バイクのヘッドライトはいつから常時点灯しないと違反になったの?疑問や法的背景
【法的背景】バイクのヘッドライトはいつから常時点灯しないといけなくなったのか
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2024年現在、バイクのヘッドライトは常時点灯が義務化されていますが、ヘッドライト常時点灯化の始まりは、1998年(平成10年)4月1日に施行された「道路運送車両法」の改正からです。 道路運送車両法の改正以降に生産されるバイクは、ヘッドライトは常時点灯していなければならず、ヘッドライトのON/OFF切り替えスイッチも無くなっています。
なぜヘッドライト点灯が義務化されたのか
バイクのヘッドライトの常時点灯が義務化された背景は、バイクの事故が多かったからで、特にバイクと自動車の事故発生を少しでも抑止しようとする動きからです。 バイクは自動車に比べ姿が小さいため、バイクまでの距離や速度を見誤りやすく、ヘッドライトを常時点灯し、バイクの存在をアピールする意味合いがあります。 バイクの事故を減らすため、「改正道路運送車両法」の施行以降に生産・販売されるバイクは、全てヘッドライトの常時点灯が必要です。バイクのヘッドライトは常時点灯しないと違反?
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1998年(平成10年)4月1日施行の「改正道路運送車両法」以降に生産されたバイクは、排気量を問わずヘッドライトを常時点灯していないと違反で、警察による交通取り締まりの対象です。 1998年式のバイクで、4月2日生産分より法の適用がなされますが、ヘッドライトの常時点灯が免れるバイクもあります。
法改正前の旧車なら違反にならない
1998年(平成10年)4月1日以前に生産されたバイクは、ヘッドライトを常時点灯していなくても、違反となりません。 法律には不遡及の原則(ふそきゅうのげんそく)があり、施行(改正)される前まで遡って(さかのぼって)罰されることがない、という原則です。 そのため、改正道路運送車両法が適用されていなかった時代のバイクは、ヘッドライトの常時点灯義務から免れ、昼間にヘッドライトを消灯していても違反にはなりません。法改正後にON/OFFスイッチをつけたものは違反
改正道路運送車両法(1998年4月1日)が施行された日の翌日以降に生産された・生産されるバイクは、メーカーがヘッドライトのON/OFFスイッチを取り付けていませんが、自分で改造してスイッチを取り付けると違反となります。 ヘッドライトの切り替えスイッチを取り付けると保安基準違反の尾灯等の整備不良となり、原付5,000円、自動二輪6,000円の反則金、違反加点は1点です。 車検にも通らなくなる上に不正改造車とみなされた場合は、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金に処されることがあり、処された場合は裁判所での刑罰確定となるため、前科がつくこととなります。安全面と交通ルールの面から常時点灯のままがおすすめ
バイクのヘッドライト常時点灯は、周囲の交通にバイクの存在をアピールするためのもので、安全面に配慮されたルールになっています。 スイッチを取り付けると、警察の取り締まりの対象になったり、車検に通らなかったりと不便な面も強いため、周囲へのアピールとなる面からも常時点灯でバイクに乗る方が安全です。ライトが常時点灯することでバッテリーの消耗は大丈夫なの?
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昼間もヘッドライトをONのままバイクを走らせていると、バッテリーに負担が大きいのでは?と思う方も多いのではないでしょうか。 バイクのヘッドライトを常時点灯していると、「バッテリーへの負担はどうなのか」について解説していきます。
基本問題ないように設計されている
1998年の改正道路交通法が施行されてからは、バイクのヘッドライトの常時点灯が義務となっているため、バイクメーカーはヘッドライトが常時点灯していても問題のないような設計を行っています。 ヘッドライトやウインカー、テールランプなど通常の走行で使用する灯火類を使用しても、滅多にバッテリーが上がることはありませんが、電熱グッズやナビなど追加している場合は注意が必要です。 気温の低い日に体を温めてくれるグリップヒーターや電熱ウェアの電力を、バイクのバッテリーから引いている場合は、定期的にバッテリーの点検をしましょう。短時間の走行を繰り返す場合は注意が必要
バイクは走行中に発電した電気をバッテリーに貯めていきますが、5分~10分程度(10Km未満)の短時間走行を頻繁に繰り返す場合は、充電が間に合わないこともあります。 バッテリーへの充電不足が続くとバッテリーの消耗も早くなり、バッテリーの寿命を縮める結果になりやすいです。 普段短時間しかバイクに乗っていない場合は、週に1回程度少し長距離を走行するようにして、バッテリーにしっかりと充電を行うようにしましょう。バッテリー状態を定期的に確認するのがおすすめ
基本的に通常の走行であればバッテリー上がりを起こしにくいですが、ヘッドライトの常時点灯でバッテリーが心配な方は、定期的にバッテリーの点検をするのがおすすめです。 テスターがあれば、バッテリーの電圧状況からバッテリーの状態も分かるので、バッテリーの状態を把握しておきたい方は、テスターを備えておくとよいでしょう。 バッテリー端子を直接測定した場合、バッテリーが正常ならば電圧は13Vから14V前後となり、12Vを下回っている場合は充電不足か、バッテリーが寿命の可能性があります。ヘッドライトを点灯しなくていい車種もある
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改正道路交通法が施行された、1998年4月1日よりあとに生産されたバイクは、昼間でもヘッドライトの常時点灯が義務化されていますが、ごく一部にヘッドライトの常時点灯を免れる車種もあります。 常時ヘッドライト点灯を免れるバイクとは「どんな条件を満たすバイクなのか」解説と、具体的な車種名と車種概要を紹介していきます。
ヘッドライトを常時点灯しなくてもよいバイクとは
2020年9月より、昼間走行灯(DRL:デイタイムランニングライト)を装備したバイクは、ヘッドライトを常時点灯しなくても良い、という法律が制定されました。 DRLはデイライトとも呼ばれる、昼間の視認性を上げるためのライトで、デイライトとヘッドライトを同時に点灯するのは逆に違反です。 もともと欧州でDRLは一般的でしたが、日本では法律で認可されておらず、乗用車は2016年に、バイクも乗用車に遅れて2020年にDRLの装着が認められました。DRL装着車はオートライトも必須
DRL(デイタイムランニングライト)を装着したバイクはヘッドライトの常時点灯をしなくてもよいですが、ほかにもオートライトが備わっている必要があります。 オートライトは、周囲が暗くなったら自動でヘッドライトが点灯する機能で、デイライトの最大光度が700cd以下の場合は手動での切り替えでもOKです。 DRLとオートライトの要件さえ満たせば、それらが標準装備されていない車種であっても、後付けで装備をすれば、ヘッドライトの常時点灯が免れます。ヘッドライト常時点灯しなくてもよいバイク2モデル
DRLとオートライトが標準装備された、ヘッドライト常時点灯をしなくてもよいモデルには、HONDA「CRF1100Lアフリカツイン(2021年型より)」やHONDA「X-ADV(2021年型より)」があります。 CRF1100Lアフリカツインは、オフロードをベースにしたアドベンチャーモデルで、パニアやトップなど収納ケースも多く装着でき、ツーリングなど長距離巡航に適したモデルです。 X-ADVはスクータータイプのアドベンチャーモデルで、スポークホイールに倒立フロントフォークが装備され、オンロード・オフロード問わず楽しめます。 ■HONDA CRF1100Lアフリカツイン スペック • エンジン型式:水冷4スト直列2気筒 • 排気量:1,082cc • 全長×全幅×全高(mm):2,330×960×1,485 • 車重:231kg • 最高出力:102ps • 最大トルク:112N・m • 新車販売価格(税込):1,639,000円 • 中古車相場:135万円~185万円前後 ■HONDA X-ADV スペック • エンジン型式:水冷4スト直列2気筒 • 排気量:745cc • 全長×全幅×全高(mm):2,200×940×1,340 • 車重:236kg • 最高出力:58ps • 最大トルク:69N・m • 新車販売価格(税込):1,320,000円 • 中古車相場:85万円~135万円前後今後対応車種も増える
欧州車を中心にDRLを装備したバイクが増えていますが、国産バイクは一部の大型モデルが中心で、まだまだ採用されているモデルが少ないのが現状です。 DRLはヘッドライトに比べ光量が少ないことから、バッテリーへの負担も少なくなり、近年叫ばれる環境問題への対策として認知されつつあります。 今後常時ヘッドライト点灯を免れる車種も増えていく予定ですが、自分の愛車にもDRLがほしいという方は、ヘッドライトのオートライトが備わっていれば装着可能です。ライトの常時点灯で夜間に他の車両に影響はない?
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たまにヘッドライトが眩しい対向車(乗用車に多い)がいますが、常時点灯が義務付けられているバイクのヘッドライトは、対向車から見て眩しくないのでしょうか。 ヘッドライトが眩しいと思われる理由には、以下の要素があります。
ヘッドライトの向き
ヘッドライトの向きが規定の向きになっていないと、対向車を必要以上に照らし、眩しく感じさせます。 ヘッドライトの向きは光軸調整で変えられ、車検でも光軸が検査されますが、車検の必要がないバイクは光軸調整をする機会も少なく、ヘッドライトの向きがズレたままのことも。 対向車の顔がやたらと見える場合や、ヘッドライトの照射範囲が左側より右側の方がより遠くまで照らす場合は、光軸がズレている可能性がありますので、バイクショップで調整を行ってもらいましょう。ヘッドライトの光量
ヘッドライトがハイビーム状態になっていると、対向車や歩行者は眩しく、視界を遮ることになります。 常時ヘッドライトの点灯でハイビームになっていることに気が付かないこともあり、昼間でも眩しく感じるくらいの光量です。 ハイビームは「走行用前照灯」、ロービームは「すれ違い前照灯」が正式名称で、夜間はハイビームで走行するのが基本ですが、対向車や歩行者がいる場合はロービームにして、ハイビームと使い分けをしましょう。ヘッドライトの常時点灯によるメリット・デメリット
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ヘッドライトの常時点灯は、メリットとデメリットがそれぞれあります。 デメリットへの対策も解説していきますので、合わせて参考にしてみてください。
ヘッドライトの常時点灯によるメリット
ヘッドライトの常時点灯によるメリットは、以下のようなことが挙げられます。 • 対向車などほかの交通に存在を知らせられる • ヘッドライトのつけ忘れがない • 見通しの悪い通路で接近を知らせられる • 悪天候でも存在を知らせられる 一番のメリットは、車や歩行者などにバイクの存在をアピールし、いち早く気づいてもらえる点で、交通事故の抑止効果があります。 見通しのききにくい道路で、交差する交通に接近を知らせることができ、歩行者にもバイクの存在に気づいてもらいやすいです。 また、周囲が暗くなってきたときにヘッドライトのつけ忘れがなく、無灯火での走行がなくなり、警察の取締を受けなくて済む点も、メリットとして挙げられます。ヘッドライトの常時点灯によるデメリット
ヘッドライト常時点灯によるデメリットは、以下の点です。 • バッテリーへの負担が増える • ヘッドライトの寿命が短くなる • 燃費が悪化する • ヘッドライトの消し忘れと思われることがある バイクメーカーもヘッドライトの常時点灯を前提にバイクを設計しているので、通常の使用でバッテリーが上がることはありませんが、常時点灯しない場合に比べるとバッテリーに負担があり、バッテリーの寿命が短くなります。 夜間だけ点灯させる場合と比べ、ヘッドライトの寿命も短くなりますが、近年増えているLEDのヘッドライトは高寿命なので、あまり問題はありません。 また、クランクシャフトに連動するジェネレーターによって電力が生み出されるため、発電量が増えることでエンジンへの負担も増え、多少燃費も悪化します。デメリットへの対応策
ヘッドライトの常時点灯によるバッテリーへの負担は、「短時間走行を連続して行わない」「アイドリング状態を長く続けない」「定期的に電圧を測定して状態を把握しておく」で減らすことが可能です。 バイクのバッテリーは発電された電力を貯蔵しておくパーツですが、短い時間の走行を繰り返すと、必要な量の電力がバッテリーに貯まらず、バッテリー上がりを起こすことがあります。 長くバッテリーを使うにはたまにバッテリーを点検し、電圧が13V~14V程度あるかどうかの確認が大切ですが、短時間走行が多い場合は定期的に10Km以上の長距離を走行し、バッテリーに十分電力が貯めるようにしましょう。まとめ
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バイクのヘッドライトが常時点灯になった背景や、違反したらどうなるのかについて解説してきました。 まだまだ数は少ないですが、近年では大型バイクを中心に、ヘッドライトの常時点灯を免れる車種も販売されており、今後も対応車種が増えていく予定です。 ヘッドライトが常時点灯のバイクでも、条件を満たせば常時点灯しなくてもよくなり、その方法についても解説していますので、気になった方はチェックしてみてください。
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