バイクで使うガソリン携行缶の選び方は?取り扱いの注意点やメリットも解説

バイクで使うガソリン携行缶の選び方は?取り扱いの注意点やメリットも解説

ガソリン携行缶について

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バイクに必要なガソリンは、走行の度にガソリンスタンドで給油するのが一般的ですが、ガソリン携行缶があればどこでもガソリンの給油ができます。

また、ツーリングの際にもガソリン携行缶があれば、スタンドのない山間部の移動でもガス欠の心配をする必要もありません。

ガソリン携行缶とは

ガソリン携行缶とは、ガソリンを入れて運搬するための金属製の缶のことです。

ポリタンクのようにガソリンを入れて持ち運べるため、緊急時や災害時に備えてガソリンの備蓄ができるほか、自宅や作業場にある草刈り機や除雪機などへの給油もできます。

ガソリンという危険物を取り扱うため、落下試験や気密試験などの試験にパスした品質である必要があるほか、ガソリン携行缶を選ぶ際は、安全基準に適した証のKHKマークやUNマークが付いたものを選ぶのが理想です。

ガソリン携行缶の種類

ガソリンの携行缶の種類は材質の違いによって分かれ、「金属缶タイプ」「ボトル缶タイプ」「高密度ポリエチレンタイプ」の3種類があります。

また、入れられるガソリンの量(容量)にも違いがあり、0.5L程度から20L程度まで様々な容量がありますが、消防法で定められている22Lが最大です。

2003年に名古屋で起きた放火事件により、現在ではバイクや自動車などへ直接給油を行うか、消防法令に適合したガソリンの携行缶でしかガソリンが買えません。

ガソリン携行缶のメリット

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ガソリンの持ち運びや保管ができるガソリン携行缶ですが、他にも以下のようなメリットがあります。

  1. メリット1.非常用の予備燃料
  2. メリット2.小さなガソリンタンクでも安心
  3. メリット3.困っているライダーに分けることができる

順番に解説していきます。

メリット1.非常用の予備燃料

ガソリン携行缶は、ガソリンスタンドが近くにない場合など、ガソリンの確保が難しい状況での予備燃料として使える点がメリットです。

山道などで長くガソリンスタンドがない区間を走行する際は、ガソリン携行缶を用意しておけば安心でしょう。

また、震災時はガソリンの確保が難しくなりますが、ガソリン携行缶があれば、予備燃料として急場をしのげる場合もあります。

メリット2.小さなガソリンタンクでも安心

ガソリンタンクが小さい車種はこまめな給油が必要になりますが、ガソリン携行缶があれば、ガソリンスタンドに立ち寄る回数を減らせます。

また、ガソリンスタンドがない区間を走行する際も、ガソリン携行缶から給油できるので、走行できる範囲も広がるでしょう。

メリット3.困っているライダーに分けることができる

ガス欠で困っているライダーがいた場合は、ガソリン携行缶よりガソリンを分けることができるメリットもあります。

仲間とツーリングの際も、仲間がガス欠になったら分けてあげられますし、ガソリンスタンドがない区間の保険としての活用も可能です。

ガス欠になったバイカーに、ガソリンスタンドまで移動できるだけのガソリンを分けてあげれば、ガソリンスタンドまでバイクを押していくという最悪の事態を免れます。

ガソリン携行缶の選び方

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ガソリン携行缶には様々な種類がありますが、用途や持ち運ぶ環境、保管する場所などに応じて選ぶ必要があります。

ガソリン携行缶を選ぶ際に、抑えておきたいポイントは以下の通りです。

  1. 消防法令の安全性能基準に適合しているか確認
  2. バイクなら容量は1L程度が目安
  3. 頑丈な金属製だと安心
  4. 保管するなら倒れにくいもの
  5. より安全性を求めるなら圧力調整ネジがあるもの

選び方1.消防法令の安全性能基準に適合しているか確認

引火性の強いガソリンを取り扱うガソリン携行缶は、消防法令の性能試験に合格したものを選ぶのがおすすめです。

性能試験に適合している証が「KHKマーク」で、KHKマークは危険物保安技術の試験確認基準に適合したガソリン携行缶に表示されています。

ガソリン携行缶の容量や形状などを選ぶ前に、まずはKHKマークの有無を確認した上で選びましょう。

選び方2.バイクなら容量は1L程度が目安

バイク用のガソリン携行缶なら、ボトルタイプで1L程度のものがおすすめです。

容量が大きくなると、携行缶を運ぶ手間もかかりますし、重量も増えてバイクでの持ち運びには適していません。

バイクにもよりますが、ガソリン1Lあれば中型クラスで30Km前後、大型バイクでも25Km前後の走行が可能なので、大抵の場所からはガソリンスタンドまでたどり着けるでしょう。

選び方3.頑丈な金属製だと安心

ガソリン携行缶には「金属タイプ」「高密度ポリエチレンタイプ」がありますが、金属製は耐久性が高く、ガソリンも漏れにくいのでおすすめです。

高密度ポリエチレンタイプは軽量で持ち運びしやすいですが、金属製に比べると衝撃に弱く、耐久性でも劣るので取り扱いに注意が必要になります。

バイク用として持ち運びを考えているなら、ボトルタイプの金属製ガソリン携行缶を選ぶのがおすすめです。

選び方4.保管するなら倒れにくいもの

ガソリンを入れたまましばらく保管をしておくなら、金属製で底面が大きく安定しているガソリン携行缶がおすすめです。

水物は立てて保管するのが基本で、保管中に倒れるとガソリンが漏れて危険なので、倒れにくい形状のガソリン携行缶を選びましょう。

ガソリンの保管場所は、近くに火の気がなく、直射日光の当たらない風通しが良い場所ですが、保管しておくとガソリンが劣化していくので、給油より3ヶ月~半年を目処に使い切りましょう。

選び方5.より安全性を求めるなら圧力調整ネジがあるもの

ガソリンを携行缶に入れて保管しておく場合は、圧力調整ネジがあるものを選びましょう。

圧力調整ネジは、保管中に高まる内圧を開放してくれる役割があり、安全に蓋が開けられるようになります。

ガソリンは揮発性が高いため、保管中に携行缶の内部圧力が高まり、蓋を開けた際にガソリンが噴出したり、わずかな火気や静電気で引火しやすくなったりして危険です。

圧力調整ネジがあれば蓋を開ける前に携行缶内部の圧力を下げられるので、安全に使用できますが、小型の携行缶には備わっていない場合もあります。

ガソリン携行缶を扱う際の注意点

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引火物のガソリンを入れるガソリン携行缶の取り扱いには、注意点があります。

取り扱いを誤ると最悪の場合火災や爆発へと発展することもあるので、ガソリン携行缶の使用を考えている方、すでに使用している方は、ぜひ内容を参考にして取り扱ってください。

注意点1.有人のガソリンスタンドでしか入れられない

ガソリン携行缶への給油は、有人のスタンドでしか給油できません。

消防法により、例えセルフスタンドであっても、利用者が自分でガソリン携行缶に給油はできませんので、必ずガソリンスタンドのスタッフに給油してもらいましょう。

スタッフが待機しているセルフスタンドでは、ガソリン携行缶への給油を断られることもあるので、フルサービスを行っているスタンドでの給油がおすすめです。

注意点2.ガソリンを入れたまま長期保存しない

ガソリンは置いておくとどんどん劣化していくので、ガソリン携行缶に入れたまま長期保存は避けましょう。

目安としては、給油してから3ヶ月~半年程度で使い切るのが理想ですが、気温の高い日が続く夏場は劣化も早く進むので、3ヶ月を目処に使い切るのがおすすめ。

保管は直射日光を避け、できるだけ通気性のよい場所で保管しておきましょう。

注意点3.直射日光の当たる場所、高温になる場所に保管しない

ガソリンは気温の影響で劣化の進む早さも変わってくるので、直射日光が当たらず、高温になる場所を避けて保管しましょう。

気温が高いと揮発も進んで内圧も高まりやすいので、火気を避けできるだけ風通しのよい場所で保管します。

注意点4.携行缶の内圧が上がらないように定期的に蓋を外す

ガソリン携行缶にガソリンを入れて保管する際は、定期的に蓋を外して内圧が高くなるのを防ぎましょう。

ガソリンは揮発性が高く、携行缶の中に入れて保管していると携行缶の内圧が上がり、蓋を開けた際にガソリンが噴出したり、より引火しやすくなったりします。

内圧が高くなるのを防ぐには定期的に蓋を開けるか、圧力調整ネジが付いている携行缶の場合は、調整ネジを使って定期的に内圧を下げましょう。

注意点5.バイクに給油するときはエンジンを停止する

ガソリン携行缶からバイクに給油をする際は、必ずバイクのエンジンを停止した状態で行いましょう。

エンジンを切って給油を行う理由は、ガソリンは揮発性が高く、気化すると引火しやすいためです。

また、給油口ギリギリまでガソリンを入れると吹きこぼれの原因となり、ガソリンがタイヤに付着するとスリップの原因にもなりますので、給油口ギリギリまでの給油は避けましょう。

注意点6.給油の際は火元が近くに無いか確認する

ガソリンは揮発性が高く引火しやすいため、給油の際は火元が近くにないか確認した上、給油を行います。

また、静電気や火花がきっかけとなって引火することもあるので、給油中は金属に物をぶつけたり静電気が発生したりしないよう注意しましょう。

セルフスタンドでたまに、給油が終わった際に給油口で給油口を「トントントン」と叩き、ガソリンが垂れないようにする人もいますが、静電気や火花が発生して引火する可能性があり危険です。

バイクにおすすめのガソリン携行缶と周辺アクセサリ

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こちらの項では、おすすめの携行缶5アイテムと、周辺アクセサリを紹介していきます。

ガソリンの携行缶を探している方は、ぜひ参考にしてみてください。

キジマ バイク ガソリン携行缶

引用元:https://amzn.to/49LCSNh

バイクでの持ち運びに便利なホルダーとセットになった携行缶が、キジマ(Kijima)「バイク ガソリン携行缶」です。

リリースタイラップによって、ホルダーをバイク車体に固定でき、使用時は簡単に携行缶の取り外しができます。

容量は0.9L(900cc)で、給油に便利なノズルもついており、持ち運びから給油まで円滑に行えるバイカーに適した携行缶です。

  • メーカー:キジマ
  • 商品名:バイク ガソリン携行缶
  • 容量:0.9L(900cc)
  • 材質:鋼板
  • 消防法適合品 UN試験確認済み
  • 販売価格(税込):10,596円

Pro TOOLs ガソリン携行缶 グリーン 10L

引用元:https://bikeman.jp/products/cj-tool471

ガソリンの保管に便利なのが、10Lのガソリンが入るPro TOOLs(プロツールス)「ガソリン携行缶 グリーン 10L」です。

給油ノズルがタンクの内部に収納されており、ノズルの紛失に困ることもありません。

携行缶の内圧を下げるエアー調整ネジも付いており、1人でも2人でも持ち運びがしやすいよう3本のグリップを備えた、保管から給油まで安心して使用できる携行缶です。

  • メーカー:Pro TOOLs(プロツールス)
  • 商品名:ガソリン携行缶 グリーン 10L
  • 容量:10L
  • 材質:鋼板
  • 販売価格(税込):6,672円

ETHOS RED CAMEL ガソリン携行缶

引用元:https://amzn.to/3wIJzRL

赤いおしゃれなデザインが目を引くのが、ETHOS(エトスデザイン)「RED CAMEL ガソリン携行缶」です。

携行缶への給油は本体上部のやや中央にある給油口より行い、バイクへの給油はノズル先端に付いたノズルキャップを外すだけで簡単に行え、手を汚しません。

容量は1Lで、バイクでの持ち運びに適した、コンパクトサイズのボトルタイプ携行缶です。

  • メーカー:ETHOS(エトスデザイン)
  • 商品名:RED CAMEL ガソリン携行缶
  • 容量:1L
  • 材質:鋼板
  • 販売価格(税込):4,584円

Pro TOOLs ガソリン携行缶 グリーン 20L

引用元:https://bikeman.jp/products/cj-tool552

大きめサイズのガソリン携行缶を探している方におすすめなのが、20Lもの容量を持つ、Pro TOOLs「ガソリン携行缶 グリーン」です。

UN規格を取得した安心の消防法適合商品で、重量は3.8L(本体のみ)となっています。

内圧を下げるエアー調整ネジも付いており、給油ノズルがキャップ裏に内蔵されているので、スムーズな給油が可能です。

  • メーカー:Pro TOOLs
  • 商品名:ガソリン携行缶 グリーン
  • 容量:20L
  • 材質:鋼板
  • 販売価格(税込):6,290円

ETHOS RED CAMEL ガソリン 携行缶 5L

引用元:https://www.bikeman.jp/

ノズルキャップを外すだけでスムーズな給油が行えるのが、ETHOS「レッドキャメル ガソリン 携行缶 5L」です。

肩掛けベルトが装着されており、消防法適合品と同等に扱われる「国連勧告運搬容器基準」のUN適合品になっています。

容量は5Lで、バイクでの運搬には向きませんが、給油や持ち運びし易い保管用のガソリン携行缶を探している方におすすめです。

  • メーカー:ETHOS
  • 商品名:レッドキャメル ガソリン 携行缶 5L
  • 容量:5L
  • 材質:鋼板
  • 販売価格(税込):7,469円

Pro TOOLs ガソリン携行缶用 給油ノズル パッキン付き

引用元:https://bikeman.jp/products/cj-27641057

Pro TOOLs「ガソリン携行缶 グリーン」の補修用給油ノズルです。

ガソリン携行缶 グリーンの10Lと20Lに適合し、給油中のガソリン漏れを防ぐパッキンも付いています。

  • メーカー:Pro TOOLs
  • 商品名:ガソリン携行缶用 給油ノズル パッキン付き
  • 販売価格(税込):523円

バイクのガソリン携行缶に関するFAQ

引用元:https://pixabay.com/ja/photos/BC-2225993/

こちらの項では、バイクのガソリン携行缶に関する「よくある質問や疑問」と「回答」についてまとめてあります。

ガソリン携行缶の導入を考えている方や興味のある方、すでにお持ちで活用していこうと思っている方はぜひ参考にしてみてください。

携行缶のガソリンは何日くらいもつ?

ガソリンはどんどん劣化していき、携行缶で保存した状態だと半年くらいで使い切るのが理想です。

一般的に、燃料タンクに給油してすぐの状態から8~9ヶ月持つと言われていますが、気温の高い日ほど劣化が進みます。

エンジンのトラブルを避けるためにも、できるだけ早く使い切るのが良いでしょう。

セルフ式のガソリンスタンドで自分で携行缶にガソリンを入れられる?

消防法令などにより、ガソリン携行缶への給油は利用者が行うことはできません。

携行缶への給油は、必ずガソリンスタンドの店員さんに給油をお願いする必要がありますが、自信で給油するのが前提のセルフスタンドだと、携行缶であっても給油を断られることもあります。

できれば、フルサービスのスタンドで携行缶への給油をお願いするのがおすすめです。

灯油用の容器をガソリンの携行缶代わりに使っていい?

ガソリンを灯油用のポリ容器や、水用のポリ容器に入れることはできません。

ガソリンは灯油よりも揮発性や引火性が強いため、誤った容器に入れた場合は静電気による引火や漏れを起こす恐れがあります。

重大事故を避けるためにも、必ずガソリン用の携行缶にガソリンを入れましょう。

ガソリン携行缶のバイクへの取り付け方は?

ガソリン携行缶をバイクに積載する場合、専用のホルダーなどでバイクのフレームに固定するほか、コンパクトなボトルタイプなら、バッグに入れての運搬もできます。

バイクにガソリン携行缶を設置する際は、エンジンなどの熱が伝わらない場所で、運転に支障の出ない場所を選んで設置しましょう。

ガソリン携行缶が爆発するって聞いたけど…本当?

ガソリンは揮発性が高く、ガソリン携行缶に入れておくとどんどん気化し、缶の内圧が高まっていきます。

どんどん内圧が高まると最悪の場合、缶が破裂して引火するなどの事態になる可能性があるので、定期的に蓋を開けたりエアー調整ネジを使ったりして、内圧を下げて爆発を防ぎましょう。

まとめ

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バイクのガソリン携行缶について、携行缶とはどんなものか、どんな種類があるのかという概要から選び方まで解説してきました。

ガソリンは揮発性や引火性が強いので、専用の携行缶に入れ、適切に取り扱う必要があります。

また、ガソリン携行缶への給油は利用者ができないので、必ずガソリンスタンドの店員さんに給油してもらいましょう。

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