BMWのおすすめバイク車種・シリーズは?名前の由来やエンブレムなど歴史も徹底解説

BMWのおすすめバイク車種・シリーズは?名前の由来やエンブレムなど歴史も徹底解説

実は車よりバイクが先!BMWの歴史

 

ドイツのBMWはプレミアムブランドとして知られていますが、世間ではバイクよりも車の方が、知名度が高いかもしれません。

しかし、BMWの歴史を見ると車よりバイクの方が長い歴史があり、現在でもSSからストリートファイター、アドベンチャーにスクーターと幅広いラインナップがあります。

BMWの歴史

BMWの前身は、1913年にドイツで創業された「ラップ原動機製造所(Rapp-Motorenwerke GmbH)」で、バイエルン州のミュンヘンに工場を置いて航空機のエンジンを製造し、ドイツ帝国空軍に納入していました。

航空機エンジン納入先のひとつであった「グスタフ・オットー社」が1917年にバイエルン航空機工業へと社名変更、ラップ社も1917年に社名を「バイエリッシェ・モトーレン・ヴェルケ(Bayerische Motoren Werke GmbH)」に変更、2社がBMWの元となります。

第一次世界大戦の終戦を機に、航空機の製造を禁止されたことにより、1923年には航空機エンジン製造で培った技術を用いて、BMW第1号のバイクとなる「R32」の生産・販売を開始、バイクの歴史がスタートしました。

BMWは略称

BMWは略称で、正式名称は「バイエリッシェ・モトーレン・ヴェルケ(Bayerische Motoren Werke AG)」で、訳すとバイエルン発動機製造株式会社になります。

AGはドイツの株式会社に当たり、エンジンのことを日本語では発動機と呼ぶので、バイエルン・エンジン製造株式会社がBMWの正式名称です。

日本のヤマハ発動機株式会社も、BMWと同様にエンジン製造にまつわる社名になっています。

BMWのエンブレムの由来

BMWのエンブレムの由来は、BMWの前身となる「ラップ原動機製造所」と、BMWがあるバイエルン州の州旗がモチーフになっています。

エンブレム中心部の青と白が航空機のプロペラをイメージしている、という解釈がありますが誤りです。

1929年にBMWが出した広告で、航空機のプロペラに見立て、BMWのエンブレムが充てがわれていたことから、BMWのエンブレムはプロペラがモチーフになっているとの解釈が生まれ、その解釈が現在に至るまで残っています。

BMWのバイクの種類・シリーズ一覧

 

BMWのバイクで車種に当たるのが「シリーズ」と呼ばれるカテゴリーで、2023年3月現在は、6つのシリーズがラインナップされています。

各モデルの頭文字がシリーズを表しており、各シリーズの特徴は次の通りです。

Kシリーズ

滑らかな走行をすることから「シルキーシックス」の愛称で呼ばれる、並列6気筒エンジンを搭載した大型モデルです。
走行安定感の高いクルーザータイプで、ロングツーリングなどクルージングが快適になるような装備が施された、高級路線シリーズになっています。

Rシリーズ

BMW伝統のエンジン「水平対向2気筒」(通称:ボクサーエンジン)を搭載するシリーズです。

アドベンチャーやネイキッドモデルが多く、BMWモデルの中で特に走行安定性の高いモデルがラインナップされています。

Fシリーズ

Fシリーズは、扱いやすい「並列2気筒エンジン」を搭載したモデルがラインナップされています。

ネイキッドモデルがメインで、BMWのラインナップの中でミドルクラスに位置する、排気量1,000cc未満のモデルが占めるシリーズです。

Gシリーズ

Gシリーズは、BMWにしては珍しく中型免許で乗れるエントリークラスになっています。

2023年3月現在では、ネイキッドのG310と、アドベンチャータイプのG310 GSがラインナップされており、中型免許を取得したばかりの方でも気軽に乗れるシリーズです。

Cシリーズ

スクータータイプがCシリーズで、BMWではUrban Mobility(アーバン・モビリティ)と呼ばれているジャンルです。

市街地走行に映えるデザインや最新技術が盛り込まれたモデルも多く、先進の電動スクーターもラインナップされています。

Sシリーズ

レースで勝つために先進技術の粋を結集させた、4気筒エンジンを搭載するスポーツモデルが属するのがSシリーズです。

主なモデルにフルカウルスポーツのS1000RRがあり、さらに上位にはカーボンや装備の充実化が図られたMシリーズのM1000RR、ネイキッドモデルのM1000Rがあります。

BMWの代表的なおすすめモデル

 

BMWの2023年3月現在のラインナップの中から、代表的な7モデルを紹介します。

気になったモデルがあったら、ぜひ実車をチェックしてみてください。

1.上級ラグジュアリーモデル K1600GTL

 

ロングツーリングや、ゆったりと走るクルージングをとことん楽しみたい方におすすめなのが「K1600GTL」。

滑らかに回転することから「シルキーシックス」との愛称で呼ばれる、BMW伝統の水冷4スト直列6気筒エンジンを搭載した、大型ツアラーモデルです。

とことん長距離走行での疲労軽減を図られた、ゆったりしたシートポジションに、パッセンジャーシートにも背もたれがあります。

スピーカーが搭載されたトップケースが標準装備で、2017年モデルからはリバースアシストも装備され、より快適性が高められました。

• 全長×全幅×全高(mm):2,489×1,000×1,469
• 車重:358kg
• エンジン型式:水冷4スト直列6気筒
• 総排気量:1,649cc
• 最高出力:160.5ps
• 最大トルク:180N・m
• 新車販売価格(税込):3,613,000円 ~

2.先進技術を惜しみなく投入 S1000RR

 

サーキットなどのスポーツ走行をする方や、前傾ポジションのレーサータイプのバイクが欲しい方におすすめなのが「S1000RR」です。

S1000RRはレースで勝つことを目的に、2009年より販売開始されたフルカウルのスーパースポーツモデルで、デビュー当初からABSやトラクションコントロールなど、先進技術や装備が惜しみなく投入されています。

2017年9月以降の出荷分からはETCが標準装備となり、市街地走行での実用性の向上も図られました。

2019年モデルには可変バルブシステムを採用、エンジン回転全域に渡って滑らかな加速となり、最高出力207psもの大パワーを発するモデルながら、標準装備されたライディングモードを組み合わせることで、より扱いやすくなっています。

• 全長×全幅×全高(mm):2,070×740×1,160
• 車重:200kg
• エンジン型式:水冷4スト直列4気筒
• 総排気量:999cc
• 最高出力:207ps
• 最大トルク:113N・m
• 新車販売価格(税込):2,360,000円~

3.Fシリーズアドベンチャー F900XR

 

スポーティなアドバンチャータイプのBMWが欲しい方におすすめなのが、2020年に登場したF900XRです。

排気量895ccの水冷4スト直列2気筒エンジンを搭載、大排気量車の多いBMWの中でミドルクラスに位置し、重量も219Kgと軽量で取り回しがしやすいモデルになっています。

日本国内モデルはETCが標準装備で、スタンダードのほか、ショートスクリーンタイプやハンドルガードが装着されたタイプと3種類でのラインナップです。

• 全長×全幅×全高(mm);2,150×860×1,420
• 車重:219kg
• エンジン型式:水冷4スト直列2気筒
• 総排気量:895cc
• 最高出力:105ps
• 最大トルク:92N・m
• 新車販売価格(税込):1,181,000円~

4.中型エントリーモデル G310R

 

大型バイクが主流のBMWの中で、中型免許で乗れるのがエントリーモデルのG310Rです。

2017年の登場となったG310Rは最大出力34psを発生する、総排気量が313ccの水冷4スト単気筒エンジンを搭載し、車重も158.5Kgと軽量で女性でも取り回しがしやすいモデルに仕上がっています。

新車販売価格も681,000円(税込)~とお求めやすく、初めてバイクに乗る方の最初の1台としてや、セカンドバイクとしても最適です。

• 全長×全幅×全高(mm):2,005×849×1,080
• 車重:158.5kg
• エンジン型式:水冷4スト単気筒
• 総排気量:313cc
• 最高出力:34ps
• 最大トルク:28N・m
• 新車販売価格(税込):681,000円~

5.BMW伝統のボクサーエンジン搭載 R-nineT

 

BMW伝統のボクサーエンジン(水平対向2気筒エンジン)を搭載したモデルが、2014年より販売開始されたR-nineT(アール・ナインティ)です。

R-naineTには、1923年に初めて世に送り出した「R32」にも搭載していた、4スト水平対向2気筒エンジンを現代風に味付けして搭載しています。

90年を超えるBMWのバイクの歴史を象徴するアイコン的なモデルとして、シンプルなボディーデザインにボクサーエンジン、シャフトドライブという組み合わせで、2022年には100周年を記念したモデル「100Years」も追加されました。

• 全長×全幅×全高(mm):2,109:×865×1,240
• 車重:221kg
• エンジン型式:空・油冷4スト水平対向2気筒
• 総排気量:1,169cc
• 最高出力:109ps
• 最大トルク:116N・m
• 新車販売価格(税込):2,270,000円~

6.ボクサーエンジン搭載アドベンチャー R1250GS Adventure

 

ボクサーエンジン搭載のアドベンチャーが欲しい方におすすめなのが、R1200GS Adventureの後継モデルとして、2019年に登場した「R1250GS Adventure」です。

エンジンガードやパニアケース取り付け用のステーが標準装備、日本国内向けモデルにはETCも標準装備、高速道路走行での利便性が高められています。

走行シーンに合わせてライダーが任意で走行モードを切り替えられるライディングモードに、2021モデルからは新たにエコモードが追加、燃費を押さえたモードでツーリング性能も向上しました。

• 全長×全幅×全高(mm):2,270×980×1,530
• 車重:278kg
• エンジン型式:空・水冷4スト水平対向2気筒
• 総排気量:1,254cc
• 最高出力:136ps
• 最大トルク:143N・m
• 新車販売価格(税込):2,389,000円~

7.ツーリングも楽しめるビッグスクーター C400GT

 

スクータータイプのBMWが欲しい方におすすめなのが、ビッグスクーターの「C400GT」です。

C400GTは、排気量349.8ccと中型免許のAT限定免許で運転が可能なモデルで、長距離走行でも疲労軽減を図ったシートやランバーサポートなど、ツーリング走行も可能なグランドツアラーの位置づけになっています。

ABSやリアタイヤの空転を制御するASCが標準装備、グリップヒーターやETCなどの装備も充実した、ミドルクラス・スクーターのBMWです。

• 全長×全幅×全高(mm):2,210×835×1,437
• 車重:216kg
• エンジン型式:水冷4スト単気筒
• 総排気量:349.8cc
• 最高出力:34ps
• 最大トルク:35N・m
• 新車販売価格(税込):1,059,000円~

8.ネイキッド版スーパースポーツ S1000R

 

ストリートファイタースタイルのスーパースポーツが欲しい方におすすめモデルが、S1000RRと共通のエンジンを搭載する「S1000R」です。

S1000RRのカウリングを取り外し、セパハンからバーハンドルに変更したスタイルで、S1000RRをベースにしたエンジンは、市街地など公道での乗りやすさを重視し、低・中速域での扱いやすさを向上させています。

クラッチ操作を必要とせず、シフトチェンジができるシフトアシストやABS、トラクションコントロールに電子制御式サスペンションと、S1000RR同様にスポーツ走行をサポートする装備が充実したモデルです。

• 全長×全幅×全高(mm):2,090×812×1,115
• 車重:199kg
• エンジン型式:水冷4スト直列4気筒
• 総排気量:999cc
• 最高出力:165ps
• 最大トルク:114N・m
• 新車販売価格(税込):1,810,00円~

BMWのバイクに関するFAQ

 

BMWのバイクに関する「よくある質問」と「回答」をまとめてあります。BMWのバイクに興味がある方やこれから乗ろうと思っている方、すでに乗っている方は参考にしてみてください。

BMWのバイクは人気がある?ない?

BMWのバイクは人気があります。日本で新車販売されているモデル数の多さからも、その人気の高さが伺い知れますが、ツーリングなどで多くのライダーが集うスポットに立ち寄った際に、BMWの集団に出会うことも。

お金持ちの道楽でBMWに乗っていると言った見方がされることもありますが、一度乗ると細部までしっかり考えられて作られている懐の深さが分かり、「もっと早くBMWに乗っておけばよかった」と言う方も結構います。

初心者でもBMWのバイクに乗っても大丈夫?

初心者でもBMWに乗っても大丈夫です。むしろ、バイクメーカーで最長とも言える歴史のあるメーカーですので、バイクに関して知り尽くしている面があるため、細部まで配慮された作り込みがされています。

風の流れまでコントロールしているかのような、風防効果が秀逸なモデルも多く、運転で精一杯になりやすい初心者の、走行時の負担を減らしてくれるでしょう。

BMWのバイクはカスタムに向いてる?

最近のBMWは完成度が高く、バイクのジャンルに合わせ、細部までライダーへの配慮が行き届いたモデルも多いです。
モデルによってはカスタムの余地が残されているモデルもありますが、バイクとしての完成度の高さから、あまりカスタムに向いているとは言えません。

ただし、個人の好みに仕上げられるのがカスタムの醍醐味ですので、個人の判断で必要だと思えば自由にカスタムするのが良いでしょう。

BMWバイクのカスタムには旧車がいいって聞いたけど

BMWのバイクにカスタムをするなら、最新モデルよりも手を加える余地がある旧車の方がおすすめ。
中でも、1980年代に発売されたR80などのRシリーズは人気が高く、海外ではカスタムのベース車両として選ぶ方も多いモデルです。

BMWバイクの旧車でおすすめは?

BMWの旧車でおすすめなのは、フルフェアリングモデルとして世界中の注目を集めた「R100RS(1976年~1981年まで生産)」です。

R32から始まるBMW伝統のボクサーエンジンを搭載したモデルで、旧車にしては壊れにくくいため、旧車初心者でも扱いやすいでしょう。

当時のBMWバイクに多い故障箇所が電気系統ですが、故障対策の部品も販売されているので、安心して乗れます。

BMWバイクで「ボクサー」が最強と言われる理由は?

BMWのボクサーエンジン(水平対向2気筒エンジン)が最強と言われますが、その理由は低重心で抜群の走行安定性を生み出すからです。

エンジンのシリンダーが左右に180度開いたような形となっているため、ピストンの動きがまるでボクサーの繰り出すパンチのようなことから、ボクサーエンジンと呼ばれていますが、重量のあるクランクがエンジン上部にないので、低重心を可能にします。

もともと航空機エンジンの製造を行っていたBMWの技術的な英知を投入し、作り上げられたエンジンなので、壊れない耐久性の高さも特徴のエンジンです。

まとめ

 

BMWの歴史や代表的なモデルについて紹介してきました。
前身は航空機のエンジン製造で、航空機エンジンの技術を投入して生まれたのが、BMW伝統のボクサーエンジン(水平対向2気筒エンジン)です。

BMWのバイクの歴史はすでに100年以上あり、老舗ブランドとして長年培ってきた技術や知恵が元になり、完成度の高いバイクを供給し続けています。

「一度乗ったらずっとBMWに乗り続けたくなる」というユーザーも多く、いろいろなバイクを乗り渡り、最後に行き着く先がBMWとも言われることも。
歴史ある完成度の高いバイクのBMW、興味のあるモデルがありましたら、ぜひ体験してみてください。

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