バイクの「SS」とは?スーパースポーツバイクをあらゆる角度から分析してみた
バイクの「SS」とは「スーパースポーツ」の意味

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バイクの「SS」とは、スーパースポーツ(Super Sport)のことで、略してSSと呼ばれています。
SSはスポーツ走行に特化したバイクで、フロントからリアまでカウルを装着し、高性能な電子制御やブレーキなど、レース車両がベースになっていることも多いです。
レーサーレプリカとの違い
SSと同じようなバイクのジャンルに「レーサーレプリカ」がありますが、レーサーレプリカは、バイクメーカーがレースで戦うためのバイク(ワークスマシン)をモデルにして、設計・市販されています。
対してSS(スーパースポーツ)は、ベースとなるワークスマシンがない、スポーツ走行に特化したバイクです。
もともとSSは600cc以上の排気量を持つ、高排気量で高性能なスポーツバイクを指していましたが、現在では中型免許で乗れる250cc~400ccクラスで、スポーツ走行に特化したフルカウルバイクもSSと呼ばれるようになっています。
SS(スーパースポーツ)バイクの特徴

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スポーツ走行に特化して設計されているSSの特徴には、以下のようなものがあります。
- 高性能エンジン
- 軽量で剛性の高い車体
- フルカウルによる空力特性
- 前傾姿勢のライディングポジション
特徴を順番に詳しく見ていきましょう。
特徴1.高性能エンジン
SSバイクはスポーツ性能を徹底的に追求したバイクのため、より速くスムーズに加速して走れるよう、加速や最高速度に優れた高性能なエンジンを登載しています。
ツアラーやネイキッドなど、街中やツーリングでの使い勝手のよさなど、利便性を排除してスポーツ性能に特化しており、走りをとことん追求した設計のバイクです。
また、高性能エンジンの性能を引き出しやすいよう、トラクションコントロールや走行シーンに合わせて走行モードが変更できるなど、同じく高性能な電子制御も搭載されています。
特徴2.軽量で剛性の高い車体
SSバイクは軽量で剛性の高い車体が特徴で、モデルによってはカーボンファイバーなど、レースでも使用される軽量な素材が使われています。
高速での走行が想定されているので、高速走行でも車体がブレないよう剛性も高められており、軽量で剛性の高さがSSバイクの特徴のひとつです。
軽量で高い剛性にするために、各部のパーツ素材にもこだわって設計されているため、その分価格が同じクラスのバイクよりも高くなっています。
特徴3.フルカウルによる空力特性
フロントからサイドやアンダー、リアに至るまでカウルで覆われており、走行時の風の抵抗が少なくなるよう、SSバイクは空力特性も追求されています。
空気の流れをコントロールし、リアのトラクションを高めるなど、レースの実戦で得た経験や技術が投入されているモデルも多いです。
また、フロントカウルにはウインドスクリーンも備わっており、風がライダーに当たりにくくなっているため、高速走行時の安定感も高められています。
特徴4.前傾姿勢のライディングポジション
SSバイクは、「ハの字」になったセパレートハンドル(左右別れているハンドル)が装着され、ライディングポジションが前傾姿勢になるのも特徴です。
前傾姿勢になることでライダーが風を受ける面積も減り、風による抵抗を減らしてよりスムーズな加速や、最高速が出せるようになります。
シートがやや前傾し、ステップがネイキッドなどよりも後ろ気味に装着されているため、身を屈めたようなライディングポジションです。
SS(スーパースポーツ)バイクのメリット・デメリット

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スポーツ走行に特化したSSバイクですが、メリットとデメリットがあります。
これからSSバイクに乗ろうと思っている方や興味がある方は、メリット・デメリットも参考にしてみてください。
SS(スーパースポーツ)バイクのメリット
SSバイクのメリットは、以下の点です。
- エンジン性能が高い
- バイクメーカーの最新技術が投入されている
- 空力性能に優れる
- 軽量な車体
SSバイクはエンジン性能が高く、加速や最高速などの走行性能に優れ、さらに最新の電子制御が備わっているので、アクセルを開けたら開けた分加速していくような走行が楽しめます。
より加速や最高速度が出せるよう、高速走行時に空気抵抗を減らす設計で、ライダーに当たる風も低減させてくれる空力性能の高さもメリットです。
また、極限まで軽量化を図った軽量で剛性の高い車体で、同じ排気量の別ジャンルのバイクに比べ、軽量になっています。
SS(スーパースポーツ)バイクのデメリット
SSバイクには、以下のようなデメリットもあります。
- ライディングポジションがキツイ
- ツーリングなど長距離走行に向かない
- 価格が高いモデルが多い
- 公道では性能を発揮できない
SSバイクは、低く下がったハンドルにバックステップ、やや前傾したシートになっているためライディングポジションがキツく、ツーリングなど長距離走行に向かないのがデメリットです。
徹底した軽量化による素材の厳選や、メーカー最新の電子制御や装備がなされているので、同じクラスの別ジャンルのバイクと比較すると、価格が高いモデルも多くなっています。
優れたエンジン性能や電子制御などにより、スポーツ走行が楽しめますが、公道ではその能力を引き出すことができず、能力を引き出すにはサーキットでの走行環境が求められる点もデメリットです。
SS(スーパースポーツ)バイクの代表的な車種

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SSバイクの代表的な車種を、国産・外国産からそれぞれ紹介していきます。
各バイクメーカーの技術の粋とも呼べるモデルも多いので、よりハイスペックなSSバイクを探している方は参考にしてみてください。
1.CBR1000RR-R FIREBLADE/SP ホンダ 999cc
「CBR1000RR-R FIREBLADE」は、2019年まで発売されたCBR1000RRの進化版で、2020年より発売されているホンダのフラッグシップモデルです。
「Bone to Race(レースのために生まれてきた)」のコピーが示すように、レースで最大限のパフォーマンスを発揮できるように設計され、チタンコンロッドや鍛造ピストンなど、レースでも使われる妥協のない素材が用いられています。
モデルはスタンダード仕様の「CBR1000RR-R FIREBLADE」のほか、オーリンズ製電子制御サスを登載した「CBR1000RR-R FIREBLADE SP」の2種類です。
- エンジン型式:水冷4スト直列4気筒
- 排気量:999cc
- 最高出力:218ps
- 最大トルク:113N・m
- 全長×全幅×全高(mm):2,100(SP:2,105)×740(SP:750)×1,140
- 車重:200kg:(SP)201kg
- 新車販売価格(税込):2,486,000円:(SP)2,849,000円
- 中古車相場:180万~270万円前後
2.YZF-R1 ヤマハ 997cc
エンジンの搭載位置やスイングアームの長さなど、それまでの市販バイクとは一線を画す、まるでレースマシンのようなスペックで1998年にデビューしたのが、ヤマハ「YZF-R1」です。
2009年のフルモデルチェンジにより、スムーズな加速感やリニアなトルク特性が特徴な「クロスプレーンシャフト」が採用され、滑らかで扱いやすいエンジン特性になっています。
2015年のフルモデルチェンジでは、ヘッドライトが見えないようなレースマシンさながらのデザインに変更され、さらに2019年にもフルモデルチェンジと、進化が続いているSSバイクです。
- エンジン型式:水冷4スト直列4気筒
- 排気量:997cc
- 最高出力:200ps
- 最大トルク:113N・m
- 全長×全幅×全高(mm):2,055×690×1,165
- 車重:203kg
- 新車販売価格(税込):2,530,000円
- 中古車相場:200万~250万円前後
3.GSX-R1000R スズキ 999cc
SSの高いスポーツ性能と、街乗りなどでの扱いやすさを両立させているのが、スズキ「GSX-R1000R」です。
エンジンはGSX-R750をベースに、ストローク量を増やしてスケールアップしているため、リッターバイクとは思えないような乗りやすさで、世界中で多くのファンを獲得しました。
2017年にフルモデルチェンジし7代目となり、6軸センサーによるトラクションコントロールの登載や、低回転域の扱いやすさもアップしていますが、2022年で生産が終了となり新車での入手ができなくなっています。
- エンジン型式:水冷4スト直列4気筒
- 排気量:999cc
- 最高出力:197ps
- 最大トルク:117N・m
- 全長×全幅×全高(mm):2,075×705×1,145
- 車重:203kg
- 新車販売価格(税込):2022年生産終了
- 中古車相場:70万~230万円前後
4.Ninja ZX-10R カワサキ 998cc
カワサキ「Ninja ZX-10R」は、WSB(スーパーバイク世界選手権)で培った技術や知恵が惜しみなく投入されているSSバイクです。
複数のライディングモードやブレンボ製の高性能ブレーキシステム、ショーワ製ハイグレードサスペンションなど、妥協ない装備も充実しています。
エレクトロニッククルーズコントロールや、スマートフォンが接続可能なTFTカラー液晶インストゥルメントが採用され、街乗りもしやすいリッタクラスのSSバイクです。
- エンジン型式:水冷4スト直列4気筒
- 排気量:998cc
- 最高出力:213ps
- 最大トルク:115N・m
- 全長×全幅×全高(mm):2,085×750×1,185
- 車重:207kg
- 新車販売価格(税込):2,409,000円~
- 中古車相場:70万~280万円前後
5.S1000RR BMW 999cc
日本製バイクがほぼ独占する形だったSSバイク市場に、2009年より入ってきたBMW「S1000RR」でしたが、あっという間に世界的な人気車種の座を獲得しました。
それまでSSの発売をしてこなかったBMWでしたが、他のSSバイクを徹底的に調査した上で設計を行うなど、後発ならではの利点を活かしたバイクになっています。
リッターSSバイクで最軽量クラスの車重に、最新の電子制御やグリプヒーターが備わっていますが、最新モデルでは大型のウイングレットも装備され、よりアグレッシブなデザインになりました。
- エンジン型式:油冷/水冷4スト直列4気筒
- 排気量:999cc
- 最高出力:210ps
- 最大トルク:113N・m
- 全長×全幅×全高(mm):2,075×740×1,205
- 車重:198kg
- 新車販売価格(税込):2,688,000円〜
- 中古車相場:130万~300万円前後
6.パニガーレV4 DUCATI 1,103cc
バイク界のフェラーリと形容されるイタリア・DUCATI(ドゥカティ)のSSバイクが、美しいデザインが特徴の「パニガーレV4」です。
216psの最高出力を発生する、1,103ccの水冷4ストV型4気筒エンジンを登載、欧州の環境規制「ユーロ5+(プラス)」に対応するべく、2025年にフルモデルチェンジしました。
両持ちスイングアームや新しいフェアリングなど、以前のモデルとは見た目も大きく変わっています。
- エンジン型式:水冷4ストV型4気筒
- 排気量:1,103cc
- 最高出力:216ps
- 最大トルク:120.9N・m
- 全長×全幅×全高(mm):表記なし
- 車重:187kg
- 新車販売価格(税込):3,239,000円
- 中古車相場:220万~265万円前後
7. RSV4 Factory 1100 Aprilia 1,077cc
「RSV4 Factory 1100」は、イタリアに拠点を持つAprilia(アプリリア)のSSバイクで、ユーロ5の規制をクリアしながらも、217psを発生する1,077ccの水冷4ストV型4気筒エンジンを搭載しています。
フロントまわりのデザインも印象的で、ヘッドライトはコーナリングライト機能も備えた、機能性の高いトリプルLEDです。
V型エンジンのバンク角を狭くし、車体の中心付近に重量物を集中させることにより、スイングアームを長く取ってスポーツ性能を高めています。
- エンジン型式:水冷4ストV型4気筒
- 排気量:1,077cc
- 最高出力:217ps
- 最大トルク:122N・m
- 全長×全幅×全高(mm):2,052×735×(全高表記なし)
- 車重:199kg
- 新車販売価格(税込):3,399,000円
- 中古車相場:200万~270万円前後
初心者向けのSS(スーパースポーツ)バイク

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高性能な運動性能が魅力のSSバイクに乗りたいバイク初心者に向け、選ぶ際の条件やおすすめの車種を紹介していきます。
初心者向けのSS(スーパースポーツ)バイクの条件
バイク初心者がSSバイクを選ぶ際の条件は、以下のようになっています。
- パワーが程よく扱いやすい
- 足つき性がよい
- 車体が軽く取り回しがしやすい
エンジンパワーがあるバイクは加速も鋭く、低速走行がしにくい傾向にあるため、バイク初心者がSSバイクを選ぶ際は、250cc~400ccの中型クラスのバイクを選ぶのがおすすめです。
足つき性が悪いと停車時に安定させるのが難しく、強い風が吹くと立ち転けの原因になるので、足つき性を確認するのも重要なポイントになります。
また、車体が軽いほうが取り回ししやすく、万が一転倒させてしまった場合でも起こしやすいので、車重が軽いバイクを選ぶと良いでしょう。
<h3>初心者におすすめのSS(スーパースポーツ)バイクの車種</h3>
エンジンパワーが程よく車体が軽量で、比較的足つき性のよい初心者におすすめのSSバイクは、以下のようになっています。
- CBR250RR ホンダ 249cc
- YZF-R3 ABS ヤマハ 320cc
- GSX250R スズキ 248cc
- Ninja ZX-4R SE カワサキ 399cc
どのバイクも中型クラスでエンジンパワーも程よいので、街乗りからスポーツ走行まで扱いやすく、足つき性もよいので安定した走行ができます。
よりパワフルなSSバイクが欲しい方は、400ccクラスのカワサキ「Ninja ZX-4R SE」がおすすめです。
250ccクラスは40ps前後のエンジン出力となっていますが、Ninja ZX-4R SEは77ps(ラムエア加圧時は80ps)と、400ccクラス以上のパワフルさが楽しめます。
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