バイクのミラーは片方だけで大丈夫?法律・車検・リスクの観点から解説

バイクのミラーは片方だけで大丈夫?法律・車検・リスクの観点から解説

バイクは片方のミラーだけの場合違反になるのか?(法律・車検)

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バイクのミラー(バックミラー)は排気量や製造年によって、片方だけでも問題ないバイクもあれば、片方だけの場合は交通違反になるバイクもあります。

バイクの排気量クラスによって、バックミラーの装着は以下のようになっています。

原付

排気量50ccまでの原付一種の場合、基本的には左右両方にバックラーが必要ですが、製造年によってはミラーが片方だけでも法律違反とならず、問題ありません。

原付バイクの製造が、2006年12月31日以前のモデルは右側1個だけでもOKで、2007年1月1日以降に製造された原付バイクは、左右それぞれにバックミラーが必要です。

もともと保安基準で「50km/hを超える二輪自動車は、左右両側にそれぞれ1個ずつ後写鏡(バックミラー)を備えなければならない」と定められており、法定速度が50km/hを超えない原付一種は該当しませんでした。

ところが2007年の保安基準改正により、2007年1月1日以降に生産されたバイクは全て左右にバックミラーを備えていないといけないとなり、原付一種であっても、2007年1月1日以降に製造されたモデルは左右にミラーが必須となりました。

自動車: 国土交通省 道路運送車両の保安基準

https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr7_000007.html

軽二輪

排気量が250ccまでの軽二輪も、製造年によっては片方だけでOKの場合があります。

バイクのミラーは保安基準で、50km/hを超える二輪自動車は、左右両側にバックミラーを備えなければならないと定められていますが、1992年以前は排気量による最高速度が現在とは異なっていました。

1992年以前は、50ccが最高速度30km/hまで、250cc以下は最高速度が50km/hとなっていたため、1992年よりも前に製造されている250ccクラスバイクは、ミラーが片方だけでも違反に問われません。

大型二輪

250ccを超えるバイクは最高速度が60km/hのため、製造年に関係なく左右に1つずつミラーを備えていないと法律違反(保安基準違反)です。

50km/hを超えるバイクは、左右両方にミラーを備えておかないといけないと定められており、250ccを超えるバイクの最高速度は60km/hのため、法律が適用されます。

1992年以前は250ccクラスのバイクの最高速度は50km/hでしたが、250ccを超えるバイクは60km/hが最高速度だったため、製造年による除外は適用されません。

大型二輪は、製造年に限らず左右に1つずつミラーが付いていないと、法律違反となります。

ミラーが1つしかない場合の罰則

ミラーが片方しか装着されておらず、警察官による取り締まりを受けた場合は、整備不良の罰則を受け、違反点数が1点加点されます。

反則金は、排気量が50cc以下の原付一種が5,000円で、50cc超は6,000円です。

1992年以前に製造された250ccや、2007年以前の50ccバイクは、ミラーが片方しか備わっていなくても整備不良に該当しません。

バイクのミラーの取り付け位置・ルール

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バイクのミラーは備わっていればいいという訳ではなく、定められた範囲内(取り付け位置やサイズ、形状)を守って装着する必要があります。

バイクのミラー取り付け位置や、ミラーの形状・サイズは以下のようになっていますので、カスタムミラーの装着を考えている場合は、違反とならないためにも把握した上でカスタムを行いましょう。

ミラーの取り付け位置

ミラーの取り付け位置は、以下のように定められています。

  • かじ取り装置(ハンドル)の中心から、280mm以上外側に取り付けてある
  • ハンドル中心からミラー鏡面の中心点が、280mm以上離れている
  • 左右両方にミラーが付いている

ハンドルの中心部から測定し、280mm以上外側(ハンドルから見てバーエンド側)に取り付けてある必要があります。

また、ハンドルの中心部からミラー鏡面の中心点が、280mm以上離れている必要があり、左右にそれぞれ1つずつミラーが必要です。

なお、バイクの製造年や排気量により、ミラーの装着は右側片方のみでOKの場合もあります。(2006年12月31日以前製造の原付一種、1992年より前に製造された250cc以下のバイク)

自動車: 国土交通省 道路運送車両の保安基準

https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/S146.pdf

ミラーのサイズと形状

ミラーのサイズも定められており、形状によってサイズが異なります。

  • ミラーの反射面の面積が、69㎠以上であること
  • 円形ミラーの場合は直径が94mm以上、150mm以下であること
  • 円形以外のミラーの場合は、直径78mmの円を内包でき、かつ縦120mm、横200mmの長方形に収まるサイズであること

ミラーの反射面(鏡面)の面積が69㎠以上と定められており、小さすぎるミラーは保安基準違反です。

また、ミラーの形状によって直径や縦・横のサイズも定められ、円形のミラーは直径94mm~150mm以下の範囲に収める必要があります。

円形ではない形状のミラーは、ミラー鏡面の中に直径78mmの円が入り、さらには縦:120mmで横:200mmの長方形に収まらないと保安基準違反です。

取り付け時の注意点

ミラーに角度の調整機能が備わっている必要があり、ライダーの方向に向けて簡単に角度の調整ができる構造で、振動などで簡単に角度が変わらないよう、保持できないといけません。

歩行者などに接触した場合に衝撃を緩衝でき、歩行者に損害を与える恐れがない構造である必要もあります。

鏡面にひび割れやひずみ、曇りなどがあって後方の確認がしづらい状態も禁止されているため、鏡面が割れたままミラーのミラーを装着していると、警察による取り締まりの対象です。

バイクのミラーが片方だけ壊れた・なくなった時の対処法

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ほとんどのバイクは「ミラーが片方しかついていない」、「両方ついていても割れている」と違法となりますが、もし片方が壊れてしまったり、無くしてしまったりした場合はどうなるのでしょうか。

ミラーが壊れたり無くなったりした場合の対応方法、そのまま走行するとどうなるのかについて、見ていきましょう。

壊れたミラーの応急処置方法

バイクのミラーは大きく分けて、ミラーと、ミラーを車体に固定するミラーステーに分かれます。

それぞれ対応方法がありますが、あくまでも応急処置なので、できるだけ早く純正ミラーや汎用品ミラーに交換しましょう。

ミラーが破損したまま走行すると法律違反となり、後方確認も難しくなるので、レッカーを呼びバイクショップなどへ運搬してもらう方法もあります。

ミラーのステーが折れた場合

ミラーをバイク車体に固定する「ミラーステー」が折れてしまった場合、ガムテープや造形補修材、瞬間接着剤などを使い、固定する方法があります。

ガムテープや瞬間接着剤はコンビニや100円ショップ、ホームセンターで入手でき、造形補修材はプラモデル取扱店で売られていることも多いです。

ミラーステーの根元から折れてしまった場合は、造形補修材や瞬間接着剤などで固定してもすぐに外れてしまうので、バイクパーツショップなどで新しいミラーに交換しましょう。

ミラーが割れた場合

  • ミラーの破片を取り除く
  • アクリルミラーを切り抜き装着する

転倒などでバイクのミラーが割れてしまった場合、ミラーの破片が飛散し二次災害を防ぐため、ミラーの破片を全て取り除き袋などに入れましょう。

破片を取り除く際は、軍手やバイクグローブを利用し、ミラーの破片で怪我をしないよう注意しながら取り除きます。

ミラーの破片を取り除いたら、ミラーの枠に合わせてアクリルミラーを切り抜き、リョウメンテープで貼り付けましょう。

アクリルミラーはホームセンターや100円ショップでも手に入り、ミラーの型に合わせるまえに型紙で型を取り、型紙の型に合わせてアクリルミラーを切り抜くと、合わせやすいです。

そのまま走ると道路交通法違反になる可能性がある

バイクのミラーは、鏡面(ミラー)にひび割れやひずみ、曇りなどがあるのは保安基準違反となるので、破損したまま走行すると、道路交通違反(保安基準違反)となる可能性があります。

警察の取り締まりを受け違反となった場合の罰則は、原付一種の反則金が5,000円で50cc超は6,000円、違反加点が1点です。

応急処置をして、バイクパーツショップなどで早めに新しいミラーに交換するか、ほかの移動手段がある場合は、ミラーを交換するまで乗るのを控えたほうがよいでしょう。

交換ミラーの選び方

バイクのミラーには純正品(バイクメーカーから販売されている標準品)と、社外品(バイクメーカー以外が販売している交換用ミラー)があり、車種に適合し保安基準に適合しているミラーを選ぶ必要があります。

メーカー純正品はどちらの条件をクリアしているので、車種用のミラーを選べば問題はありませんが、社外品は車種に適合し、保安基準に適合しているものを選びましょう。

なお、社外品に交換する場合は、ネジの向きに注意する必要があり、交換方法については次で紹介していきます。

バイクのミラー交換方法

バイクのミラー交換手順は以下の通りで、交換には14mm前後のスパナ(ナット回し用)が必要です。

  1. 根元にあるゴム製のカバーを上にずらす
  2. 根元にある上のロックナットを緩め、下のナットを回す
  3. ミラーを取り外し、逆の手順で新しいミラーを取り付ける
  4. ミラーの固定を確認、見えやすい位置に調整する

まずは破損したミラーを取り外すため、ミラーステーの根元(バイク車体との接合部分)にあるゴム製のカバーを上にずらし、中にあるナットを確認します。

ゴム製のカバーを上にずらしたら、上下にあるナット(14mmが多い)のうち、上(ミラー鏡面側)にあるナットを緩めたあと、下にあるナットを緩めてミラーを取り外しましょう。

ミラーはステーごとネジのように回せば、取り外しまたは固定できますが、回す方向はバイクメーカーによって異なるので注意が必要です。

バイクメーカー ネジが緩む方向
ホンダ 左回り(反時計回り)
ヤマハ、スズキ、カワサキ 右回り(時計回り)

バイクのミラーの交換費用

バイクミラーの交換費用は、自分で交換する場合はバイクミラー代金のみ必要となり、バイクショップなどで交換依頼をする場合は、ミラー代金のほかに交換工賃も必要です。

バイクミラーは純正品なら2,000円程度、社外品なら安いものだと1,500円程度からあり、自分で交換する場合はミラー代金だけで済みます。(交換用スパナは500円程度)

ミラー交換を依頼する場合、工賃が500円から1,000円程度必要となり、ミラー代金と合わせて2,500円~3,000円程度が交換費用です。

バイクミラーが片方だけの場合のリスク

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バイクのミラーが片方だけで走行する際は、警察の取り締まりに合うだけでなく、さまざまなリスクがあり、取り返しのつかない事態に発展する可能性も。

バイクのミラーが片方だけのリスクについて、見ていきましょう。

交差点での右左折時に自転車や歩行者を巻き込むリスク

バイクのミラーが破損などで片方しか使えない状態だと、交差点で事故に遭う可能性が高くなります。

右左折時に後方確認ができず、旋回中に自転車や歩行者を巻き込んだり、接触したりするリスクが高いです。

片側だけのミラーでも法律上問題がない場合(1992年以前の250ccクラスや、2006年12月31日までに製造された原付一種)も、必要以上に目視などで後方確認を意識したうえで、交差点を安全に通過しましょう。

後方から接近する車やバイクに気がつけず接触リスク

片方しかミラーがないと、後方から迫ってくる車やバイクの存在に気がつかず、接触するリスクが高くなります。

すり抜けをしてくるバイクや、車道を走行する自転車の確認ができず、最悪の場合接触事故につながってしまうことも。

より目視での後方確認が必要になりますが、ミラーがある場合に比べ目視の回数も増えるので、今度は前方への注意がおろそかになる可能性があります。

車線変更時に後方確認が難しくなり、危険

ミラーが片方しか装着されていないと後方の確認が難しくなるため、車線変更時にリスクが高くなります。

安全に走行するには、目視で後方確認を行う必要があり、交通の激しいところでは度々目視が必要となるため、前方への意識が散漫になることも。

片方しかミラーがないと後方確認がおろそかになり、目視の回数も増えることで、危険が増えます。

車検に通らなくなる

車検にはミラーのチェック項目があり、車検が必要なバイクの場合は、車検に通らなくなるリスクも。

車検は保安基準に適合していないと通してもらえず、車検時に左右両方にミラーが備わっていないと保安基準違反となり、再検査が必要となるため、再車検の手間も増えます。

車検に通らない状態で走行すると、保安基準違反よりも重い道路交通法違反となり、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金に処され、30日間の免許停止処分です。

 

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