バイクのステダンって必要?メリット・デメリットから取付方法まで徹底解説

バイクのステアリングダンパー(ステダン)とは

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バイクのステアリングダンパー(ステダン)は、主にサーキットなどのスポーツ走行をするバイクに取り付けられるアイテムです。
ステアリングダンパーは、motoGPなどのレースマシンには付いていますし、スポーツ走行向けのバイクにも標準で装備されていることも多いですが、どのような役割があるアイテムなのでしょうか。
バイクのステアリングダンパーの仕組みと役割

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バイクのステアリングダンパーの仕組みと役割を、より詳しく解説していきます。
サーキット走行などのスポーツ走行をしている方や、ステアリングの振れを減らしたい方はぜひ参考にしてみてください。
仕組み
西暦2000年あたりからの主流は、ハンドルのトップブリッジに沿うように取り付けられているリニア式のステアリングダンパーです。
オイルの入ったシリンダー内のピストンが、衝撃などによってステアリングに入力される力に反発するように減衰して、入力された力を打ち消します。
近年では、ロータリー式と言われるステアリングダンパーも出てきており、ステアリングの回転に合わせて駆動しますが、リニア式に比べトラベル量(動く幅)が少なくて済むため、リニア式に比べよりスムーズな動きをするのが特徴です。
【役割】走行中に車体が暴れるのを防ぐ
ステアリングダンパーは、段差などによるステアリングへの衝撃を和らげ、バイクの車体が安定して走行できるようにしてくれます。
バイクは車体の動きに合わせて自然にステアリングが切れるようになっている乗り物ですが、段差などをきっかけに不意に左右にステアリングが振れることがあり、振れが大きいとライダーを振り落としてしまうことも。
そんな不意に起こるステアリングの振れを抑えるのが、ステアリングダンパーの役割です。
レースなどサーキット走行では必須
常にパワーを活かして走行するサーキットでは、リアタイヤが滑ったときやギャップを超えた時など、大きくステアリングが左右に振られることがあります。
左右の振れが大きいと、ライダーが放り投げられるような状況も発生しやすくなりますし、抑え込みながら走行するとタイムに影響したり、ライバルとのバトルにも集中できなくなったりしやすいです。
そのようなバイクのステアリングが左右に大きく動くのを抑止したり、動く量をコントロールできたりするのがステアリングダンパーで、速さを競うレース車両には必須のアイテムになっています。
ステアリングダンパーのメリット

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バイクにステアリングダンパーを装着すると、走行安定性を高める様々なメリットがあります。
ステアリングダンパーによるメリットは、主に次の通りです。
- ステアリングの振動(シミー現象)を防ぐ
- 操作性を安定させる
- キックバックを抑制させる
メリット1.ステアリングの振動(シミー現象)を防ぐ
走行中に発生することがある「シミー現象」を抑止し、振動を抑えてくれるのがステアリングダンパーのメリットです。
シミー現象は、ハンドルが小刻みに左右に揺れ動く現象のことで、主に低速域(時速40~60Km/h以下)で発生する低速シミー、高速域(時速100Km/h~120Km/h程度)で発生する高速シミーがあります。
シミー現象の原因は多くの場合、タイヤの空気圧が適正値になっていない場合やホイールのゆがみなど、タイヤが正常に回りにくくなっている状態が発生原因です。
装着によって、シミー現象の抑止につながる点がステアリングダンパーのメリットです。
メリット2.操作性を安定させる
ハンドルが左右に振られる道路状況で、ハンドルが必要以上に左右に動くのを抑止し、操作性を安定させるのもステアリングダンパーのメリットです。
また、路面の凹凸などによってハンドルが急に取られるような状況でも、ステアリングダンパーがあれば、ハンドルが大きく振られることがありません。
操作性を安定させ、より車体の姿勢維持を保ってくれるのが、ステアリングダンパー装着のメリットです。
メリット3.キックバックを抑制させる
ステアリングダンパーのメリットに、ハンドルが意図しない方向に激しく取られる(振れる)キックバックを抑えてくれる効果があります。
キックバックは、現在の接地面と本来の自然な接地面とにズレが出た場合、バイクが自然な位置へと修正しようとするときに起こる反動現象です。
キックバックによってハンドルが大きく取られるので、車体も振られて安定性が損なわれることがありますが、ステアリングダンパーが装着してあれば、キックバックを弱め車体の安定を保ってくれます。
ステアリングダンパーのデメリット

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ステアリングダンパー装着には、いくつかのデメリットが存在します。
主なステアリングダンパーのデメリットは以下の通りです。
- ハンドリングが重くなる
- バイクの取り回しが大変になる
- 転倒の危険性
- 定期的なメンテナンスが必要になる
デメリット1.ハンドリングが重くなる
ステアリングダンパーを装着すると、非装着時に比べるとハンドルが重くなり、ハンドルの切り返しがしにくくなる点がデメリットです。
ステアリングダンパーによってハンドルの振れが抑えられますが、動きに制限がかかるため、ハンドリングが重くなります。
デメリット2.バイクの取り回しが大変になる
ステアリングダンパーによって自由に左右にハンドルが振りづらくなるので、バイクの取り回しがしづらくなります。
切り返しが重くなるため、特に駐輪時などバイクを降りて押す場合は、移動がしづらくなる面も。
駐輪時やUターンの時などハンドルを大きく切るような状況下では、ハンドルの切れ角が減ってバイクの取り回しが大変になる点が、ステアリングダンパー装着のデメリットです。
デメリット3.転倒の危険性
ステアリングダンパーの装着によりハンドルの切れ角が減るので、Uターン時や駐輪場から出す場合などハンドルを大きく切る場面では、転倒しやすくなるデメリットがあります。
また、バイクは曲がるときに自然にハンドルが切れるセルフステアがありますが、ステアリングダンパーによってセルフステアも弱くなるため、転倒しやすくなる面も。
カーブに入る際や取り回しの際など、非装着時に比べて転倒しやすくなる点が、ステアリングダンパー装着のデメリットです。
デメリット4.定期的なメンテナンスが必要になる
ステアリングダンパーの性能を発揮させるには定期的なメンテナンスや交換が必要で、非装着時に比べる負担が増える点がデメリットです。
ステアリングダンパーの発売元である「アクティブ」では、ステアリングダンパーの交換やメンテ推奨期間は2年、または走行距離が20,000Kmとなっています。
2年か20,000Kmで交換、またはオーバーホールが必要になるため、より財布への負担が増える点がデメリットです。
ステアリングダンパーのオーバーホール費用
ステアリングダンパーのオーバーホール費用の目安は、12,000円~15,000円前後です。
オーバーホールにはオイル交換や、使用するたびに摩耗が進む部品代も含まれています。
また、バイクの走行安定性の確保やステアリングダンパーの性能を発揮させるために、サスペンションのオーバーホールも、走行距離12,000~20,000Km毎での交換が望ましいです。
サスペンション費用相場
- フロントフォーク:35,000~40,000円
- リアショック(モノ)20,000円前後、(デュアル)30,000円前後
バイクのステアリングダンパーの取り付け方法

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ステアリングダンパーの取り付け方について、順を追って解説していきます。
ステアリングダンパーを自分で装着しようと思っている方や、購入を検討している方は、次の章の「バイクのステアリングダンパーの交換費用は?」と合わせて参考にしてみてください。
手順1.カウルやタンクの取外し
まずは必要に応じてカウルやガソリンタンクなどを取り外していきます。
カウルはネジやツメで固定されているので、力を加えすぎてツメが折れないよう、慎重に取り外していきましょう。
ガソリンタンクはコックをOFFにしてから取り外しますが、火災にならないよう火気厳禁で作業を進めます。
手順2.ステアリングダンパーの取付け
ステアリングダンパーに同梱されている取り付け説明書などを参考にしながら、ステアリングダンパーをバイクに仮止め(ネジなどを本締めしない状態)していきましょう。
箱の中でステアリングダンパーは分解された状態になっているので、ステアリングダンパーを組み上げてから仮組みの作業に入ります。
手順3.動作確認と本締め
ステアリングダンパーの仮止めが終わったら、バイクのハンドルを左右に動かし、正常に動作しているか、軸がずれていないかを確認します。
問題がなければ、仮止めになっている固定ネジを本締めし、ステアリングダンパーの装着は完了です。
取り付け前に外したカウルやガソリンタンクなどを取付け、念のため様子を見ながら低速で走行し、ステアリングダンパーの動作特性を体感したり、好みや走行シーンに合わせて減衰力の調整を行ったります。
バイクのステアリングダンパーの交換費用は?

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バイクのステアリングダンパーの取り付けをショップに依頼する場合と、自分で交換や取り付ける場合の費用を解説していきます。
ショップに依頼した場合
純正でステアリングダンパーが備わっているバイクで、社外のステアリングダンパーに交換依頼した場合の費用相場は、カウル付きバイクで13,000円~20,000円前後、ネイキッドバイクで8,000円~15,000円前後です。
ステアリングダンパーが装着されていないバイクに取り付けを依頼した場合の費用相場は、カウル付きのバイクで11,000円~18,000円前後、ネイキッドで6,000円~12,000円前後になります。
自分で装着(交換)した場合
ステアリングダンパーの取り付けに必要な工具が揃っていれば、取付費用は必要ありません。
ただし、ステアリングダンパーやバイクによってはクランプが別途必要な場合もあり、その際はクランプ代が必要です。
バイクのステアリングダンパーは必要か

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ステアリングダンパーが必要かどうかは、バイクのスタイルや走行シーンによって変わります。
通勤・通学など街乗りメインの場合
バイクを通勤や通学など街乗りをメインで使っている場合は、基本的には必要ないでしょう。
ステアリングダンパーを取り付けると、ハンドルのブレが少なくなるなどのメリットがありますが、逆に切り返しがしづらくなるデメリットもあり、街乗りではデメリットの影響の方が大きいためです。
ただし、ハンドルが左右に細かく振れるシミー現象が起きやすい場合は、装着すると症状を抑えたり和らげたりできるので、装着の検討をおすすめします。
サーキットなどスポーツ走行をする場合
サーキットなどスポーツ走行をする場合は、ステアリングダンパーの取り付けがおすすめです。
motoGPマシンなどには装着されていますし、一部スポーツバイクにも標準で装着されているように、特に高速で走行するサーキットでは、ステアリングダンパーによる安定性を高める効果も大きいです。
ツーリングに行く場合
基本的にツーリング走行ではステアリングダンパーはあまり必要ありませんが、走行中にハンドルが左右取られやすかったり、シミー現象が起きやすかったりする場合は装着を検討すると良いでしょう。
駐輪時や駐輪所からバイクを出す際やUターン時など、ハンドルを大きく切る場面では、ステアリングダンパーが付いていると切り返しもしづらくなります。
よりハンドルを大きく切ることの多いツーリングでは、ステアリングダンパーが操作性を低下させるので、デメリットの方が大きいです。
バイクのおすすめステアリングダンパー

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オススメのバイク用ステアリングダンパーを2つ紹介していきます。
ステアリングダンパーの装着を検討している方は、参考にしてみてください。
HYPER PRO ステアリングダンパー 本体 RSCタイプ

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HYPER PRO (ハイパープロ)のステアリングダンパー RSCタイプは、画期的な機能を備えたステアリングダンパーです。
RSCタイプ(リアクティブセーフティコントロール)は、バイクのセルフステアが自然になるよう、通常のハンドル操作による動きには減衰力が発生せず、補助が必要なときのみ作動します。
ストローク量は75mmで、装着には車種別のステーが別途必要です。
- メーカー:HYPER PRO (ハイパープロ)
- 商品名:ステアリングダンパー RSCタイプ ダーク
- 品番:22202075
- ストローク量:75mm
- 用途:スポーツ走行、サーキット走行向け
- 価格(税込):37,979円
KN KIKAKU 汎用ステアリングダンパー ゴールド

引用元:https://bikeman.jp/products/kn-kn-sd01-gd
安価なステアリングダンパーを探している方におすすめなのが、KN KIKAKU(KN企画)「汎用ステアリングダンパー」です。
ストローク量は75mmで22段階の調整が可能、様々な車種に取り付けが可能な汎用となっています。
色は画像のゴールドの他に、「ブラック」「ブルー」「レッド」の全4色展開です。
- メーカー:KN KIKAKU(KN企画)
- 商品名:汎用ステアリングダンパー
- ストローク量:75mm
- 価格(税込):10,134円
まとめ

引用元:https://pixabay.com/ja/photos/97-3197746/
バイクのステアリングダンパーについて、仕組みやメリット・デメリットについて解説してきました。
ステアリングダンパーを取り付けると、走行時の安定感は増す一方、取り回しがしづらくなるため、Uターン時や駐輪時が難しくなる面もあります。
街乗りのみの場合は装着のメリットよりもデメリットの方が大きいですが、サーキットなどのスポーツ走行では走行安定性を高めてくれる心強いアイテムです。
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