イリジウムプラグと普通のプラグの違いや特徴!旧車・キャブ車には効果ない?

イリジウムプラグと普通のプラグの違いや特徴!旧車・キャブ車には効果ない?

イリジウムプラグとは

引用元:https://pixabay.com/ja/photos/b3-4497320/

スパークプラグ(プラグ)は、エンジン内に送り込まれた混合気を爆発に導く、着火が役割のパーツですが、ニッケル合金を使った一般的なレジスタープラグのほかに、イリジウムプラグがあります。

イリジウムプラグは、火花を飛ばす電極にイリジウム合金が使われているためイリジウムプラグと呼ばれますが、どんな効果や特徴があるのでしょうか。

イリジウムプラグの効果と特徴

イリジウムプラグの効果は、以下のようなものが挙げられます。

1. 燃焼効率が良い
2. エンジン性能を引き出す
3. 中~高回転域での優れた加速性能
4. 安定した着火性能
5. 高いエンジン始動性
6. カーボンの影響を受けにくい

それぞれ効果を詳しく見ていきましょう。

効果1:燃焼効率が良い

イリジウムプラグは電極を細くして、火花が飛びやすく分散しないよう加工されているので、効率的な燃焼を生み出してくれます。
着火後の火種の成長を邪魔しないので炎の広がりも速く、混合気をしっかり燃焼させることができるのです。

効果2:エンジン性能を引き出す

イリジウムプラグは効率的な燃焼を生み出すので、エンジン性能を引き出してくれます。
一般的なレジスタープラグに比べ、効率のよい着火性能で混合気をより燃焼させてくれるので、爆発の威力も大きくなり、エンジン性能を引き出す効果が期待できるでしょう。

効果3:中~高回転域での優れた加速性能

低回転域ではトルク感の向上、エンジンの中~高回転域での優れた加速性能が得られます。
イリジウムプラグの効率の良い着火性能により、燃焼の広がりが速く力強い爆発力を生み出してくれるので、加速がスムーズです。

効果4:安定した着火性能

安定して混合気に火花を飛ばせる高い着火性能も、イリジウムプラグの持つ効果のひとつです。
中心電極を極細にしてテーパー加工などを用いることで、火花が飛び散らず、ロスの少ない集中的な着火が実現できます。

効果5:カーボンなどの影響を受けにくい

イリジウムプラグには、電極部のカーボンを焼き切る効果もあります。
電極部にカーボンなどが付着しても、微小放電によって焼き切ることが可能です。

イリジウムプラグの特徴

イリジウムプラグの特徴は、「火花の飛びが良い」「耐久性が高い」です。
イリジウムを使って中心電極を限りなく細くしてあり、火花が周囲に飛び散りにくくなっています。
一般的なレジスタープラグに比べ、イリジウムの融点が高いことにより耐久性や腐食耐性も高いです。

イリジウムプラグのメリット

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イリジウムプラグを使うメリットは以下の通りです。

1. 着火性能が高い
2. エンジン性能を引き出す
3. プラグの耐久性が高い
4. 燃費性能の向上
5. くすぶりに強い

メリットを順番に見ていきましょう。

メリット1.着火性能が高い

イリジウムプラグは、混合気への着火性能が高いです。
電極が極細に加工されているので、混合気により無駄なく集中的に着火でき、電極先端部の面積が小さいことから、着火後に火が消える冷却効果も抑えられます。

火が維持されることでより大きな炎に成長するので、着火性能の高さはメリットです。

メリット2.プラグの耐久性が高い

電極部に融点の高いイリジウムが使用されているので、耐久性も高いです。
プラグはエンジン内部の混合気に点火するのが役目のため、高い圧力と高温にさらされ続けていますが、融点が高いとそれだけ熱に対して強く、より安定して長い期間性能を出し続けられます。

メリット3.エンジン性能を引き出す

イリジウムプラグの持つ効率的な着火性能の高さにより、エンジンの性能を引き出してくれます。
炎の成長を邪魔しないのでより大きな爆発力を生み出し、特に中~高速回転域での加速性能の向上など、エンジン性能を引き出すのがメリットです。

メリット4.燃費性能の向上

燃焼効率が良いことで、燃費性能の向上にも直結します。
燃費はアクセルの開ける量と時間に比例しますが、燃焼効率が良いとより多くアクセルを開けずとも加速するようになり、燃費性能も上がるのです。

メリット5.くすぶりに強い

プラグの電極部はエンジンの燃焼室にあるので、爆発によって発生するカーボンなどの燃焼残留物が付着しやすいです。
イリジウムプラグは、微小放電によって絶縁体内部に付いたカーボンを焼き切ることができるので、着火性能が維持できます。

カーボンは低速走行を長時間行うことで発生・付着しやすくなるので、カーボンが付着しやすい通勤や通学など日常乗りをメインにしている方にとっては、より高いメリットです。

イリジウムプラグのデメリット

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イリジウムプラグのデメリットは主に次の点です。

1. メンテナンス性
2. 他のプラグより価格が高い
3. 燃調が必要なことがある

順番に解説していきます。

メリット1.メンテナンス性

イリジウムプラグは他のプラグに比べ、メンテナンスが難しい面がデメリットです。
電極部が湿っていたり、カーボンなどススの付着が多かったりする場合、性能を維持するために掃除が必要となります。

しかし、イリジウムプラグの電極は極細になっており、レジスタープラグのようにワイヤーブラシでゴシゴシ磨くと最悪破損となるため、メンテナンスが難しいです。

メリット2.純正プラグより価格が高い

イリジウムプラグは、純正で使われるレジスタープラグに比べ、価格が高いです。
価格差はおおむね倍程度イリジウムプラグの方が高価な上、バイクのイリジウムプラグの場合は、レジスタープラグと交換サイクルも、3,000Km~5,000Km目安と変わりません。

燃費を気にする方も増える中、距離あたりにかかるランニングコストも上がるため、純正プラグより価格が高いのもデメリットです。

メリット3.燃調が必要なことがある

イリジウムプラグは燃焼効率が上がるため、燃調(燃料調節)が必要になる車種もあります。
燃焼効率が上がることで、より薄い燃料でも良くなるため、燃調を取らないままだと燃料が濃すぎてかぶりの原因となることも。

インジェクションのバイクでは比較的起きにくいですが、キャブ車では燃調が必要になることもあり、車種によってはプラグ交換だけでは済まなくなる可能性がある点も、デメリットと言えるでしょう。

イリジウムプラグと通常プラグの違い

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イリジウムプラグと、一般的なレジスタープラグの違いは、中心電極に使用している金属が違う点です。
イリジウムプラグは中心電極にイリジウム合金を、メーカー純正などで用いられる一般的なレジスタープラグでは、ニッケル合金が使われています。

電極に使う素材の融点が違う

イリジウムの融点(個体が液体になり始める温度)は2,446℃なのに対し、レジスタープラグに使われるニッケルは、融点が1,455℃と約1,000℃もの開きがあります。

このイリジウムの持つ融点の高さにより、より強い爆発にも耐えることができ、燃焼効率に有利な細い電極に加工できるのです。

ほかにも、プラチナ合金を使ったプラチナプラグ(白金プラグ)もありますが、プラチナの融点は1,769℃と、イリジウムとニッケルの間に位置しています。

燃焼の広がる速さ・燃焼効率が違う

イリジウムプラグは一般的なレジスタープラグに比べ、より無駄なく火花を混合気に飛ばして点火できます。
無駄の少ない点火(スパーク)によって安定した火種を生み出せるので、着火後の燃焼が広がって行く速さも違います。

同じ時間軸で、イリジウムプラグとレジスタープラグの点火からの流れを見た場合、イリジウムプラグはより多くの混合気を燃やすことができるので、イリジウムプラグは燃焼効率が良いです。

イリジウムプラグは旧車・キャブ車に効果が無い?

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イリジウムプラグは、旧車やキャブレーター車(キャブ車)に使うと効果がないと言われることがありますが、結論から言うと「車種や使い方による」です。

全てのキャブ車とは言えませんが、キャブ車であってもイリジウムプラグの持つ優れた効果を得られますし、相性が悪いように思えても、燃調を行うことで問題なく乗れるようになることもあります。

かぶる場合は燃調が必要

イリジウムプラグがかぶってしまう場合、混合気が濃すぎて起きていることが多いので、薄くするなど燃調をすることで対応できる場合があります。
プラグがかぶった場合は、一度取り外して掃除するか、新品への交換が望ましいです。

イリジウムプラグに関するFAQ

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こちらの項では、イリジウムプラグについてよくある質問をまとめてあります。
イリジウムプラグの使用を考えている方、実際に使われている方は今後の参考にしてみてください。

イリジウムプラグはかぶりやすい?

「イリジウムプラグに交換するとかぶってしまった」と言われることもありますが、濃いガソリンのままの燃料調整(燃調)になっていると、車種によってはまれにかぶることがあります。

特に2ストエンジンではかぶりやすいとされているので、もしイリジウムプラグを使用してかぶってしまったら、同時に燃調も行う必要がありますが、インジェクション搭載車では比較的かぶり問題が起きにくいです。

イリジウムプラグのメンテナンスは?

イリジウムプラグのメンテナンスは、取り外して焼け具合や摩耗、中心電極周辺がススなどで覆われていないかを確認します。

焼け具合は、適切な状態だとこんがりきつね色で、白くなっている場合は焼けすぎ、電極周辺が湿っぽくなっている場合は、燃料が濃い状態でかぶりの原因となりますので、掃除または交換が必要です。

イリジウムプラグの掃除は、イリジウムプラグは電極部が精密なので、ワイヤーブラシで掃除すると破損の原因になりますので、プラグクリーナーを用いるか交換が望ましいでしょう。

イリジウムプラグの寿命は?

2輪用イリジウムプラグの寿命は、一般的に走行距離3,000Km~5,000Kmとされていますが、乗り方によっても変わってきます。

夏場にエンジンをガンガン回してバイクに乗るなら3,000Kmを目安、通勤・通学など日常の足として乗っている場合や、ツーリングなどをメインで乗っている場合は、5,000Kmでの交換が目安です。
また、乗っていない期間が1年以上ある場合も、乗る前に新品に交換をしてから乗ると良いでしょう。

イリジウムプラグはNGKとデンソーどっちがいい?

プラグの販売元にNGKとデンソーがあり、「どちらが優れているか」と議論されることもありますが、どちらを選ぶかについては好みの問題です。

電極が精細になっている方がより強力な電界強度を生み出し、MGKよりもデンソーの方がより電極が精細になってはいますが、公道走行ではその差を体感できるレベルではないので、好みによって選ぶと良いでしょう。

まとめ

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イリジウムプラグについて、「イリジウムプラグとはどんなプラグなのか」が分かるよう、効果や特徴、メリット・デメリットを中心に、イリジウムプラグに関するFAQまで解説してきました。
電極にイリジウムを使ったイリジウムプラグを使うことで、燃焼効率やエンジン始動性が良くなる、エンジンパワーを引き出すなどの効果が期待できます。

カーボンなどによるくすぶりにも強いのが特徴で、高寿命・高耐久性も備えた優れたプラグですが、使用状況によっては極々まれに「かぶる」症状が出ることもありますので、その際は適切な調整が必要です。

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