【2021最新】バイクのABSは必要?義務化されたがメリットデメリットや仕組みを理解しよう

【2021最新】バイクのABSは必要?義務化されたがメリットデメリットや仕組みを理解しよう

ABSとは?目的と仕組みについて

出典元:https://news.bikebros.co.jp/topics/news20150122/

ABS(エービーエス)とは、急ブレーキをかけた際にタイヤがロックするのを防いでくれる「ブレーキ補助システム」のことです。

正式名称の「アンチロック・ブレーキ・システム(Anti-lock Blake System)」を略して、ABSと呼ばれています。

タイヤのロックとは、ブレーキによってタイヤの回転が止まってしまうことで、路面の摩擦力が弱い雨の日や砂地の上で起きやすい現象です。

ABSは、センサーによって前後輪の回転差などから、ロックしそうな状況の時に介入します。

ロックしそうな状況を検知すると、ブレーキに油圧を加えたり、逆に抜いたりを超高速で繰り返すことでロックを抑え、最大限の制動力が発揮できるよう調節をしてくれる仕組みです。

バイクは特にフロントタイヤがロックしてしまうと即転倒の危険性が高まりますが、ABSはタイヤがロックするのを抑え、スリップや転倒の危険性を回避してくれます。

 

ABSのようなシステム

ABSに似たシステムに、CBSというものがあります。

CBSとは「コンバインド・ブレーキ・システム」の略で、前後どちらかのブレーキを感知し、もう片方のブレーキを補助して制動するシステムのことです。

片方だけブレーキをかけても、もう片方をCBSが補助してかけてくれるので、前後輪同時にブレーキをかけるのが得意でない方でもバランスよくブレーキをかけることができます。

CBSの方がABSよりも歴史が古く、ホンダが1976年にレーシングマシンに搭載したのが始まりとされていますが、ABSに比べて構造もシンプルなことから、原付などの小排気量車に採用されることが多いです。

 

ヨーロッパでは完全義務化

ヨーロッパでは2016年よりバイクにABSかCBSの装着が義務化されており、装着されていない新車は販売ができません。

ABS義務化以前の2011年だけでもヨーロッパで約5,000人の人がバイクで命を落としており、バイク事故で亡くなる人を少しでも減らそうという流れからABSが義務化されました。

50ccなどの小排気量車ではABSかCBSが、中型以上のモデルではABSの装着が義務化されています。

 

ABSのメリット4選

出典元:https://www.honda.co.jp/NC750X/design/

ABSのメリットには主に、

  1. タイヤのロックを防いでくれる
  2. ライディングに集中できる
  3. 路面状況に関わらず安定して停車できる
  4. ブレーキが苦手でもうまく補助してくれる

があります。

順番に見ていきましょう。

 

メリット1.タイヤのロックを防いでくれる

ABSがあることで、急ブレーキングをかけてもロックせずに安定して停車させることができます。

市街地走行などでは道路の脇から子供が飛び出してくることもあるでしょう。

そのような場合に慌ててブレーキを強くかけるパニックブレーキになりやすいですが、そのような緊急時においてもタイヤをロックさせずに制動させることができます。

 

メリット2.ライディングに集中できる

ブレーキをしっかり補助してくれるという安心感から、ライディングに集中ができます。

ABSはライダーを補助するシステムなので過信はいけませんが、ブレーキを補助してくれるのは精神的にも大きいでしょう。

 

メリット3.路面状況に関わらず安定して停車できる

ABSがあることで、路面に影響されずに安定した制動力を発揮できます。

ハイドロプレーニング現象が起きるような滑りやすい路面でも、ABSがあることで姿勢を維持したまま停車できるので、路面状況にとらわれない面もABSメリットです。

ただし、ABSはあくまでもライダーの補助システムですので、万能ではないという点は留意しておく必要があります。

 

メリット4.ブレーキが苦手でもうまく補助してくれる

急ブレーキをかけてもタイヤがロックしないので、ブレーキが苦手な方でも安心してブレーキをかけることができるでしょう。

ブレーキをうまく補助してくれるという安心感もABSのメリットです。

 

ABSのデメリット4選

出典元:https://pixabay.com/ja/photos/ae-6682205/

ABSのメリットの次は、デメリットについても見ておきましょう。

デメリットは

  1. バイクの価格が高くなる
  2. 車重が重くなる
  3. 修理費用が高く付く
  4. 走行環境によっては介入が邪魔になる

が挙げられます。

順番に見ていきましょう。

 

デメリット1.バイクの価格が高くなる

ABSが装着されることのデメリットとして、バイクの車両価格が高くなる点があります。

ABSのあり、なしでモデル展開されていたバイクでは、価格が3万から5万ほどABS付きの方が高くなっていました。安全装備としては優秀ですが、ABSの費用がバイク本体価格に上乗せとなるので、バイクの価格が高くなります。

2021年11月現在、ABSの装着がないバイクは新車販売ができないので、ABS非装着だったバイクは価格も上がるモデルが多いでしょう。

 

デメリット2.車重が重くなる

ABSが装着される分、車重も重くなってしまうのもデメリットでしょう。技術が進歩していることで、最近のABSは小型で軽量化されていますが、それでも車重の増加が2、3キロほど増量です。

古い年式のバイクでは、ABSの装着により10キロ以上の増加となっているものもあり、重量の増加によって加速が鈍ったり、コーナーでの切り返しが重くなったりします。

重量の増加が避けられないのもABSのデメリットです。

 

デメリット3.部品点数が増えることで故障率が上がる

バイクは数多くの部品で構成されていますが、部品点数が多くなればなるほど、故障率も上がる傾向にあります。ABSを搭載するとその分部品点数も増えることから、故障率も上がるでしょう。

理屈の上では故障率は上がりますが、国産メーカーの場合は品質管理がしっかりなされていることも多く、比較的故障しにくい傾向ではあります。

 

デメリット4.走行環境によっては介入が邪魔になる

サーキット走行やジムカーナ競技など、限られた環境での走行時となりますが、深くバンクしているとき(車体が傾いている時)に発生する前後輪の回転差を誤判断し、ABSが介入してしまうことがあります。

街乗りでは急な飛び出しに対応できるなど役立つシーンが多々ありますが、スポーツ走行ではABSがかえって邪魔になることがある点もデメリットと言えるでしょう。

 

バイクのABSは必要なの?不要なの?「助かった」という人も

出典元:https://pixabay.com/ja/photos/b7-1829461/

バイクにABSは必要か不要かという話題もたまに見かけますが、必要と言えるのではないでしょうか。

市街地の走行やツーリングなどでは、人が飛び出してきたり物が落ちていたりすることがあり、時に予測不能なことも起きます。

突然の事態ではパニックブレーキになりやすく、フロントタイヤをロックさせると即転倒の危険性もあるので、ABSがあると緊急時の危険性も軽減するでしょう。

 

ABSで助けられた、無しには戻れないという声も

実際にABS付きのバイクに乗っている方の感想として、ABSの介入によってサーキットや峠で何度も助けられたという方や、カーブを曲がりきれないような状況でABSによって安全に停車できた、などの声があります。

 

逆にABSが不要という方の声では、ABSを作動させるとガクガク挙動が現れる、というのがあります。

ガクガクすることでライダーの姿勢も乱れやすく、転倒の危険性があるとも言われていましたが、現在のABSでは技術の進歩により作動も滑らかです。

雨上がりなどで濡れている路面と乾いた路面がある場合、ABSがないと探りながらのブレーキングとなりますが、ABSがあれば路面に関係なくブレーキングできます。

これらのことから、ブレーキをあえてロックさせてパフォーマンスするエクストリーム系などを除き、ABSはあったほうが良いでしょう。

 

バイクのABSは2018年10月~標準装備が義務化に

出典元:https://pixabay.com/ja/photos/88-1001872/

2018年10月1日より、新たなモデルとして販売される車種(マイナーチェンジ、モデルチェンジ含む)はABSまたは、CBS(小排気量車)の装着が義務化されました。

2018年10月以降にニューモデルとして登場したバイクにはABSが標準装備となっているため、ABS付きバイクがほしい方は販売年も考慮しながら、気に入ったモデルを選ぶと良いでしょう。

ヨーロッパでは2016年からABSが義務化されていましたが、日本でも同じ流れになっています。

 

2021年10月より全ての車種で義務化

2021年10月1日からは、新車販売される全ての車種でABSまたはCBSの装着が義務化され、どちらかが付いていない新車は販売できません。

2018年10月以前から販売され続けているモデルに関しては、ABSの義務化の枠から外されていました。

しかし、新車として販売される全ての車種でABSまたはCBSの装着が義務化されたことから、安全性で先進と言われる欧州の基準に並んだことになります。

 

バイクのABS付いているかどうか見分け方・確認する方法は?

出典元:https://www.8190.jp/bikelifelab/useful/supplies/200916/

バイクのABS付いているかどうかの判断は、ブレーキキャリパー周辺にパルスセンサーかコードがあるかどうかで判断できます。

パルスセンサーとは、ブレーキキャリパー周辺にある円形状のパーツで、ディスクローターの内側に付いている事が多いです。コードは、キャリパーにつながる形で接続されているので分かりやすいでしょう。

また、イグニッションをONにした際、ABS搭載モデルならメーターパネルにABSの確認ランプが付くので、そこからも確認できます。

同じ車種であっても、外観上ではABSあり、なしモデルの違いはほとんどありません。

 

バイクのABSは後付けできる?

出典元:https://motorz.jp/race/bike/101136/

ABS化できるキットの販売もされていますので、バイクのABSは一応後付けできますが、メーカーが搭載しているABSには及びません。

市販されているABS化キットは、急ブレーキの際にブレーキの油圧を逃がすだけの簡単な仕組みとなっています。

対してメーカー搭載のABSは、センサーを通じて瞬時に路面状況分析をし、エンジン回転数を抑制したり、タイヤのロックを防いだりと状況に合わせた的確な介入をするABSです。

同じようなシステムは販売されていませんし、ワンオフで制作するにしても、センサーやセンサーを元に命令を送るコントロールユニットなど電子工学部分の制作は厳しいでしょう。

 

バイクのABSは不要?解除で誤作動する可能性は?

出典元:https://pixabay.com/ja/photos/88-1620027/

バイクのABSは、ABSのヒューズを抜きセンサーにつながっている配線を外すことで強制的に解除できます。

ABSが搭載された頃のABSは、今ほど性能が良くなかったため意図的に外す方もいましたが、現在ではセンサーからの情報をECUが分析し、的確に路面状況判断をするなど性能も上がってきました。

ECUに伝わる情報を元にABSが制御されるので、ABSを解除することでバイクに異常が出ているとECUが判断し、他の機能にも影響が出る場合があります。

場合によっては故障と判断され、エンジンチェックの警告灯が点灯しっぱなしになることもあるため、ABSが不要な場合はABSが搭載されていないモデルを求めると良いでしょう。

ただし、2021年10月以降に販売される新車は、ABS(またはCBS)が搭載されていないと販売できなくなったので、新車で求めることができなくなっています。

 

ABSが前輪のみ付いているバイクがあるの?

出典元:https://www.honda.co.jp/PCX/type/

ホンダのPCX150は、前輪だけにABSが搭載されています。

リアブレーキがワイヤー式のドラムブレーキとなっているため、ABS化がコストの面でも難しいということから前輪だけABSとなっているようです。2021年に登場した4代目PCX(PCX160)は排気量も160ccとなり、前後輪ともにディスクブレーキとなっています。

 

まとめ

出典元:https://pixabay.com/ja/photos/88-5272906/

2021年10月以降販売される新車バイクにはABSかCBSの装着が義務化され、ABS非搭載モデルは存在しなくなっています。

ABSが登場した頃は制動も怪しく、ガクガクした挙動が出ることからABSを解除して乗る方もいました。

現在では、ECUを介してABSを制御するなど性能も向上し、街中走行からサーキット走行まで、ABS無しでバイクに乗るのは厳しいと言われるほどになっています。

ABSも進化しているので、ABSにあまり介入してほしくないという方は、より進化したABSが搭載される最新モデルに乗るようにすると良いでしょう。

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