【完全解説】バイクチェーンの清掃手順・オイルの塗り方から頻度、おすすめまで

バイクのチェーンオイル塗布に必要なアイテム

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バイクチェーンは、常に外にむき出しの状態になっているため汚れが付着しやすく、定期的に清掃や注油などメンテナンスが必要です。
走行時は金属同士が高速で摩擦しているため、潤滑を良くするための注油が必須ですが、ただ注油すれば良いというわけではありません。注油の前に古い油脂や汚れを落とす洗浄が必要となりますが、チェーンは油や汚れにまみれているため、ただ水をかけただけでは油脂や汚れは落ちてくれません。
そこで、最初にチェーンクリーナを使うことでチェーンに付着した油脂や汚れを落とすことができます。
チェーンクリーナ
チェーンクリーナはチェーンの油を溶かし、汚れも一緒に浮かせてくれる液体の洗浄剤です。バイクチェーンはシール式になっているため、シールに配慮した洗浄剤が必要となります。
おすすめのチェーンクリーナは、LAVEN(ラヴェン)のチェーンクリーナ 420mlです。

商品URL:https://bikeman.jp/products/lav-97837-53101
チェーン専用のクリーナーなので、シールへの配慮はもちろんのこと、乾燥性も遅らせてありますので、しっかり古いオイルや汚れに浸透してくれます。
倒立バルブ搭載で缶を逆さまにしても噴射できるため、狭い場所での作業もしやすいなど使い勝手も良いです。
定期的にチェーンのメンテを行う方、クリーナーを思い切り使いたい方には、840mlもの大容量の「キングスター チェーンクリーナ」を使うと良いでしょう。

商品URL:https://bikeman.jp/products/lav-97837-53107
似たような洗浄剤にパーツクリーナーがありますが、使用するとチェーンのシールを傷める原因になることもあるため、おすすめできません。
チェーンルブ

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チェーンルブは、チェーンの潤滑と防錆剤の役割を果たしてくれるアイテムです。
チェーンクリーナを使ってチェーンを洗浄した後、チェーンルブをチェーン全体に行き渡るように塗布し、最後に余分なオイルをウエスで拭き取ります。
洗浄をせずにチェーンルブだけ使うと、ゴミが蓄積していき最悪の場合はチェーンが切れることもあるので、しっかりと洗浄を行った上で使用しましょう。
定番のチェーンルブにワコーズ チェーンルブや、KURE(呉工業)潤滑剤 スーパーチェーンルブなどがあります。
チェーンルブに関しまして、後の項目でもおすすめをご紹介していますので、そちらもご参考ください。
チェーンルブ使用に際しての注意点
バイクチェーンにはオイルが飛散しないよう工夫が施されているものも多いですが、それでもチェーンルブを吹き付けた後、すぐに走行するとチェーンルブが飛び散ってホイールやタイヤ、フレームなどを汚すことがあります。
そうならないために、チェーンルブを吹き付けた後は、気温の低い時期は1日、気温が高い夏場は半日程度時間を置き、チェーンに馴染ませましょう。
また、様々なチェーンが販売されており、ほとんどのチェーンに使用できるチェーンルブから、カラーチェーンに特化したものまで、チェーンルブにも様々な種類があります。
特にカラーチェーンを使っている方は、自分のチェーンに適したチェーンルブを選びましょう。
チェーンブラシ

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チェーンブラシは、チェーンクリーナを使った後、浮いてきた油脂や汚れを落とすのに使います。
バイクのチェーンブラシは、歯ブラシのように毛が一面だけに付いたものより、ニ面に付いたものの方が使いやすいです。
おすすめのチェーンブラシは「DRC ダートフリーク チェーンブラシ」で、様々な角度から使えるよう形状が工夫されているので、チェーン洗浄が楽に行なえます。
メンテナンススタンド(必要な場合)

メンテナンススタンドは、バイクの後輪を浮かしてくれるスタンドで、あるとチェーンのメンテナンスがしやすいです。
センタースタンドがあるバイクには必要ありませんが、サイドスタンドのみのバイクは1つあると便利でしょう。
スタンドには車輪があるタイプとないタイプがあり、車輪があるタイプのスタンドは価格がやや高めになっています。
車輪が付いたタイプのスタンドでおすすめなのが、バイクレースにも参戦するモリワキのメンテナンススタンドです。
質実剛健な作りで長く使え、普段のメンテナンスからバイクレースにまで幅広く対応してくれます。
ウエス・紙ウエス

ウエス(布ウエス)や紙ウエスは、ブラッシングの後の油脂や汚れを拭き取りや、チェーンルブを吹き付けた後に余分なオイルを拭き取る際に使います。
布ウエスは厚みがあって複数回使い続けることができますが、汚れがひどくなったら捨てる方も多いため、最近では手軽に使い捨てできる紙ウエスの方が主流です。
紙ウエスタイプのキムタオルは、適当な厚みもありチェーンオイルの拭き取りから、バイクに付着した汚れの拭き取りまで使えるので、置いておくと何かと使えて便利です。
古着の布を適当な大きさに切り分け、ウエス代わりに使うという昔ながらの方法もあります。
ダンボール・新聞紙(オイルの飛び散り防止)
チェーンのメンテナンスに、ダンボールや新聞紙があると便利です。
地面やバイク車体に油脂や汚れが飛散しないよう、チェーンクリーナを使う前にダンボールや新聞紙を敷いておくとよいでしょう。
しっかりチェーンのメンテナンスをしていくことで、よりチェーンの寿命も長くなり、ランニングコストを抑えることにもつながります。
バイクのチェーンオイル塗り方

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チェーンのメンテナンスにあると便利なアイテムをご紹介したところで、今度はチェーンオイルの塗り方について解説していきます。
チェーンクリーナやブラシ、チェーンルブを揃えたら、早速メンテナンスに取り掛かりましょう。
チェーンを洗浄する・清掃手順
チェーンにオイルを注す前にまずはチェーンに付いた古い油脂や汚れを落としていきます。
チェーン洗浄の手順は
- 水でチェーン全体の金属片や砂などの汚れを落とす
- チェーンを回しながらオイル汚れを落とす
- チェーンクリーナを吹きかけチェーンブラシなどで磨く
となります。
順番に見ていきましょう。
1.水でチェーン全体の金属片や砂などの汚れを落とす
チェーンの洗浄はまずチェーン全体に水をかけ、チェーンに付着した砂や金属片などの汚れを落とせるだけ落とします。
この時にブラシなどでこすったりせずに、水で落ちる範囲の汚れだけ落ちればOKです。
チェーンはオイルにまみれているので、こすることでかえって汚れがチェーンに定着し、落ちにくくなります。
2.チェーンを回しながらオイル汚れを落とす
水でチェーンの汚れを落としたら、今度はチェーンを回しながら水の勢いを強めて汚れを落としていきます。
センタースタンドがあるバイクは後輪が浮かせますが、サイドスタンドしかないバイクの場合、メンテナンススタンドがあると作業が楽です。
3.チェーンクリーナを吹きかけチェーンブラシなどで磨く
水で大まかに汚れを落としたら、チェーンクリーナをチェーン全体にかけて、チェーンブラシで汚れを落としていきます。
もし汚れがきつく落ちにくい場合は、チェーンクリーナをかけて5分ほど時間をおいてみましょう。
薬剤が汚れの中まで浸透し、汚れやオイルが落ちやすくなります。
チェーンクリーナを使って汚れを落とした後は、再び水をかけて洗い流しましょう。
チェーン洗浄・清掃時の注意点
たまにスタンドでリアタイヤを浮かせ、ギアを1速に入れアイドル状態でチェーンの洗浄や注油をする方がいますが、手がチェーンやスプロケットに挟まれるなど大怪我につながる可能性があり大変危険です。
チェーンのメンテナンスは必ずエンジンを止めた状態で行うようにしましょう。
チェーンオイルを塗る
チェーンの汚れが落ちたら、チェーンルブなどでチェーンにオイルを塗っていきます。
チェーンオイルを塗る手順を順番に見ていきましょう。
1.チェーンの可動部分にオイルを吹き付ける
チェーンの洗浄が終わったら、ウエスを使うなどしてできるだけ水を切りましょう。
水分がだいたいなくなったら、バイク車体の下に新聞紙やダンボールを敷き、チェーンの可動部にチェーンルブなどでオイルを吹き付けていきます。
新聞紙やダンボールを敷くのは、オイルが下に垂れた時に地面が汚れないようにするためです。
2.オイルが行き渡ったらタイヤを回転させ馴染ませる
チェーン可動部にオイルが行き渡ったら、ゆっくりとタイヤを回してオイルをしっかりと馴染ませます。
基本的にバイクのチェーンは、オイルが飛散しないような工夫が施されていますが、
急いでタイヤを回すとオイルが飛び散り、バイク車体や周囲を汚しますので、10秒ほどでタイヤを1回転させるくらいのゆっくりした速度で回すようにしましょう。
3.ウエスを使いタイヤを回転させ余分なオイルを拭き取る
チェーンオイルをチェーン全体に馴染ませたら、余分なオイルをウエスなどで拭き取ります。
オイルを馴染ませた時のようにタイヤを回転させながら、軽くチェーンを叩くようにして、オイルを拭き取っていきましょう。
余分なオイルを拭き取ったら、オイルがチェーンの奥まで浸透するまで、しばらくバイクを動かさずに置いておくのが理想です。
バイクチェーンを清掃する頻度は?

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バイクチェーンを清掃する頻度は、走行毎に行うのが理想です。
しかし、毎回走り終えた後にチェーン清掃まで手が回らないということもあるので、走行距離を目安にしたり、週末の休みの日にしたりと、清掃のルールを決めると良いでしょう。
清掃は基本的に毎回走行を終えてからが理想ですので、あまり清掃のサイクルが開いてしまわないよう管理が大切です。
バイクチェーンにオイルを塗る頻度は?

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清掃でチェーンのオイルも落ちているので、オイルを塗るのは清掃を終えた後毎回必要です。清掃とオイルを塗るのがセットとなるので、清掃を終えたら注油を忘れずに行いましょう。
ただし、メッキ加工された高級チェーンは汚れや錆に強いので、頻繁に注油をする必要がありません。
雨天走行の後は、雨と共にチェーン表面に付着した汚れを水で洗い流すと長持ちします。
バイクチェーンがオイル切れになるとどんな症状になる?

バイクチェーンのオイルが切れると、摩擦によってチェーンが切れやすくなったり、プレートが錆びやすくなったりします。
切れないにしても、錆の発生したチェーンは見た目にもよくありません。
オイルを注油しなくても錆が発生しない、メッキ加工されたチェーンもあります。
バイクチェーンのメンテナンスって本当に必要?

バイクのチェーンは外にむき出しになっている上、オイルが表面を覆っているので、砂や埃などが付着して溜まりやすいです。汚れが積もると、チェーンの可動部がうまく動かなくなるトラブルが起きやすく、最悪の場合チェーンが切れてしまうこともあります。
チェーンによっては、ノーメンテでも錆が発生しないメッキ加工のものなどがありますが、基本はメンテをしたほうがチェーンの寿命も延びるでしょう。
バイクチェーンオイル・チェーンルブおすすめ5選>
バイクチェーンオイルのおすすめを5つご紹介します。
チェーンオイルには大きく分けて、シールチェーン対応とのシールチェーン非対応のものがありますが、バイク用はシールチェーン対応のものです。
今回紹介するのもどれもバイク用のシールチェーン対応のものですので、安心して選べます。
1.KURE(呉工業)スーパーチェーンルブ

引用元:https://bikeman.jp/products/kre-4972444010685
ケミカルの老舗メーカー「KURE(呉工業)」のスーパーチェーンルブは、走行中でもオイルが飛び散りにくい密着性の強いチェーンルブです。
長時間効果が維持されるよう高純度有機モリブデンにフッ素樹脂を配合し、潤滑性や耐摩耗性、耐水性が高くなっています。
2.ワコーズ CHLチェーンルブ A310 180ml

バイクやクルマ用ケミカルを販売する「ワコーズ」の「CHLチェーンルブ A310 180ml」は、シールチェーン、ノンシールチェーンの両方に対応したチェーンルブです。
飛び散りにくい高粘着性ポリマーで、吹き付けた後に飛散しにくく、長期の潤滑性や耐水性、耐摩耗性を持続してくれます。
3.D.I.D バイク用 チェーンルーブ

バイクチェーンメーカーである「D.I.D(大同工業)」の、耐摩耗性や防錆、耐久性に優れたバイク用 チェーンルーブです。
シールに配慮した高度精製油を原料に、ノンフロン、ノンエタンと環境にも配慮されています。
4.MOTUL C2 CHAIN LUBE ROAD

MOTUL(モチュール)のC2 CHAIN LUBE ROADは、オンロード・オフロード問わず、日常からレース走行まで幅広いバイクの使用環境をカバーするチェーンルブです。
粘着性が強く、高速・高回転時でもオイルの飛散を防止してくれるほか、潤滑性や防水性に優れています。
5.ヤマハ ヤマルーブ スーパーチェーンオイル

バイクメーカーのヤマハ純正のチェーンルブ「ヤマルーブ」は、高めの粘度で低速から高速まで、しっかり油膜を維持してくれます。
ウェットムースタイプで、広い面に吹き付ける際に便利な拡散ノズルと、限られた場所のみ吹き付けるのに便利なスポットノズルの2WAY仕様となっているので、使い勝手の良さもポイントです。
まとめ

バイクチェーンによっては、注油をしなくても錆びにくいものもありますが、基本的には走行毎に清掃をしたほうが寿命は延びます。
今回は、バイクチェーンの清掃の仕方から清掃頻度、注油の方法までを紹介してきました。
注油の際に使いやすいチェーンルブのおすすめも紹介していますので、メンテナンスの手順と合わせて、ぜひ参考にしてみてください。
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