バイク乗りの「ヤエー」って何?賛否が分かれるライダーの挨拶

バイク乗りの「ヤエー」って何?賛否が分かれるライダーの挨拶

バイクのヤエーって何?

引用元:https://pixabay.com/ja/photos/97-8227939/

バイクの「ヤエー(YAEH!)」とは、バイクに乗っているライダー同士が、すれ違いざまにピースサインや手を振って、挨拶を送り合う行為のことです。

ツーリング先でのすれ違いによく見られるバイク特有の挨拶(コミュニケーション)で、簡単に言うとバイク版の「手を使った挨拶」となります。

人差し指と中指を立てて作る「ピースサイン(日本では平和やラッキーの意味合い)」を送ることもあり、ヤエーはピースサイン同様に、安全を願う意味での挨拶です。

ヤエーはそもそもなぜやるの?

ヤエーを行う理由には、以下のようなものがあります。

  • 同じバイク乗りとしての連帯感・仲間意識
  • 一期一会の出会いを大切にしたい
  • バイクの危険さを乗り越えて走る仲間へのエール

同じバイク乗りとしての「連帯感や仲間意識の確認」、すれ違う一瞬だけど一期一会の出会いを大切にしたい思い、などから生まれる挨拶でもあります。

またバイクは車とは違い体を守るボディがないので、車に比べると身の危険がある乗り物ですが、そんな危険さを乗り越えて走る、バイク乗り仲間へのエールを送る意味合いも。

バイク乗りとしての連帯感や、相手を思いやる気持ち、危険を乗り越えながら走るバイク仲間へのエールが、ヤエーを行う理由です。

道中の安全を願う意味もある

ヤエー(YAEH!)には、すれ違うライダーに対し「道中お気をつけて、ご安全に!」の意味合いもあり、お互いにヤエーを出し合うことで、ともに相手の安全を願うことになります。

また、ツーリングなどで地元に訪れた他の地域のライダーに対し、「よく来たな」など歓迎の意味合いを込めてヤエーを送ることも。

このように、ヤエーを出す人によってさまざまな意味合いを持つのがヤエー!で、いずれもポジティブな思いのあるヤエー!です。

ヤエーの歴史・語源・由来

ヤエーは、インターネットの掲示板「2ちゃんねる」で投稿された、コメントのスペルミスが生まれたきっかけです。

2003年に「ピースしようぜ!」というスレッドにて、「YEAH!(イエー)」と打つところを誤って「YAEH!(ヤエー)」と打ってしまい、スレッドに投稿していた人や、内容を見ていた人たちによって面白がられました。

そこから掲示板内で「YAEH!」が使われるようになっていき、少しずつ拡散されはじめ、広まっていったのが「YAEH!」の歴史です。

ヤエーステッカーもある

ヤエー!には、全国の有志によって作られた「ヤエー!ステッカー(通称:ヤエステ)」もあり、もともとは掲示板仲間のオフ会などで無償配布されていました。

やがて全国のライダーが立ち寄る拠点や店舗、ライダーズカフェなどでも無償配布されるように広まっています。

ヤエステは全て有志による無償配布が目的で、販売が許可されていないので、オークションサイトなどで販売されているものは、営利を目的とした無許可のヤエステなので購入は控えましょう。

ヤエーのやり方・マナー・注意点

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実際にヤエーをやるには、どのようにしてすればいいのでしょうか。

ヤエーのやり方やマナー、ヤエーをするときの注意点について解説していきます。

やり方

ヤエーのやり方には、以下のようなものがあります。

  1. 左手を軽くあげる
  2. ピースサイン
  3. 手を振る
  4. ロックサイン(人差し指+小指)

最も手軽なヤエーは、ライダーとすれ違いざまに「左手を軽く上げる」や、人差し指と中指を立てて「ピースサインを出す」です。

ほかにも、指を軽く伸ばして「手を振る」や、人差し指と小指を使って作る「ロックサイン」などがあり、どんなヤエーを送るかは個性があらわれるところ。

マナー・注意点

安全運転を願ったり、ねぎらったりするためのヤエーを出そうとして事故を起こしていては本末転倒なので、注意点を抑えたうえでヤエーを出すようにしましょう。

ヤエーを出す際のマナーや注意点として、以下のものがあります。

  1. 危険なときは無理にしない
  2. 手は左手で
  3. 対向車線のライダー限定でやるのが基本
  4. 気づかれなくても気にしない
  5. 無理に返さなくてもいい

それぞれを詳しく見ていきましょう。

危険なときは無理にしない

カーブの途中を走行していたり、小石や落ち葉が多く落ちていたりする状況など、運転に集中しないといけない危険な場面では、無理にヤエーを出さないようにしましょう。

直線道路であっても、道路によっては轍で道路が波打っていることもあり、ハンドルが取られやすいので、しっかり安全が確保できている状況限定でヤエーを出します。

走行に集中しないといけない危険な場面では、無理にヤエーを出さず、安全運転を最優先しましょう。

手は左手で

ヤエーを出す場合は左手で行いますが、加速時や減速時など、クラッチ操作が必要なときにヤエーを出すのは危険です。

また、ヤエーを右手で行うとアクセル操作ができなくなり、急激なエンブレで安定を失って転倒の危険性が高まります。

ヤエーを出すときは、比較的安全な場所でクラッチ操作を必要としない場面で、必ず左手で出しましょう。

対向車線のライダー限定でやるのが基本

ヤエーを送るのは、対向車線のライダーとすれ違いざまに行うのが基本で、一般道路のみに限定して行いましょう。

より運転に慎重さが求められる高速道路でのヤエーは禁止で、一般道でも2車線道路など、並走して走りながらヤエーを出すと、前方に意識が向かずよそ見運転につながります。

ヤエーは一般道路で対向車線のライダー限定で出し、ヤエーを出すときによそ見にならないよう、注意して走行しましょう。

気づかれなくても気にしない

状況などによっては、相手ライダーにヤエーを出しても気づかれないこともあり、「ヤエーを出したのに返してもらえない」と考えるのはあまり意味がありません。

相手がヤエーの意味を分かっていないこともあるため、ヤエーを出したのに返してもらえなかったとしても、気にしないようにしましょう。

人によっては、ヤエーを返してもらえないことに腹を立てる人もいるかもしれませんが、相手ライダーにも都合があり、ヤエーを必ず返さないといけないというルールもありません。

そもそも、ヤエーが返ってくることを期待してヤエーを出し、その期待に裏切られて腹を立てるくらいなら、最初からヤエーをしない方が良いでしょう。

無理に返さなくてもいい

相手がヤエーをしてくれても、状況などによって無理に返す必要はありません。

あくまでも安全運転が最優先で無理なくヤエーを出すのが基本で、ヤエーを出すのが難しいけど挨拶をしたい場合は、軽く会釈をしたり軽く頭を下げたりするだけでもOKです。

ヤエーをすることで安全性が損なわれるときは、無理をしてヤエーを出さず、安全運転を優先させましょう。

ヤエーをよく思わないライダーもいる

全てのライダーがヤエーに対して肯定的ではなく、中にはヤエーを思わしくないと思っているライダーもいます。

「走行中にハンドルから手を離すのは危険」、「ヤエー自体面倒」と思っている人に多く、一定数そのようなライダーもいるので、留意しておきましょう。

一緒に走行するバイク仲間の中にも、ヤエーをよく思っていない人がいるかも知れないので、自分がヤエーをするからといって、仲間にまでヤエーをするよう呼びかけないのが無難です。

ヤエーをするよう取り決めし、ヤエーが原因で事故につながると、責任の所在を巡って大きなトラブルに発展する可能性もあります。

ヤエーは法律違反になる?

走行中に左手を離して対向車線のライダーにサインを送るヤエーですが、そもそも走行中に手を離してサインを出す行為は、法律違反にならないのでしょうか。

道路交通法では、一瞬片手を離して走行する行為自体、禁止はされていません。

しかし、取り締まりにあたる警察官によっては、安全運転義務違反とみなされ、違反取り締まりの対象となることがあります。

安全運転義務違反となった場合、原付の反則金は6,000円、二輪車の反則金は7,000円で、どちらも違反加点が2点です。

ヤエーに対する賛否

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ヤエーにはポジティブで肯定的な意見もあれば、安全などの面などから、逆に否定的な意見もあり、賛否が分かれるところです。

肯定派と否定派それぞれの意見を見ていきましょう。

ヤエー賛成派の意見(肯定的な声)

ヤエーをすることに肯定的な賛成派の意見には、以下のようなものがあります。

  • 「仲間意識や一体感が生まれて嬉しい」
  • 「旅の楽しみが増える」
  • 「気軽な挨拶としてシンプルに気持ちいい」
  • 「簡単にコミュニケーションが図れる」
  • 「ライダーとすれ違うと嬉しくなって応援したくなる」

中でも多かったのが、「仲間意識やライダー同士の一体感が生まれて嬉しい」、「旅の楽しみが増える」といった、バイク乗り同士のつながりを喜ぶ意見です。

また、「気軽な挨拶としてシンプルに気持ちいい」、「簡単にコミュニケーションが図れる」など社交的な人や、礼儀正しい人に多い意見があります。

少数ですが、「ライダーとすれ違うと嬉しくなって応援したくなる」といった、相手を応援したくなる気持ちからヤエーを出すという肯定的な意見もありました。

もともと昔から、ライダー同士のすれ違いさまに、ピースサインを出したり手を上げたりすることがあり、

ヤエー反対派の意見(否定的な声)

ヤエーに反対していたり、あまりいい印象を持っていなかったりする人たちの意見には、以下のようなものがあります。

  • 「危ない・集中力が削がれる」
  • 「いちいち面倒に思う」
  • 「親しくもない相手に出す意味がわからない」
  • 「やりたくない文化を押しつけられている感じがする」
  • 「返せないと気まずい」

中でも多いのが年配のベテランライダーに多い、ヤエーをすることが「危ない」「集中力が切れる」と言った意見で、安全運転の観点からヤエーをよく思っていない模様です。

また、ヤエーをすること自体が面倒で、「親しくもない相手にいちいちヤエーを出す意味がわからない」といった意見もありました。

似たような意見に、「やりたくないことを押し付けられているようで嫌だ」というものもあり、誰からも強制されることなく自由にバイクに乗りたい、という思いが垣間見えます。

ヤエーに対しそれほど否定的ではない人の中に、「返せないと気まずい」というのもあり、ヤエーを返さないといけない、というような空気が苦手というような意見でした。

ヤエーに中立的な意見(どちらでもない)

ヤエーに賛成的な人もいれば、逆に否定的な人もいますが、中にはどちらとも言えないという意見もあります。

  • 「ヤエーはどちらでもないが、されたら返す」
  • 「自分からすることはない」
  • 「することはないが、気にもならない」

ヤエーに対して肯定的な人もいれば、否定的な人もいますが、「どちらでもない」中立的な人もいます。

中立的な人の意見に多いのが、「ヤエーはどちらでもないが、されたら返す」、「自分からすることはない」といった、相手がしてきたらこちらも返すといった意見でした。

また、「ヤエーをすることはないが、(ヤエーに)」も気にもならない」というヤエーに無関心な意見もありました。

ヤエーに対して肯定的な人は7割程度

ヤエーに対して肯定的(賛成)人は7割程度だった、というアンケート結果があり、バイク用品を販売するナップスのアンケートでは、実に8割ほどが賛成となる結果となりました。

アンケートは、「どんな年齢層や性別を対象にするのか」、「どこで実施するのか」などの要因によって結果が大きく変わることがあります。

アンケートの結果はあくまでも参考程度に、肯定派も否定派も自分のスタイルに合わせ、するも自由しないも自由として、ヤエーと向き合っていきたいものです。

 

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