バイクのスロットルの意味は?構造や仕組み、操作方法からメンテナンス方法まですべて解説!

バイクのスロットルとは?用語の意味を簡単に解説
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バイクのスロットルとは、エンジンの出力をコントロールする機構のことで、バイクでは一般的にアクセルを指します。
アクセルを開ける量に連動してエンジンに送る混合気(空気と燃料の混合)の量も変化し、混合気の量によってエンジン出力をコントロールしているのがスロットルです。
バイクスロットルの構造と仕組み
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バイクのスロットルの構造と仕組みについて解説していきますが、バイクはアクセルがスロットルの役割を担っていますので、アクセル=スロットルということで解説していきます。
スロットルには機械式と電子式がある
スロットルには、アクセルの開閉量に応じて弁の開閉が行われる「機械式スロットル(ワイヤー式)」と、アクセルの開閉量を元に、コンピューターが弁の開閉量を決める「電子式スロットル」があります。
機械式はアクセルから伸びるスロットルワイヤーが、キャブレターのスロットルバルブを動かし、エンジンに送る混合気の量を調整する仕組みです。
電子式はアクセルの開閉に応じ、コンピューター(ECU)がインジェクションからエンジンに供給する混合気量を制御しており、スロットルワイヤーの中を通る電気信号を元に制御が働いているので、「スロットル・バイ・ワイヤー」とも呼ばれています。
バイクのスロットル操作はカーブの走行時に使う
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バイクを安定して走らせるには、スロットルワーク(アクセルワーク)が重要となってきます。
特に、カーブで車体が安定するかどうかはスロットルワークによって左右され、カーブに進入する際と旋回、立ち上がりにおいてスロットルを閉じたり開けたりするタイミングが肝です。
スロットルを開けるタイミング
カーブに進入する際はスロットルを閉じ、カーブに合わせてブレーキで速度調整を行って車体を倒し込んでいきますが、旋回に入りバンクさせた車体が安定したらアクセルを開けていきます。
より深いカーブ(角度のきついカーブ)では、進入からアクセルを開けるまでのタイミングが遅くなり、逆に浅いカーブならアクセルを開けるタイミングも早くなりますが、一気にアクセルを開けるとスライドが発生し危険です。
また、バンク中にはスロットルを微妙に開けて、加速も減速もしない「パーシャル状態」を維持することで、コーナリング中の安定感を高めるテクニック「パーシャルスロットル」もあります。
スロットルを閉じるタイミング
スロットルを閉じるタイミングはカーブに新入する手前で、カーブに合わせた速度調整を行うときです。
スロットルを閉じ、エンジンブレーキを効かせつつ、MT車ならシフトダウンとブレーキを、AT車ならブレーキを掛けカーブにアプローチしていきます。
車種によっては一気にアクセルを閉じるとエンジンブレーキが強くかかり、失速しすぎたり安定性が失われたりすることもあるので、自分のバイクの特性をつかんでおくと良いでしょう。
ハイスロットルとロースロットルについて
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バイクのスロットルには標準的なスロットルのほかに、ハイスロットル(ハイスロ)と、ロースロットルがあります。
これらのスロットルは標準に比べ、バイクのスロットル操作性が変わるものですが、ハイスロとロースロットルとはどのようなものなのでしょうか。
ハイスロットルとロースロットルの違い
ハイスロットルは、スロットルの開閉角度を狭くして、アクセルを握り直さなくても全開にできるスロットルのことです。
標準的なスロットルは全開にする際、アクセルを握り直さないと全開が難しいですが、ハイスロにすることで手首をひねるだけで全開にできるため、主に全開走行の多いサーキットで効果を発揮します。
ロースロットルとは、開閉角度が広くなるスロットルのことで、全開にするには標準に比べ、より大きくアクセルを回す必要があるスロットルです。
それぞれのメリット・デメリットについて
ハイスロットルのメリットは、「アクセルを持ち変えることなくアクセルが全開にできる点」で、逆にデメリットは「アクセルのコントロールがシビアになる」、「アクセル開閉が重くなる点」です。
ロースロットルのメリットは、開閉角度が広くなるので「アクセルコントロールがしやすくなる」、「アクセル開閉が軽くなる点」で、デメリットは「アクセルをより大きく回さないと全開にできない点」になります。
ハイスロットルとロースロットルの選び方は?
ハイスロットルとロースロットルの選び方は、それぞれの特徴とメリット・デメリットを考慮して選ぶ必要があります。
少ない動作量でアクセルを全開にしたい場合や、サーキット走行をメインに使うバイクの場合はハイスロットルがおすすめですし、逆にハイパワー車をもう少しコントロールしやすくしたい、アクセルを軽くしたい場合はロースロットルがおすすめです。
まずは、自分のバイクのスロットルをどのように扱いたいかを明確にすることで、どちらを選ぶかも決まってくるでしょう。
バイクのスロットルが戻らない原因と対処法
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乗らずに保管していたバイクや、転倒などで衝撃を与えたバイクに起こりがちなのが、スロットルが戻らないという症状です。
バイクのスロットルが戻らない原因とその対処法について、主なものをまとめてありますので、症状に見舞われたらぜひ参考にしてみてください。
グリップカラーの干渉
バイクのスロットルが戻らなくなった原因の一つに、グリップカラーの干渉がありますが、グリップカラーとはアクセルバーの中に入っているプラスチックのパーツのことです。
転倒などでハンドル周辺に衝撃を受けると、グリップカラーが変形や破損することがあり、変形することでアクセルに干渉し戻らなくなることがあります。
対処方法としては新品のグリップカラーに交換するか、破損や変形が軽微な場合は、干渉している部分を削るなどして干渉を避けることで直りますが、一度変形や破損したものは耐久性も考慮し、新品への交換が望ましいです。
グリップラバーの干渉
グリップラバーとは、アクセルとなっているラバー製の握る部分のことで、ラバーがバーエンドなど周辺のパーツに干渉することで、スロットル動作に不調が出ます。
干渉しているラバーを削ることで干渉が避けられますが、新しいグリップラバーに交換した際は最後までしっかり入っていないこともありますので、収まっているかも確認をしてみましょう。
アクセルワイヤーの傷
アクセルワイヤーは、アクセルからキャブレターに向かって伸びているワイヤーで、ワイヤーの中にインナーワイヤーが通っていますが、外部のワイヤーに傷がつくことでインナーワイヤーが干渉し動作不良になることがあります。
傷の状態によっては直せることもありますが、バイクを走らせている間は常に動作しているパーツですので、新品へ交換をするようにしましょう。
アクセルワイヤーの錆び
アクセルワイヤーに錆が発生することで、インナーワイヤーと干渉したり、固着したりしてスロットルが戻らない、または開けることができない症状になります。
アクセルワイヤー内に潤滑剤を吹き、インナーワイヤーを動かすことで動作不良が直ることがありますが、錆がひどい場合は新品に交換しましょう。
アクセルワイヤーの調節不良
アクセルワイヤーの取り回しなど調整不良により、スロットルが戻らない、重くなるなどの症状になることがあります。
アクセルワイヤーを交換した後、スロットルが戻らないなどの症状になった場合は、元々取り付けられた取り回しになっているか、ねじれなど起きていないかの確認を行いましょう。
二本でアクセルワイヤーが構成されているモデルの場合、キャブレター側で調整が行なえますので、引っ張りすぎない程度にわずかに遊びを持たせて調整します。
キャブレターの汚れによる固着
キャブレターに汚れが溜まることで、スロットルの可動部分で固着が起こり、スロットルが重くなったり戻らなくなったりする症状が出ることがあります。
固着している部分をキャブレタークリーナーなどで洗浄を行うか、汚れが酷かったり、乗っていない期間が長かったりして異変が起こっている場合は、キャブレターを外しての分解洗浄が必要です。
分解洗浄は、元に戻した後の調整も必要になるので、信頼のおけるバイクショップに依頼すると良いでしょう。
バイクのスロットルに関するFAQ
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こちらの項では、バイクのスロットに関するよくある疑問・質問と、その回答をまとめてあります。
バイクのスロットルとアクセルの違いは?
バイクのスロットルとは一般的にアクセルを指すことが多く、アクセルがスロットルの役割を担っているので、スロットルとアクセルは同じと捉えて問題ありません。
スロットルは、スロットルバルブが開閉することでエンジンへの混合気の量を調整し、エンジンの出力をコントロールする機構です。
アクセルを開ける量に比例しスロットルバルブも開いていくので、アクセルがスロットバルブを制御している(アクセル=スロットル)と言えます。
スロットル・バイ・ワイヤーの仕組みって?
スロットル・バイ・ワイヤーは、インジェクション搭載のバイクに付くスロットルで、アクセルの開閉をコンピューター(ECU)が感知し、最適な混合気の量をエンジンに供給する仕組みです。
アクセルワイヤーの中を通る電気信号が、アクセルの開閉状況をECUに伝え、ECUがエンジン回転数やタイヤの回転状況などを考慮し、インジェクションへの混合気量を制御しています。
常に最適な混合気の調整を行ってくれるので、アクセルワイヤーで機械的に動作するスロットルに比べ、スリップなどで不意にアクセルを開けた際の安定性や、燃費性能が高いです。
スロットル・バイ・ワイヤーのデメリットは?
スロットル・バイ・ワイヤーのデメリットは、スロットルが電子制御されているため、機械的なスロットルに親しんできた方は、違和感を覚えることがあります。
また、ウイリーやバーンナウト(後輪の空転)などを行おうとして急激にパワーを出そうとしても、ECUなどの干渉により制御されてしまうので、思い通りの操作ができないことがあるのもデメリットです。
電子スロットル化のメリットは?
バイクのスロットルを電子制御するメリットは、燃費性能の向上と、安定した走行性です。
常に最適な混合気をエンジンに供給するので、燃費性能が高くなり、不意にアクセルを開けた際も制御が作動し、挙動変化を抑えてくれます。
<h3電子スロットル化のデメリットは?>
電子スロットル化のデメリットは、費用が高くつくことと、電子制御に故障など不具合が発生した場合、走行不能となることがある点です。
電子スロットル化には電気信号が通るアクセルワイヤーや、制御するECUが必要となるため費用が高くなりますし、ECUなどの故障でスロットルが作動しなくなり、走行できなくなる状態も起こり得ます。
バイクのスロットルは日頃のメンテナンスが重要
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バイクのスロットルは、日頃のメンテナンスを行うことで、トラブルを避けられることも多いです。
不調の発見もしやすくなりますし、異変に早く気づけることで、症状が大事になる前に対応することもできます。
アクセルの動きが悪い、以前よりアクセルが重くなった気がするなど違和感を覚えた場合は、早めに原因を特定し改善するか、信頼のおけるバイクショップなどに点検・修理の依頼を行うと良いでしょう。
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