原付バイクにスマホホルダーは違法?ナビ代わりでの取り扱いの注意事項も解説

原付バイクにスマホホルダーを取り付けるのは違法?

引用元:https://pixabay.com/ja/photos/A1-334802/
スマホを操作や注視しながら走行すると違法になりますが、では、走行中にいつでもスマホの画面が見られるようになる、スマホホルダーを原付バイクに取り付けると違法になるのでしょうか。
結論から述べると、原付バイクにスマホホルダーを取り付けただけでは違反になりませんが、違反で取り締まりを受けないための注意点があります。
スマホに注視したり触ったりしたら違反
スマホホルダーにスマホを装着した状態で走行しても違反になりませんが、スマホに注視していた場合やスマホを操作していた場合は違反となります。
信号待ちなど道路上で停車している場合でも、スマホの操作を行っていると取り締まりの対象となることがありますので、信号待ちなどの停車中も含め、走行中はスマホを操作しないようにしましょう。
注視とはどんな状態?
注視とは、じっと見つめている状態のことで、スマホの画面のみを見ている状態を指します。
取り締まりの警察官が自分を見た際、例えわずかな時間であっても、スマホの画面のみを見ている状態が確認されたら取り締まりの対象です。
時速と進む距離の関係
バイク走行中は常に移動をしているため、時速60Km/hで走行している場合は、1秒で約16.6mも進みます。
スマホを注視するのが例え1秒間だったとしても、バイクはその間に16.7m(60K/hの場合)も進んでいるので、もしその間に道路に人が飛び出してきたらと考えると、いかにスマホに気を取られるのが危険だということが分かるでしょう。
速度と進む距離の関係
時速 | 1秒間で進む距離 |
10Km/h | 2.7m |
30Km/h | 8.3m |
50Km/h | 13.8m |
60Km/h | 16.6m |
80Km/h | 22.2m |
100Km/h | 27.7m |
周りを危険にさらした場合は免停も
スマホの保持や使用しながらの走行で、周りの交通を危険にさらしたとみなされた場合、違反加点6点と即免停になります。
他の交通と接触する交通事故に至らなくても、周囲が急ブレーキで回避せざるを得ないなど、危険な運転とみなされるだけで違反取り締まりの対象です。
スマホに注視(集中)している場合は違反

引用元:https://pixabay.com/ja/photos/AB-393080/
スマホに注視(視点をスマホに集中)していると、例えスマホの操作をしていなくとも違反となる場合があります。
スマホに限らず、バイク用ナビを取り付けている場合も同様で、スマホやナビを注視していると、前方不注意の違反(安全運転義務違反)として取り締まりの対象です。
安全運転義務とは
安全運転義務とは、道路交通法第70条に定められている運転時の義務のことで、運転中に操作を誤ったり、注意すべき安全確認を怠ったりした場合に課される違反です。
道路交通法第70条では以下のように定められています。
「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。」
引用元:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335AC0000000105
(e-gov 道路交通法第70条)
運転に関係ないものに目を奪われたり、ものを探すなど脇見をしたりしている間に重大な事故につながるケースも多く、前方不注意は他人に危害が及ぶ危険性があることから、安全運転義務の違反となります。
スマホ注視しながらの運転は脇見運転に該当
安全運転義務違反に当たる前方不注意は、「漫然運転」と「脇見運転」に区分され、スマホを注視した運転は脇見運転です。
脇見運転とは走行中に前方を見ていない運転のことで、スマホ注視のほかに、タンクバックの中から探しものをしながらの運転など、「ながら運転」も脇見運転に該当します。
「ながら運転」は罰則強化

引用元:https://www.pakutaso.com/20211005279post-37086.html
2019年9月より、スマホのながら運転の罰則がより厳しいものとなり、以前よりも違反加点や反則金が3倍となりました。
さらに、スマホのながら運転により重大な事故を引き起こした場合には、より重い処分を課されることになります。
違反加点や反則金が大幅に強化
スマホを操作しながら、通話しながらのながら運転による事故が急増したことを背景に、道路交通法が改正され、2019年12月1日より違反加点が3倍に強化されました。
スマホなど携帯を保持しながらの運転での違反加点が1点から3点に、反則金が原付:5,000円から12,000円、自動二輪が6,000円から15,000円へと大幅に上がっています。
周りの交通を危険にさらした場合は重い刑事罰も
スマホを保持・使用しながら事故を起こしたり、周りの交通を危険にさらしたとみなされたりした場合はより罰則が重く、違反加点は6点となるため、それまで1回も交通違反や事故がなかったとしても即免停です。
即免停に加え、交通反則通告制度ではなく刑事事件として処理されるため、より重い罰を受けます。
改正までは、違反加点と反則金を納めれば刑事事件として問われませんでしたが、改正後は刑事事件として罰が科されることになり、反則金を収めてお終いとはならない点に注意が必要です。
刑事罰として問われたらどうなる?
ながら運転により事故を起こしたり、他の交通に危険を生じさせたりした場合、刑事罰として「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」が課されます。
後日裁判所への出頭命令が届き、裁判所で過去の交通違反の履歴などからどの程度の罰が妥当か検討され言い渡されますので、実際に罰が確定するのは裁判所です。
一時停止違反や通行区分違反など、比較的軽微な違反には交通反則通告制度が適用され、反則金を納付すれば刑事事件とはされませんが、ながら運転の重大な違反は交通反則通告制度が適用されず刑事事件として罪が問われます。
「ながら運転」の罰則になる判断基準は?

引用元:https://www.pakutaso.com/20200349079post-25211.html
走行中にスマホ(ナビも含む)の画面を注視したり、操作をしたりすると違反の取り締まり対象となりますが、スマホナビやナビで目的地まで案内してもらう場合、画面を見ないと目的地にたどり付けないこともあります。
それではナビの意味がないと思う方もいらっしゃるかと思いますが、ではどの程度からながら運転となるのかを解説していきますので、参考にしてみてください。
ながら運転で取り締まりとなる判断基準
ながら運転の判断基準は、根拠となるのが道路交通法第71条第5号の5で、以下のように定められています。
「自動車又は原動機付自転車を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。)自動車電話用装置その他の無線通話装置を通話のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示装置に表示された画像を注視しないこと。」
分かりやすくまとめると、バイクで停車している時を除き走行中にスマホを手にもって通話したり、スマホやナビの画面を注視したりしないこと、と定められています。
停車中であれば通話も画面を注視していても問題はありませんが、走行中は手に持っての通話や画面の注視は禁止です。
注視に関しては、具体的に何秒以上画面を見ていたら注視となるかの規定はなく、現場の警察官によって判断されますので、1秒ほどしか画面を見ていなかった場合でも、注視と判断されることがあります。
通話もハンズフリーなら違反にならない
道路交通法第71条第5号の5では、「スマホを手に持って(保持して)通話をしながら走行してはいけない」と定められていますが、スマホホルダーなどを使い、ハンズフリー状態での通話は違反になりません。
スマホホルダーをバイクに装着し、ハンズフリー状態で通話できる環境をつくれば、走行中の通話もできます。
次の項では、原付バイクにスマホホルダーの取り付け方も解説していますので、走行中に通話したい方やナビアプリを活用したい方は、そちらも参考にしてみてください。
ナビ代わりにつけたい!原付バイクへのスマホホルダー取り付け方法

引用元:https://www.pakutaso.com/20190816226post-22668.html
こちらの項では、原付バイクへのスマホホルダー取り付け方法について、一般的なクランプバーを固定するタイプを例に解説しています。
スマホホルダーの装着を検討している方や、スマホホルダーを取り付けるとどうなるのか気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。
クランプバータイプのスマホホルダー取り付け方法
クランプバータイプのスマホホルダーは、バックミラーの取り付け部にクランプバーを挟み込む形で固定します。
ますはバックミラーを取り外しますが、取り外し工具にスパナかモンキーレンチが2つ必要で、ナットのサイズは車種によって異なりますので、バイクに合わせた工具を揃えましょう。(スパナ2本でもスパナとモンキー1本ずつでもOK)
バックミラーの固定には2つのナットが使われ、それぞれ正ネジ(順ネジ)と逆ネジになっているので、緩める際に逆方向に回さないよう注意が必要です。
ホルダーの取り付け
バックミラーにクランプバーを取り付けたら、クランプバーにガタツキがないか確認し、もしガタツキがあるようなら、ビニールテープなどを巻いて調整します。
クランプバーとスマホホルダーを装着し、実際にスマホを取り付けてみて、スマホがしっかり固定されているか確認の上、様子を見ながらテスト走行をしてみましょう。
原付バイクに取り付けられるおすすめスマホホルダー6選

引用元:https://www.pakutaso.com/20170601177post-12218.html
原付バイクに取り付け可能なおすすめスマホホルダーを、6モデルご紹介します。
これからスマホホルダーの取り付けを考えている方や、すでに使用しているけれど別のスマホホルダーに付け替えようと思っている方は、参考にしてみてください。
1.DAYTONA スマートフォンホルダーWIDE IH-250D クイック

引用元:https://bikeman.jp/products/d-92602
DAYTONA「スマートフォンホルダーWIDE IH-250D クイック」は、しっかりスマホを固定してくれるスマホホルダーを探している方におすすめ。
上下左右に動くスマホ固定アームの他に、付属の滑り止め防止のシリコンバンドを追加して固定できるので、スマホをしっかり固定できます。
クランプ部の留め具を固定するだけで簡単に脱着が行えるクイックタイプを採用、ホルダーの付け替えも簡単です。
- 取付け可能サイズ(mm):全長110~147、 全幅55~85、厚み6~18
- 販売価格(税込):4,400円
2.joyroom バイク スマホホルダー JOYROOM

joyroom「バイク スマホホルダー JOYROOM」は、安価なスマホホルダーを探している方におすすめ。
スマホの固定にはワンタッチ式を採用、ホルダーにスマホを収め、軽く中央にあるボタンを押すと四隅が自然とロックされ、左右のレバーをつまむことで1秒もかからず簡単に取り外しが可能です。
ホルダー背面には、ワンタッチでより強固にロックされるスイッチも搭載、路面の凸凹の多い悪路や高速道路での使用に重宝します。
- 取付け可能サイズ:4.7~7インチ
- 販売価格(税込):2,499円
3.DAYTONA バイク用スマートフォンホルダー クイックタイプ IH-100D

引用元:https://bikeman.jp/products/d-79351
DAYTONA「バイク用スマートフォンホルダー クイックタイプ IH-100D」は、工具なしで簡単にクランプの脱着が行える、クイックタイプのスマホホルダーです。
左右の首振りのほか、ホルダーが18度の間隔で回転するため、自分の身長や見やすい位置に調節できます。
脱落防止のシリコンバンドをよりしっかりと固定させるため溝が切られており、さらにはストラップ用装着穴も付いているため、カラビナなどを用いることでさらにスマホの脱落を防いでくれる設計です。
- 取付け可能サイズ(mm):幅58~68、厚み9~15(一部対応しない機種もあり)
- 販売価格(税込):3,215円
4.Kaedear バイク スマホホルダー

Kaedear「バイク スマホホルダー」は、スマホの装着や取り外しが簡単に行えるスマホホルダーを探している方におすすめ。
ホルダーにスマホを置くだけで簡単にロックされ、取り外しも左右のリリースレバーを握るだけの簡単操作で、スマホの装着・取り外しが可能です。
見た目も個性的で美しいデザインで、カメラの出っ張ったスマホや縦長スマホなど、様々なタイプのスマホに対応しています。
- 取付け可能サイズ(mm):縦/132~170、横/60~80、厚さ15
- 販売価格(税込):5,489円
5.DAYTONA バイク用スマートフォンホルダー リジットタイプ IH-400D

引用元:https://bikeman.jp/products/d-79350
DAYTONA「バイク用スマートフォンホルダー リジットタイプ IH-400D」は、クランプ部をしっかりボルトで固定する、リジットタイプのスマホホルダーを探している方におすすめ。
ホルダーを簡単に取りはずし可能なクイックタイプに比べ、ホルダーをしっかり固定するので、防犯性を高めたい方にもおすすめです。
DAYTONAのオプションとして、ワイヤレス充電器(品番:16079)やUSB電源(品番:99502/99503)もあり、より便利にホルダーが使えます。
- 取付け可能サイズ(mm):幅58~68、厚み9~15(一部対応しない機種もあり)
- 販売価格(税込):3,215円
6. Tiakia バイク スマホ ホルダー 原付

Tiakia「バイク スマホ ホルダー 原付」は、3.5~6.4インチまで、厚さ12mmまでの幅広いスマホに対応したスマホホルダーです。
柔軟に駆動するジンバルボールの採用により、ホルダーを自由に360度回転させることもできますので、より見やすい位置に調整したり、日差しを受けて画面が見にくかったりする際の角度調整に使えます。
固定は一方向に締まっていくチェット式を採用、スポンジパッドと四隅をしっかりホールドする爪により、スマホの脱落の心配がないホルダーです。
- 取付け可能サイズ(mm):長さ/115~175、幅/58~88、厚さ/<12
- 販売価格(税込):2,198円
まとめ

引用元:https://www.pakutaso.com/20190356067post-19842.html
バイクにスマホホルダーを装着しても違反となるのかどうか、という基本的な知識から、走行中に違反の取り締まり対象となる行動について解説してきました。
スマホのナビアプリを使ったり、スマホの置き場所を確保したりする手段としてスマホホルダーを上手く活用することで、バイク走行がより便利になります。
しかしスマホを走行中に注視しながら走る「ながら運転」は前方不注意となり、安全運転義務違反として取り締まりの対象となるだけでなく、重大事故につながる恐れもあり、注意が必要です。
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