バイクのヘッドライトは自分で交換できる?交換手順から、かかる費用の目安まで解説

バイクのヘッドライトの種類

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バイクの顔とも言えるヘッドライトですが、ヘッドライトの種類には現代で主流になりつつあるLEDのほかに、HIDや旧車などで使われるハロゲンがあります。
こちらの項では、それぞれがどのようなヘッドライトなのかを解説していますので、これからヘッドライトの交換を考えている方や、ランプ類に興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
ハロゲン
旧車など1970年頃から販売されてきた、ほとんどのバイクに採用されているのがハロゲンで、最も一般的なヘッドライト(ランプ)です。
電球内のフィラメントを使って発光する古典的なランプで、価格も安価で入手しやすいですが、発熱量や消費電力が多くて熱を持ちやすく、寿命は500~1,000時間程度とされています。
ハロゲンは消費電力が55W/60Wで、1,000lm(ルーメン)程度の発光を放ち、照射範囲はそれほど広くありません。
HID
HIDとは、High-Intensity Dischargeの頭文字で、イグナイターと呼ばれる部分で数万Vの高電圧にし、アーク放電させて強い光を発光させます。
ライト点灯直後はやや青みがかった色ですが、除々に白色へと変わっていくHIDならではの発光が特徴で、寿命は約2,000時間とハロゲンの倍ほど。
HIDの消費電力は35Wでハロゲンに比べ消費電力が低く、光量も約3,000lmとハロゲンの3倍程度あって照射範囲も広いですが、照らしている部分と照らさない部分の境がハッキリ分かれ、影を作りやすいです。
LED
LEDとは、発光ダイオードという半導体のことで、Light Emitting Diodeの頭文字を取ってLEDと呼ばれています。
消費電力は25~30Wとハロゲンの約半分で、明るさはハロゲンの約4倍の4,000lm程度のものが主流で、内蔵しているLEDの数にもよりますが、照射範囲も広いです。
LEDは点灯した瞬間から最大光量となる立ち上がりの速さもポイントで、HIDのように最大光量になるまでのわずかなロスもありません。
バイクのヘッドライトは自分で交換できる?

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バイクのヘッドライト交換は、ネイキッドバイクなどヘッドライトがむき出しになっているバイクは、多少の整備が自分でできるなら素人でも交換は可能です。
ヘッドライトの交換に必要な作業は、ヘッドライトを固定しているビスの取り外しや、配線の脱着にヘッドライト本来の入れ替えくらいですが、注意点もあります。
交換時の注意点
バイクのヘッドライト交換により、光軸が規定の範囲からずれていたり光量が変わったりすると、車検に通らなくなることがあります。
ネイキッドなどヘッドライトがむき出しになったタイプは、ヘッドライトのリム部分に光軸調整用のネジがついているので、ヘッドライト交換後に光軸調整が必要です。
また、ハロゲンを使う場合は、ヘッドライトバルブに指紋がつくと指紋が熱を持って球切れを起こしやすくなるので、素手でバルブに触れないようにしましょう。
ネイキッドはウインカーも同時交換できる
ネイキッドのヘッドライト内にはウインカー用の配線も入っており、ウインカーもLED化を考えているなら、ヘッドライト交換と同時に、ウインカーも交換作業を進めるのがおすすめです。
ただしハロゲンのウインカーからLEDに変える場合は、そのまま交換するとハイフラ(高速点滅)状態になるので、ハイフラ防止にリレーも交換するか、抵抗が入ったウインカーを選びましょう。
バイクのヘッドライトの交換手順

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ヘッドライトの交換手順をご紹介していきますが、注意点として交換したら必ず光軸がずれていないかを確認し、必要に応じて光軸調整を行いましょう。
光軸がズレたままだと車検に通らないばかりでなく、夜間走行時にライトが照らす範囲がずれ、視界の確保ができず危険です。
交換に必要な工具
ネイキッドバイクなどヘッドライトがむき出しになっているタイプの場合、交換に必要な工具はプラスドライバーとスパナかメガネレンチ2本(ヘッドライトマウント取り外し用)、ビニールテープです。
カウル付きの場合は、カウルの取り外しにプラスドライバー、カウルからヘッドライトの取り外しに、車種によっては8-10mmあたりのスパナやメガネレンチも必要になります。
作業手順
バイクのヘッドライト交換は、以下のような手順で行っていきます。(ネイキッドバイクの場合)
- ヘッドライトリム(カバー)の取り外し
- ヘッドライト周りのコネクター外す
- 新しいヘッドライトを装着する
- ヘッドライト本体を固定する
- ヘッドライトの動作を確認
順番に見ていきましょう。
手順1.ヘッドライトリム(カバー)の取り外し
まずはヘッドライト本体を取り外していきますが、多くの場合はリム部にビス2本程度で固定されており、ビスを外して本体を手前下方向に引くと簡単に取り外せます。
ヘッドライト本体と奥から延びる配線がコネクターでつながっており、コネクターも外しますが、この時に無理な力が配線に加わると断線につながるので、配線に強い力が加わらないよう注意してそっと外していきます。
手順2.ヘッドライト周りのコネクター外す
ヘッドライト本体と配線が外れたら、車体側に残ったヘッドライトマウントを取り外していきます。
ヘッドライトの内部にはウインカーなどの様々な配線があり、ヘッドライトマウントが取り外しにくい場合は、一旦配線を取り外しましょう。
配線類はコネクター(カプラー)で接続されているので、引き抜くと簡単に取り外せますが、どの配線がどこにつながっていたのか分からなくならないよう、テープをコネクターに貼って識別番号を書いておくと安心です。
手順3.新しいヘッドライトを装着する
取り外した順序とは逆に新しいヘッドライトのマウントを取り付け、ヘッドライト周辺の電装配線をつないでいきますが、配線のつなぎ忘れがないかを確認しながら、作業を進めていきましょう。
配線の接続が終わったら、結合部分にビニールテープを巻き、防水対策をしておくのがおすすめです。
手順4.ヘッドライト本体を固定する
ヘッドライトマウントと周辺電装の配線が接続できたら、ヘッドライト本体も配線を接続し、マウントに固定します。
ヘッドライト本体を固定する際は、配線が間に噛んでいないか、無理な力が加わっていないか確認をしながら作業を進めていきましょう。
配線に無理な力が加わったままだと、走行中の振動で配線が断線することもあるので、注意が必要です。
手順5.ヘッドライトの動作を確認
ヘッドライトの固定が終わったら、ヘッドライトやウインカーなどがちゃんと動作するのか確認をしましょう。
また、新しいヘッドライトに入れ替えると光軸調整が必要ですが、調整にはヘッドライトの光を照射する壁やフラットな路面が必要です。
照射する範囲やハイビームとロービームの差など細かな基準があり、大幅に光軸がズレていると夜間走行も危険ですので、光軸調整はショップなどでプロに依頼したほうがよいでしょう。(費用:2,000円程度)
バイクのヘッドライト交換にかかる費用の目安

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バイクショップでヘッドライトを交換してもらう場合、交換費用の相場が幾らくらいになるのか解説していきます。
また、自分で交換した場合の費用についても解説していますので、合わせてご参考ください。
バイクショップに持ち込む場合
バイクショップでヘッドライト交換をしてもらう場合、費用はネイキッドなどヘッドライトがむき出しになっているタイプは6,000円~で、ヘッドライトを持ち込んでの交換は、9,000円~が相場です。
スポーツバイクやツアラーなど、カウル付きバイクでヘッドライト交換を依頼した場合は、7,000円で、持ち込みでの交換は10,000円~が相場となっています。
自分で交換する場合
ヘッドライトを自分で交換する場合は工賃は発生しませんが、ヘッドライトに加え、必要工具の準備も必要です。
交換に必要なプラスドライバーやスパナ、メガネレンチは100円ショップでも売られていますが、工具の精度や耐久性を考え、ホームセンターなどで揃えるとよいでしょう。
ホームセンターでプラスドライバーとスパナ2本を揃えても1,000円以内で揃いますし、スタンドは5,000円程度からありますので、両方揃えても6,000円ほどで工具類が揃います。
バイクのヘッドライト交換に関するFAQ

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バイクのヘッドライト交換をするに当たり、疑問や知りたいことなど、「よくある質問」と「回答」についてまとめてあります。
これからヘッドライトの交換を考えている方や、交換に興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
バイクのヘッドライトの寿命はどれくらい?
バイクのヘッドライトはランプによって寿命が異なり、一般的なハロゲンだと500時間から1,000時間、HIDで約2,000~3,000時間とされています。
最近主流となりつつあるLEDは、寿命が約20,000時間とハロゲンやHIDに比べると圧倒的に高寿命で、毎日5時間点灯させても4,000日かかる計算です。
ハロゲンは振動に弱く、激しい凹凸の路面を走行すると寿命がくる前に切れることもありますし、HIDは光量が除々に落ちていき、新品時の70%ほどの光量になったときが寿命とされています。
バイクのヘッドライトをLED化する費用はどれくらい?
バイクのヘッドライトをハロゲンからLED化する場合、バイク車両によってそのままバルブ交換のみで装着できる場合と、電気や取り付けスペースの問題で取り付けが困難な場合があります。
LEDバルブ自体は6,000円程度から販売されており、ハロゲンから交換するだけで装着できるタイプもありますが、スクーターや小排気量者に限定されるなど、装着できる車種も少ないです。
LEDでキットとして販売やカスタムしているショップもあり、車種にもよりますがヘッドライトをLED化すると1~2万円前後、ウインカーやテールライトまで含めると、6万円~の費用になります。
交換時におすすめのヘッドライトは何?
ハロゲンから交換するのにおすすめのヘッドライトは、高寿命で消費電力が少なく、点灯時の立ち上がりも早いLEDですが、バイク車両によっては取り付けが困難なこともあります。
また、一般的にハロゲンランプよりLEDのほうが大きく、LEDに冷却フィンがついているものや別体式になっているものもあり、収納できるスペースがないと取り付けられません。
ハロゲンに比べ明るさや消費電力、寿命の面でも優れているLEDですが、取り付けにはいろいろ制約もあるので、交換を考えている方は一度ショップに相談してみるとよいでしょう。
まとめ

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バイクのヘッドライト交換について、ヘッドライトの種類や特徴、交換手順について解説してきました。
ハロゲンの場合、高寿命で消費電力も少なく、光量も圧倒的に多いLED化がおすすめですが、取り付けには制約もありバルブの交換だけでは点灯しないこともあります。
LEDバルブはハロゲンバルブに比べ全長も長く、冷却用のフィンが邪魔してヘッドライトの中に収まらないこともあるので、LED化を検討している方はプロに相談してみるのもよいでしょう。
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