上(大型モデルは250kg超えも)

バイクの重量が軽いほど、燃費性能も高い傾向にあるので、車重は燃費性能にも関わってきます。

cc毎のバイクの分類と必要な運転免許

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バイクは排気量に応じて区分され、乗りたいバイクの排気量に対応する免許を取得する必要があります。

排気量 免許の種類 取得可能年齢 法定最高速度 2人乗り 高速道路
50cc以下 原付免許 16歳~ 30km/h 不可 不可
125cc以下 小型限定自動二輪免許(MT/AT) 16歳~ 60km/h 不可
400cc以下 普通自動二輪免許(MT/AT) 16歳~ 60km/h 可(125cc超から)
制限なし(全てのバイクOK) 大型自動二輪免許(MT/AT) 18歳~ 60km/h 可(125cc超から)
50ccまで(原付のみ) 普通自動車免許(AT/MT) 18歳~ 30km/h 不可

400ccまでのバイク免許(原付、小型限定、普通自動二輪)は16歳から取得できますが、大型自動二輪免許(排気量制限なし)は18歳から取得できます。

高速道路を走行するには125ccを超える排気量のバイクが必要で、125cc以下までのバイクに乗れる小型限定免許では高速道路の走行はできません。

各排気量のクラスごとに、より詳しく見ていきましょう。

1.50cc以下(原付一種 / 原動機付自転車)

50cc以下のバイクが乗れる原付一種免許は16歳以上で取得が可能で、普通自動車免許を持っている場合は原付も運転可能となり、ホンダ・トゥデイやヤマハ・ジョグ、スーパーカブ50などの車種に乗れます。

法定最高速度は30km/hまでで、大きな幹線道路では二段階右折が必要となるほか、高速道路の走行や2人乗りはできません。

保険や税金・燃料代などの維持費が非常に安いメリットがある反面、最高速度が30km/hと他の交通と同じ速度で走れず、二段階右折が必要になるデメリットもあります。

2.51cc~125cc(原付二種 / 小型二輪)

125cc以下のバイクは小型限定普通二輪免許が必要で、16歳以上で取得可能ですが、普通二輪免許・大型二輪免許があれば運転でき、ホンダ PCX125やスーパーカブ110などに乗れます。

最高速度は60km/hで二段階右折は不要(普通のバイクと同じ扱い)で、2人乗りもできますが、高速道路の走行はできません。

メリットは50ccバイクよりも速く走れる上に維持費が安い(燃費が良く、税金・保険が安い)ほか、二段階右折が不要で交通の流れに乗りやすいですが、デメリットとして高速道路には乗れず、小型限定普通二輪免許を取得する必要があります。

3.126cc~250cc(軽二輪)

排気量が126cc~250ccクラスは軽二輪と呼ばれ、運転するには16歳から取得可能な普通二輪免許(MT/AT)が必要ですが、大型二輪免許があれば運転可能です。

法定最高速度は60km/hで、2人乗りや高速道路の走行もでき、ホンダ CBR250RRやカワサキ Ninja 250などに乗れます。

高速道路の走行が可能な点と車検が不要で維持費が安い点がメリットで、デメリットは400ccに比べるとパワー不足を感じ、高速道路での安定性にやや欠け、長距離走行は疲労しやすい点です。

4.251cc~400cc(小型二輪 / 普通自動二輪)

251cc~400ccクラスは小型二輪(普通自動二輪)クラスで、運転するには普通二輪免許(MT/AT)が必要となり、16歳から取得可能です。(大型二輪免許があれば運転可能)

法定最高速度は60km/hで、2人乗りや高速道路の走行もでき、ホンダ CB400SFやカワサキ Ninja 400、ヤマハ MT-03などに乗れます。

メリットは250ccよりパワーがあるため高速走行が快適で、取り回しが比較的しやすい点で、デメリットは車検が必要(2年ごと)になるため、燃費や維持費が250ccより高くなる点です。

5.401cc以上(大型二輪)

401cc以上のクラスは大型二輪で、運転には大型二輪免許(MT/AT)

が必要となり、取得はバイク免許の中で唯一18歳以上からです。

ホンダ・CBR1300SFやハーレー・Street Bobなど、排気量に関係なく全てのバイクに乗れ、法定最高速度は60km/h、2人乗りや高速道路の走行もできます。

メリットは圧倒的なパワーで加速や高速道路の走行が快適、長距離ツーリングやスポーツ走行に向いている点で、デメリットは維持費が高く(車検、燃費が悪く、タイヤやオイル交換費用も高額)、取り回しが難しく初心者にはハードルが高い点です。

バイクのcc毎の維持費

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バイクには税金や燃料代などさまざまな維持費が発生し、排気量が大きくなるほど年間あたりの維持費が高くなる傾向にあります。

バイクにはどのような維持費があるのか、排気量(クラス)別の維持費や、年間の総合維持費を見ていきましょう。

年間の総合維持費

バイクは排気量ごとに維持費が変わり、年間の総合維持費の目安は以下のようになっています。

排気量 軽自動車税(年間) 自賠責保険(年間) 任意保険(概算) 燃費(km/L) メンテナンス 車検費用(2年ごと) 年間合計(目安)
50cc 2,000円 約4,000円 約30,000円 50~60km/L 1~3万円 なし 約6~8万円
125cc 2,400円 約4,000円 約35,000円 40~50km/L 2~3万円 なし 約7~10万円
250cc 3,600円 約6,500円 約45,000円 30~40km/L 3~5万円 なし 約10~15万円
400cc 6,000円 約8,500円 約50,000円 20~30km/L 4~6万円 約5~7万円 約20~25万円
600cc以上 6,000円 約8,500円 約70,000円 10~25km/L 6~10万円 約5~7万円 約25~35万円

特に250ccを超えると2年毎に車検が必要になり(新車購入の場合、最初は3年、以降2年毎)、車検代も加算するため年間の維持費も大きくなります。(車検費用を2年で割って加算)

250ccクラスまでは車検が必要ないため、その分維持費も安くつくので、コストパフォーマンスのよいクラスです。

自動車税

自動車税(バイクの場合は軽自動車税)は、毎年4月1日の時点でバイクを所有している人に支払い義務が発生する税金で、毎年収める必要があります。

排気量 軽自動車税(年間)
50cc以下 2,000円
51cc~90cc 2,000円
91cc~125cc 2,400円
126cc~250cc 3,600円
251cc~400cc 6,000円
401cc以上 6,000円

125ccまでは税金が2,000円台と比較的安く、126cc~400ccの中型バイククラスは3,600円と少し高めになっています。

排気量が大きくなってもそれほど大きな差はありませんが、毎年納付義務が発生するため、長くバイクに乗り続けると、積もり積もることによる差が大きいです。

自賠責保険(強制保険・法律で加入必須)

自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)とは、交通事故で人を死傷させたときに支払われる保険のことで、法律によって加入が義務付けられています。(未加入の運転は罰則あり)

排気量 1年分 2年分 3年分 4年分 5年分
50cc 6,910円 8,560円 10,170円 11,760円 13,310円
125cc 7,310円 9,270円 11,130円 12,950円 14,690円
250cc 8,650円 12,220円 15,720円 19,140円 22,510円
400cc以上 8,650円 12,220円 15,720円 19,140円 22,510円

自賠責保険は50ccや125ccクラスでは比較的安めで、250cc以上は高めになっていますが、どのクラスも数年分をまとめて支払うと、1年あたりの保険料が割安になっています。

車検が必要なバイクの場合、車検時に加入するケースがほとんどで支払い忘れも少ないですが、車検が必要ない250cc以下のクラスは、支払い忘れに注意が必要です。

任意保険(事故の補償を手厚くするための保険)

任意保険は自賠責保険のように強制加入ではありませんが、ほとんどのライダーが加入している事故の際の損害を保障してくれる保険です。

自賠責保険ではカバーしきれない損害を保障してくれ、対人・対物・搭乗者など、保障をする範囲や保証内容を自分で決めて契約できます。

排気量 年間保険料(目安)
50cc 約2~3万円
125cc 約3~4万円
250cc 約4~5万円
400cc 約5~7万円
600cc以上 7万円以上

排気量が小さいほうが任意保険料も安くなっていますが、大型バイクになると保険料も高くなっており、20代よりも40代のほうが保険料は安くなっています。

万が一事故で相手方を死亡させてしまったり、怪我を負わせて後遺障害となってしまったりした場合、数千万~億単位の損害賠償が請求されることもあるため、支払額に対して保険料が安い保険です。

燃費とガソリン代

排気量が増えるほど燃費が悪くなり、ガソリン代も増えていくため、維持費やツーリングなど長距離走行時のコストも高くなります。

排気量 燃費(km/L) 500km走行時のガソリン代(170円/L)
50cc 50~60km/L 約1,500円
125cc 40~50km/L 約2,000円
250cc 30~40km/L 約2,500円~3,000円
400cc 20~30km/L 約3,500円~4,500円
600cc以上 10~25km/L 5,000円以上

50cc~125ccクラスは、ガソリン1Lあたり40km~60kmの走行が可能(カタログデータ値)と非常に燃費もよく、コストパフォーマンスがとても高いです。

燃費と性能や使い勝手のバランスがいいのは250ccクラスで、ガソリン1Lあたり30km~40km程度の走行が可能で、車検も不要のため年間の維持費も比較的安くなっています。

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