バイクタイヤの適正空気圧とは?目安やチェック方法、入れ方などメンテナンス方法も解説

バイクタイヤの適正空気圧とは?目安やチェック方法、入れ方などメンテナンス方法も解説

バイクのタイヤ、空気圧の適正値とは?

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バイクのタイヤには空気が注入されていますが、空気が入ってさえいれば良いという訳ではありません。
空気圧が正しく保たれていないと、場合によってバースト(破裂)や、タイヤの性能が発揮できないことにつながることがあります。
タイヤの性能をしっかり発揮させ、安全に走行が続けられるためにも、正しい数値の空気圧となっていることが重要ですが、空気圧はどのように調べれば良いのでしょうか。
また、密閉されているように思えるタイヤですが、自然と空気が抜け空気圧の低下になることもあります。
ずさんな管理だと、時に思わぬ事故につながるバイクタイヤの空気圧について、正しく管理し安全に走行できるよう解説していきます。

タイヤの指定空気圧を調べる方法

タイヤの空気圧を調べるには、空気圧チェッカー(エアーゲージ)を用いて計測する必要があります。
規模の大きいガソリンスタンドでは、空気圧チェッカーの付いた空気補充コンプレッサーがあることも多いので、ガソリンスタンドで調べることが可能です。
他にもバイク販売店やライコランド、南海部品などのバイクパーツの販売店、オートバックスやイエローハットなどの自動車部品販売店でも空気圧を見てもらえます。
また、自分で計測できるエアーゲージも数千円で販売されているので、購入して自宅で空気圧をチェックすることも可能です。

タイヤ空気圧の単位

タイヤの空気圧の単位は、国際単位であるSI単位に基づいた「kPa(キロパスカル)」が用いられているほか、「kgf/cm²(キログラムフォース)」も合わせて使われています。
1999年より日本でkPaが導入されましたが、それ以前はkgf/cm²が空気圧の表示として使われていました。
1Paは、1m² の面積に対し1N(ニュートン)の力がかかる圧力を示し、約98kPa=1 kgf/cm²となります。

タイヤの空気圧はなぜ減少する?

タイヤからは少しずつ空気が抜けており、空気圧も減少していきますが、なぜ空気が抜けていくのでしょうか。
ゴムで密閉されているので空気圧が維持されるように思えますが、空気がタイヤの分子の間を抜け、大気に開放されていくことで空気圧も減少していきます。
空気圧は、1ヶ月で10kPa程度が減少すると言われており、定期的にタイヤの空気圧を点検する必要があると言われる所以(ゆえん)です。
1ヶ月程度では体感できるほど空気圧は減少しないかもしれませんが、3ヶ月で30kPa、半年で60kPaと、15%~30%ほどの空気圧減となります。
ここまで減るとハンドリングに悪影響を及ぼしたり、燃費の低下に繋がったりと体感できるレベルとなり、安全面にもお財布にも優しくなく、危険です。

タイヤの「空気圧高め」はどのくらい?

タイヤの空気圧高めとは、メーカーが提示している空気圧の既定値より、10%程度高めの空気圧のことを指すことが多いです。(車種により多少上下あり)
例えば、ホンダ CB400の空気圧既定値は、フロント225kPa、リアが250kPaとなっていますが、フロント:245~250kPa、リア:275kPa程度が高めとなります。

タンデム走行が多い場合は、少し空気圧を高めにしておくと良いほか、高速走行が多い場合も若干空気圧を高めにしておくと良いです。
しかし、現在ではタイヤの性能も上がったことで、以前のように高速道路走行の前に必ず空気圧を高めに設定する、といったことが必要なくなりつつあります。

バイクタイヤの空気圧を確認・調整する方法

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バイクタイヤの空気圧の確認や調整は、どのようにして確認するのでしょうか。
タイヤの空気圧の確認方法と、調整方法について解説をしていきますので、空気圧点検の際の参考にしてみてください。
ちなみに空気圧の確認は、タイヤが冷えている時に行うのが基本になっています。
理由はタイヤが温まると中の空気が膨張し、正確な空気圧測定ができなくなるからです。
長時間走行後や高速走行後は、少し時間を置いてタイヤを冷ましてから、空気圧点検をするようにしましょう。

エアーゲージでタイヤの空気圧を測る

エアーゲージは、タイヤの空気注入口に取り付けて空気圧を測定するツールです。
バイクの車ごとに空気圧の既定値が定められており、フレームやチェーンカバーなどに既定値が記載されたステッカーが貼られています。
ほかにも、バイクのマニュアルにも空気圧の既定値が記載されていますので、空気圧のチェックの前にまずは空気圧の既定値を把握しておきましょう。

ガソリンスタンドで空気を入れる

規模の大きめのガソリンスタンドには、空気圧をチェックしたり、増減の調整をしたりできるコンプレッサーが備わっていることも多く、空気圧の測定や調整が可能です。
スタンドによって、空気圧をリアルタイムで見ながら調整できるものから、設定した空気圧まで空気が注入できるものなど、いろいろな種類があります。
店員に「空気圧を見てください」と頼むと、サービスで空気圧の調整をしてくれる所もあります。
しかし、セルフのスタンドが増えた影響で、店員がサービスで調整してくれるスタンドも減りつつある傾向です。

バイクショップで空気を入れる

バイクショップにも、ほとんどの所では空気圧をチェックする体制が整っていますので、空気圧の点検が可能です。
バイクで直接バイクショップを訪れ、空気圧の点検をお願いしましょう。
バイクショップによってはセルフで空気圧が点検できるよう、エアーゲージや空気入れを設置してある所もあります。

自宅で自転車用の空気入れで入れる

自転車用の空気入れを使い、バイクのタイヤに空気を入れることも可能です。
注意点として、バイク用タイヤの空気注入口が米式となっており、自転車用の空気入れが英式や仏式となっているなど、互換性がない場合もあります。
互換性が無い場合は空気を入れることができませんので、注意が必要です。
また、空気を入れるのみで空気圧の確認ができないので、別途空気圧を測定するエアーゲージを用意しておく必要があります。

タイヤの空気圧を確認する頻度はどれくらい?

タイヤの空気圧確認は、最低でも1ヶ月に1回程度は確認すると良いでしょう。
バイクのタイヤは自然に空気圧が減少していき、乗っていない期間もどんどん減少していきます。
特に冬場など1ヶ月以上乗っていない期間があった場合は、まずタイヤの空気圧を確認した上で乗るようにしましょう。

バイクタイヤの空気圧を適正に保たないといけない理由

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バイクタイヤの空気圧は、車種ごとにメーカーが定める既定値があります。
適正な空気圧になっていないと、タイヤの性能が発揮できない、ハンドル操作に悪影響を及ぼすなど、問題が生じることもありときに危険です。
タイヤの空気圧が既定値より高い場合、どのような事が起きるのか、また逆に低いとどうなるのかを解説していきます。

タイヤの空気圧が高い場合

タイヤの空気圧が規定値より高い場合は、以下のような状態となることがあります。
• 接地面積が減ることで、グリップが落ちることがある。
• タイヤが跳ねやすくなり、乗り心地に影響がでる。
• 転がり抵抗軽減で、燃費の向上につながる。
• 抵抗が軽減することで、取り回しが軽くなる。
• タイヤの寿命が短くなる

空気圧が高ければ高いほど、タイヤのセンター部分が膨らみ、路面との接地面積が減ります。
接地面積が減ることで転がり抵抗も減り、燃費の向上や取り回しのしやすさにつながりますが、タイヤが膨らむ分路面のギャップを捉えて跳ねやすいです。
また、接地が中央部に集中することでタイヤが偏摩耗しやすくなり、その結果寿命を縮めてしまうことなることもあります。
接地面積が減ることで、燃費向上などのメリットがある反面、路面のギャップを捉えやすくなることで、乗り心地の悪化や偏摩耗しやすくなるデメリットも。

タイヤの空気圧が低い場合

続いては、バイクタイヤの空気圧が低い場合、起こる可能性のある状態は以下の通りです。
• 接地面積が増えることで、取り回しが重く感じる。
• 燃費が悪くなる。
• クッション性能が上がり、乗り心地が良くなる。
• ある程度までならグリップ力が上がる。
• タイヤの寿命が短くなる。

空気圧が減ることで、路面とタイヤの接地面積が増え、転がり抵抗も増えるので取り回しが重くなるほか、燃費の悪化にもつながります。
空気圧が減る分、タイヤがクッションとなって乗り心地が良くなり、ある程度までなら接地面が増えることでグリップ性能の向上も見られるでしょう。
しかし、タイヤが本来の形を維持できなくなることで、タイヤの寿命を縮める、ハンドリングに悪影響が出るといったこともあります。

夏でも冬でもタイヤの空気圧は適正値に合わせる

タイヤの空気圧は季節に関係なく、メーカーが提示している適正値に合わせるのが基本です。
空気圧は、高すぎても低すぎても本来の性能を発揮できなくなり、ハンドリングに悪影響を及ぼしたり、タイヤの寿命を縮めたりすることがあります。
タイヤメーカーも適切な空気圧での使用を想定し、タイヤのトレッドパターンをデザインしていますので、タイヤ本来の性能を発揮させるためにも適正値に合わせるのが基本です。

峠の走行にあったタイヤと空気圧は?

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峠はコーナリングをメインに走行するので、よりグリップ力が優れるハイグリップタイヤが合っています。
ハイグリップタイヤは、サーキットでの走行を想定して作られているため、路面をしっかり捉えコーナーでの車体の倒し込みが軽やかなので、スポーツ走行に最適です。
空気圧は適正値よりもほんの少し下げた方が、設置面が増えることによるグリップ感の向上を体感しやすいですが、下げすぎるとグリップ力が失われます。
逆に適正値より空気圧を少し上げると、接地面の減少から加速が軽やかに感じますが、バランスよく走りたい場合、空気圧は適正値でOKです。

サーキットの走行にあったタイヤと空気圧は?

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サーキット走行に合ったタイヤは、最低でもハイグリップタイヤで、レース参戦など上級者であればスリックタイヤなどのスポーツタイヤも視野に入るでしょう。
サーキット走行のライダーによっては、空気圧は低めがいいという意見もありますが、ハイグリップなど高性能なタイヤの場合、既定値でパフォーマンスを発揮できるよう設計されています。
このことから、タイヤごとに規定されている空気圧にして、走行するのが望ましいです。

高速道路の走行にあったタイヤと空気圧は?

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高速道路の走行に合ったタイヤは、バイクのジャンルにもよりますが、普段乗りで使っているタイヤで問題ありません。
空気圧も、高速走行に合わせて高めに設定する必要もありませんが、ツーリングで荷物を多く積載する場合は、空気圧を既定値より高めに設定しましょう。
バイクに貼られている空気圧の既定値を示したステッカーに、重量物を積載した場合の空気圧も記載されていることが多いので、参考にして空気圧を調整します。
バイクのマニュアルにも空気圧が記載されているので、そちらでも確認することができますので、参考にしてみてください。

まとめ

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バイクタイヤの空気圧について、基礎知識から空気圧によるタイヤの変化について解説してきました。
この記事を読むことで、空気圧の調べ方から調整方法、空気圧が高い・低いとどんなことが起きるのかなど、空気圧にまつわることが分かります。
走行シーンに応じたタイヤの選び方や、空気圧についても解説していますので、参考にしてみてください。

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