バイクのトラッカーカスタムって何?歴史や定番のカスタム、向いている車種とおすすめバイク13選を解説!

バイクのトラッカーカスタムって何?歴史や定番のカスタム、向いている車種とおすすめバイク13選を解説!

バイクのトラッカーカスタムとは?歴史や現代のスタイルについて

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バイクは風を感じながら走行する以外にも、パーツを自分好みにカスタムして楽しむのが醍醐味。
時代背景や目指すスタイルによって、数々のカスタムが生み出されましたが、その中でレーススタイルをモチーフにした、長く支持され続ける「トラッカーカスタム」があります。

トラッカースタイルとは?

トラッカースタイルとは、オーバル(だ円状)コースを周回して競うフラットトラックレースのレースマシンをモチーフに、カスタムが施されたバイクを指します。

また、ワイドハンドルにトラッカーシート、車体右側に出たマフラーなど、フラットトラックレースのレースマシンを再現したカスタム内容が、トラッカースタイルの定番です。

フラット・トラックの歴史

トラッカーカスタムは、フラットトラックレースのレースマシンを再現していますが、モチーフ元となるフラットトラックレースは、未舗装路(ダート)のオーバルコースを周回して競うレースです。

1900年代のアメリカでは、木の床でできたオーバル状のコースを周回するボードトラックレースが開催されていましたが、安全性を確保するのが困難だった面から、フラットなダートのオーバルコースを周回するスタイルへと移り変わりました。

アメリカでは、権限ある全米モーターサイクル連盟(AMA)が全米各地でレースを開催し、今も高い人気がある長い歴史のレース競技です。

現代スタイルのトラッカー

現代スタイルのトラッカーは、ホンダ FTR223などをベースにハンドルバーやマフラー、シート、タイヤとホイールをカスタムするのが主流です。

トラッカースタイルとして販売されているモデルなら、アメリカ・インデアンのFTR1200があり、右出しマフラーやシートとカウルが一体化したトラックスタイルのシート、トラッカーハンドルなどが装備されています。

トラッカーカスタムのためのポイントとおすすめ車種

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トラッカーカスタムを行うに当たり、押さえておきたいカスタムポイントをご紹介します。

トラッカーは、オーバルコースを周回するためならではの仕様となっていますが、抑えておくべきカスタムポイントが幾つかあり、以下の通りです。

• タイヤとホイール
• ハンドル
• タンク
• シート

タイヤとホイール

トラッカーカスタムのタイヤは、トレッド面のタイヤパターンがブロック状になった、ブロックタイヤを選ぶのが定番です。

ブロックタイヤの中には、舗装路でのグリップ力を高めたタイヤもあるので、トラッカースタイルとしての見た目とグリップ性能にもこだわりたい方はグリップ力の高いものを選びましょう。

ホイールはキャストホイールのトラッカースタイルもありますが、よりトラッカーに近づけたいなら、スポーク形状のホイールを選択するとぐっとスタッカーらしさが際立ちます。

ハンドル

トラッカーカスタムでは必須となるハンドルは、ワイドになったアップハンドルで、オフロードスタイルにも通じるスタイルとなり、操作性の向上につながります。

加えてメーターも小型な物を選ぶと、ワイドハンドルと相まって、よりトラックレーサーらしいスタイルが演出できますので、メーターにもこだわってみるのもおすすめです。

タンク

ガソリンタンクは、高さがなくスリムなタイプの物を選ぶことで、スタッカースタイルらしさがぐっと向上します。

無塗装でスリムタイプがカスタムパーツとして売られていますので、バイクのイメージに合わせてデザインや塗装をするのがおすすめです。

シート

トラッカーカスタムのシートは、後部が跳ね上がった独特な形状のトラッカーシートが定番です。

シングルシートタイプで、シートカウルまでを含めると、ガソリンタンクからテールまでを1本の線でつなぐかのような美しい形状をしています。

【排気量別】トラッカーカスタムをモチーフにしたバイク13選

 

排気量別にトラッカーカスタムのベースにおすすめのモデルを紹介します。
トラッカーカスタムに乗ってみたい方や、どんなモデルがトラッカーカスタムに合うのかが分かりますので、ぜひ参考にしてみてください。

【125cc】トラッカーバイクのおすすめ

2023年3月現在、新車販売されているモデルは1モデルのみですが、どのモデルも中古車市場で入手が可能です。

1.KAWASAKI D-TRACKER 125

 

KAWASAKI「D-TRACKER 125」は、オフロードをベースにしたモタードモデルで、2009年に登場し、2015年まで販売されました。

オフロードのような外観は、正立フロントフォークにスポークホイールを装着し、エンジンには寒い時期でも始動しやすい、アイドルスピード機能が付いた空冷4スト単気筒が搭載されています。

• 全長×全幅×全高(mm):1,900×770×1,060
• 車重:113Kg
• エンジン型式:空冷4スト単気筒
• 総排気量:124cc
• 最高出力:10.2ps
• 最大トルク:9.8N・m
• 中古相場:15万~40万円前後

2.LEONART TRACKER 125

 

スペインに拠点のあるLEONART(レオンアート)のTRACKER 125は、前後17インチのスポークホイールにブロックタイヤが装備された、ダートトラッカーモデルです。

アジャスター機能が付いた倒立式フロントフォークに、前後ディスクブレーキはCBS(連動ブレーキシステム)、リアにはモノショック(モノ=単体:1本で構成されるリアショックアブソーバー)が採用されています。

• 全長×全幅×全高(mm):2,090×1,114×865
• 車重:130Kg
• エンジン型式:空冷4スト単気筒
• 総排気量:125cc
• 最高出力:10.9ps
• 最大トルク:8.6N・m
• 新車販売価格(税込):440,000円~
• 中古相場:50万~60万円前後

3.YAMAHA YBR125

 

YAMAHA「YBR125」は、YAMAHAの専売ショップ「YSP」限定販売モデルとして販売されていましたが、2023年現在は国内販売モデルがなくなり、海外専売モデルとなっています。

小さなフロントカウルに前後18インチのキャストホイール、正立フロントフォークとシンプルな装備やデザインながら、ヨーロッパを中心に海外で人気です。

• 全長×全幅×全高(mm):1,985×745×1,100
• 車重:135Kg
• エンジン型式:空冷4スト単気筒
• 総排気量:125cc
• 最高出力:10ps
• 最大トルク:9.8N・m
• 新車販売価格(税込):
• 中古相場:10万~23万円前後

【250cc】トラッカーバイクのおすすめ

250ccクラスでトラッカーバイクやカスタムのベースとしておすすめを4モデル紹介します。
どのモデルも生産販売は終了していますが、中古車市場ならまだまだ見つけることが可能です。

1.HONDA FTR 223

 

2000年に発売されたHONDA「FTR 223」は、車名のFTR(フラット・トラック・レーサー)が表すように、フラット・トラックを走行するレースマシンをイメージしたモデルです。

薄めでリアに向かって傾斜の付いたシートや、小さめのガソリンタンク、車体右下にマウントされたマフラーなど、トラッカーバイクの定番として今も語り継がれています。

• 全長×全幅×全高(mm):2,080×910×1,115
• 車重:128Kg
• エンジン型式:空冷4スト単気筒
• 総排気量:223cc
• 最高出力:16ps
• 最大トルク:18N・m
• 中古相場:15万~80万円前後

2.SUZUKI グラストラッカービッグボーイ

 

2002年に登場したSUZUKI「グラストラッカービッグボーイ」は、ドリフトをしながらオーバルコースを旋回して競う、グラストラックをイメージしたスタイルのネイキッドバイクです。

小ぶりのガソリンタンクからテールカウルまで、1本の線でできたような流線型で、スリムでコンパクトな車体なので、取り回しも楽に行えます。

• 全長×全幅×全高(mm):2,050×900×1,130
• 車重:136Kg
• エンジン型式:空冷4スト単気筒
• 総排気量:259cc
• 最高出力:19ps
• 最大トルク:21N・m
• 中古相場:15万~45万円前後

3.YAMAHA TW200

 

YAMAHA「TW200」道なき道も走れるバイクとして1987年に初登場し、トラッカーカスタムのみならず、様々なカスタムのベース車両として大人気を博しました。

スリムな車体に釣り合わないような、リアに180/80-14インチの太いタイヤを装着し、ぬかるんだ路面や砂地などの悪路でも高い走破性を持っています。

• 全長×全幅×全高(mm):2,090×820×1,110
• 車重:128Kg
• エンジン型式:空冷4スト単気筒
• 総排気量:196cc
• 最高出力:16ps
• 最大トルク:15N・m
• 中古相場:15万~65万円前後

4.KAWASAKI 250TR

 

2002年に発売開始されたKAWASAKI「250TR」は、スリムな車体に小ぶりなガソリンタンクなど、トラッカーカスタムのベースとして最適なネイキッドモデルです。

2007年にはこれまでのキャブレターからインジェクションへと変更、ハンドルの幅も30mm短く変更となりましたが、その後の仕様は同じままカラーの変更のみで、2013年まで販売されました。

• 全長×全幅×全高(mm):2,100×870×1,095
• 車重:134Kg
• エンジン型式:空冷4スト単気筒
• 総排気量:249cc
• 最高出力:19ps
• 最大トルク:18N・m
• 中古相場:20万~110万円前後

【400cc】トラッカーバイクのおすすめ

400ccクラスでトラッカーバイクや、カスタムのベースとしておすすめを3モデル紹介します。

2023年3月現在、1モデルを除いて新車販売は終了していますが、中古車市場ではタマ数が豊富なモデルもありますので、チェックしてみてください。

1.YAMAHA SR 400

 

YAMAHA「SR 400」は、1987年に販売開始となった歴史の長いモデルで、2021年の3月にこれまでのロングセラーの歴史に幕を閉じる「ファイナルエディション」の販売を最後に、新車での販売は終了となりました。

前後18インチのスポークホイールに、クラシカルな外観のシンプルなデザインで、シンプル故に飽きが来ないとして、多くの人に愛され続けるモデルです。

• 全長×全幅×全高(mm):2,085×750×1,110
• 車重:175Kg
• エンジン型式:空冷4スト単気筒
• 総排気量:399cc
• 最高出力:24ps
• 最大トルク:28N・m
• 中古相場:30万~180万円前後

2.DUCATI SCRAMBLER Sixty2

 

イタリア・DUCATYの「SCRAMBLER Sixty2」は2016年に登場し、2023年3月現在も新車で購入が可能なネイキッドモデルです。

先進性のデザインを得意とするDUCATYにしては珍しく、クラシカルなデザインで、前後キャストホイールに正立フロントフォークを装着、トラッカースタイルのみならず、人とは違ったバイクに乗りたい方にもおすすめ。

• 全長×全幅×全高(mm):2,150×860×1,165
• 車重:183kg
• エンジン型式:空冷4ストV型2気筒
• 総排気量:399cc
• 最高出力:40ps
• 最大トルク:34N・m
• 新車販売価格(税込):920,000円
• 中古相場:55万~120万円前後

3.HONDA CB 400SS

 

HONDA「CB 400SS」はバイクの原点を思わせるようなシンプルで、クラシカルな作りのネイキッドモデルで、SSは「スタンダード・シングル」の意味です。

初登場は2001年で、29psを発生する空冷4スト単気筒エンジンを搭載、初代はキックスターターのみでしたが、2003年のマイナーチェンジでセルも追加され、より始動性が高められました。

• 全長×全幅×全高(mm):2,165×780×1,125
• 車重:159kg
• エンジン型式:空冷4スト単気筒
• 総排気量:397cc
• 最高出力:29ps
• 最大トルク:31N・m
• 中古相場:30万~75万円前後

【大型】トラッカーバイクのおすすめ

排気量400cc超の大型クラスから、おすすめのトラッカーバイクを3モデル紹介します。
中・小型バイクのような軽快さはありませんが、所有感や大型ならではのダイナミックさを楽しみたい方におすすめのクラスです。

1.KAWASAKI W650

 

KAWASAKI「W650」は1999年から2009年まで販売され、675ccの空冷並列2気筒エンジンがクレードルフレームに収まっています。

正立フロントフォークにリア2本サス、スポーク形状のホイールやフラットなダブルシートが装備され、YAMAHAのSRにも似たクラシカルな外観の大型モデルです。

2011年には、W650のあとを引き継ぐ形でW800が登場、2016年のファイナルエディションを最後に生産中止となりましたが、2019年にアシスト&スリッパークラッチやABSなどを装って登場、2023年も販売が継続されています。

• 全長×全幅×全高(mm):2,180×780×1,075
• 車重:211Kg
• エンジン型式:空冷4スト直列2気筒
• 総排気量:675cc
• 最高出力:48ps
• 最大トルク:54N・m
• 中古相場:35万~130万円前後

2.YAMAHA SCR950

 

2017年に登場したYAMAHA「SCR950」は、ボバースタイルのBOLTをベースにしたスクランブラーモデルです。

正立フロントフォークに前19インチ、後17インチの異径スポークホイールで、小ぶりなガソリンタンクから長く延びたシートに、サイドプレートを装着したネオクラシカルなデザインに仕上がっています。

• 全長×全幅×全高(mm):2,255×895×1,170
• 車重:252Kg
• エンジン型式:空冷4ストV型2気筒
• 総排気量:941cc
• 最高出力:54ps
• 最大トルク:80N・m
• 中古相場:70万~90万円前後

3.Indian FTR1200

 

アメリカで長い歴史を持つメーカーIndian Motorcycle(インデアン・モーターサイクル)の「FTR1200」は、全米のフラットレースに参戦するFTR750のレプリカモデルとして、2019年より販売されています。

1,203ccの水冷4ストV型2気筒エンジンを搭載、ラジアルマウントのbrembo製ブレーキ、フルアジャスタブルサスペンションなど、走りを引き立てる装備が満載です。

• 全長×全幅×全高(mm):2,223×830×1,295
• 車重:218Kg
• エンジン型式:水冷4ストV型2気筒
• 総排気量:1,203cc
• 最高出力:123ps
• 最大トルク:120N・m
• 新車販売価格(税込):1,899,000円~
• 中古相場:160万~180万円前後

トラッカーバイクに関するFAQ

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トラッカーバイクに関する「よくある質問・疑問」と「回答」をまとめてみましたので、トラッカーバイクに興味がある方や購入を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

フラットトラッカーって何?

フラットトラッカーとは、オーバルコースを周回して順位を競う競技「フラット・トラックレース」に参戦するバイクをモチーフにしたバイクのことです。

特徴として、小ぶりのガソリンタンクやワイドアップハンドル、前後スポーク形状のホイールにブロックタイヤが装着されています。

ダートトラッカーって何?

ダートトラッカーとは、土などダートのオーバルコースを左回りに周回し競う「ダート・トラックレース」を走行するバイクのことです。

フロントブレーキが装着されておらず、コーナーは後輪をスライドさせながら走行する「ドリフト走行」で疾走、減速も後輪をスライドさせることで行います。

トラッカーカスタムって何?

トラッカーカスタムとは、1930年代に始まったとされるフラット・トラックレースで走行するバイクをモチーフにしたカスタムを施すバイクを指します。

レースマシンならではの無駄のない機能重視のシンプルさで、右側に出たマフラーやスポーク形状のホイール、ブロックタイヤなどにカスタムを行うのが定番です。

グラストラッカービッグボーイは最高速度何キロ出る?

SUZUKI「グラストラッカービッグボーイ」の最高速度は、軽量な車体ゆえ80Km/hで振動が大きくなり100Km/hも出すのが困難と言われています。
ガソリンタンクの容量も6Lと少なく、250cc史上最低と言われる容量なので、高速走行が向いているとは言えないバイクです。

グラストラッカービッグボーイって実際どう?

やや高速走行が苦手なSUZUKI・グラストラッカービッグボーイですが、古き良き時代のバイクを象徴するかのような、シンプルで軽量なボディーで女性でも取り回しがしやすいです。

シンプルで飽きのこないデザインなので、シンプルさが好きな人はそのまま乗れますし、カスタムのベース車両として自分好みの1台に仕上げ楽しめます。

まとめ

 

トラッカーカスタムについて、カスタムの由来やカスタムで抑えておくべきポイントについて解説してきました。
オーバルコースを左回りに周回し、順位を競うフラットトラックレースのマシンがモチーフになっており、ワイドハンドルや小ぶりなガソリンタンクなどが、トラッカーカスタムの定番です。

排気量別におすすめのモデルも紹介していますので、トラッカーやトラッカーのカスタムをしてみたい方、興味がある方はぜひチェックしてみてください。

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