バイクのクラッチレバー交換方法!曲がった・折れた時の費用から調整方法まで徹底解説

バイクのクラッチレバー交換方法!曲がった・折れた時の費用から調整方法まで徹底解説

曲がったり折れたりしたクラッチレバーは交換を

引用元:https://unsplash.com/ja/%E5%86%99%E7%9C%9F/szKs7l2j9o4

嫌な立ちゴケや走行中の転倒など、車体がひっくり返るのは二輪の宿命とも言えますが、車体が倒れた際に起こりやすいのが、クラッチやブレーキレバーの曲がりや折れです。

レバーの曲がりや折れ具合にもよりますが、曲がったりが折れたりすることで、走行に支障が出る場合があります。

クラッチ操作が正しくできなくなる

マニュアル車は左のレバーがクラッチになっていますが、クラッチレバーが曲がったり折れたりすることで、クラッチ操作が正しくできなくなってしまうことがあります。

レバーはテコの原理により、それほど大きな力でレバーを握らなくても操作できるようになっていますが、レバーが曲がったり折れたりすることで、必要以上に力が必要となるケースもでてくるでしょう。

特にシフトダウン時は、クラッチ操作が困難になることで正しいギアの選択ができず、交差点や低速カーブでは、最悪の場合エンストを引き起こす恐れがあります。

折れて先が尖っていると危険

レバーが折れると、レバーの先端が鋭利な刃物のように尖ってしまい、人体を傷つける危険性が高まります。

転倒時にレバー自体が根本から折れてしまわないよう、先端が丸く加工されているという話もありますが、レバーが人体に刺さって死亡となった事例もあるので、折れて尖った先端のレバーは危険です。

レバーが折れて先端が尖った状態になったなら、操作面と安全面を考慮し、できるだけ早く新しいレバーに交換しましょう。

クラッチレバーの交換費用は?

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クラッチレバーが折れてしまった場合、ショップに交換依頼をすると費用は幾らくらいかかるのでしょうか。

ショップ展開を行う、2輪館やナップスなどの大手ショップで交換してもらう際の費用目安と、自分で交換した場合の費用目安を解説していきます。

業者に交換してもらう場合の費用相場

ショップにクラッチレバー交換を依頼した際の参考として、2りんかんやナップスで、それぞれクラッチレバー交換を依頼した場合の費用を紹介します。

また交換に必要な日数は、クラッチレバーの在庫がショップにあれば即日対応が可能ですが、在庫がない場合は2~5日程度の期間が必要です。(GWなどの長期休暇を挟む場合は、1週間~10日程度)

2りんかんで交換してもらう場合の費用

2りんかんでクラッチレバーを交換依頼した場合の工賃は1,980円(税込)で、レバーを自分で用意し、持ち込んでの交換依頼は3,960円(税込)となっています。

交換にかかる所要時間は約15分で、カウルの脱着が必要な場合は脱着費用が別途必要です。

参照元:https://2rinkan.jp/pit/kouchin/brake_handle/

ナップスで交換してもらう場合の費用

ナップスでクラッチレバーの交換を行う場合、ウルなどの脱着を伴わない場合の工賃は1,100円から(税込・レバー代別途)です。

作業時間はカウルなどの脱着がない場合は15分程度で、車種によって交換工賃や作業時間が多少異なります。

参照元:https://www.naps-jp.com/shops/pit/handle/

自分で交換する場合

自分でクラッチレバーを交換する場合、必要な費用は新品のクラッチレバー代のみで、工賃が必要ないので安くつきます。

工具があり、交換に自信のある方で費用を少しでも安く上げたい方は、自分で交換に挑戦してみるのもおすすめです。

自分で交換してみようと思っている方に向け、次の項ではクラッチレバー交換の方法について解説していますので、そちらも合わせて参考にしてみてください。

クラッチレバーを自分で交換する方法

引用元:https://unsplash.com/ja/%E5%86%99%E7%9C%9F/39oteea6D40

クラッチレバーを自分で交換する場合の方法について解説していきます。

クラッチには主に、ワイヤー式レバーと油圧式レバーとがありそれぞれ交換手順が異なりますが、ワイヤー式に比べ油圧式レバーの方が交換は簡単です。

まずは、ワイヤー式のクラッチレバーの交換方法について、交換手順に沿って解説していきます。

ワイヤー式クラッチレバー

ワイヤー式クラッチレバーとは、クラッチ操作のためのワイヤーがレバーから伸びているタイプのことで、小排気量や旧車に多い方式です。

ワイヤー式レバー大まかな交換方法は、以下の流れになっています。

1. ロックナットを外す
2. ワイヤーの遊び調整アジャスターを緩める
3. ワイヤーをレバーから取り外す
4. 新しいレバーにワイヤーを取り付ける
5. レバーを取り付け動作の確認

クラッチレバーには純正品のほか、様々なタイプのものがありますので、好みや実用性(転倒時に折れ曲がるタイプなど)で選ぶとよいでしょう。

手順①:ロックナットを外す

まずは、クラッチレバーを固定するボルトの裏側に付いているロックナットを緩めましょう。

クラッチレバーはボルト1本で固定されており、ボルトが緩まないようにロックナットで固定されていますので、固定ボルトを外す前にロックナットを外す必要があります。

ロックナットや固定ボルトを緩める際、頭をなめてしまうと最悪の場合取り外せなくなりますので、頭がなめてしまわないよう慎重に作業を行いましょう。

手順②:ワイヤーの遊び調整アジャスターを緩める

クラッチレバーの根本付近についている、遊び調整用のアジャスターを緩めます。

アジャスターは大きなリング状のものと、大きなリングにくっついた形で小さなリングで構成され、大きいリングは緩み止め用です。

クラッチレバーの根本と大小リングには、ワイヤーを通すための切り欠きが入っているので、緩める際にワイヤーが抜けるよう切り欠きの位置を統一させましょう。

旧車など錆びついてリングが固定されてしまっていることがありますので、その場合は錆取り剤を吹いて、5分ほど置いてから作業をすると外れやすくなります。

手順③:ワイヤーをレバーから取り外す

遊び調整用のアジャスターを緩めたら、切り欠きの位置からワイヤーが外れるよう、クラッチレバーを取り外しましょう。

レバーが取り外せたら、ワイヤーを取り外しますが、ワイヤーは穴に収まっているだけなので、向きに注意しながら引き上げると簡単に外れます。

ワイヤーとレバーが外れたらワイヤーに破損やサビ・ほつれがないかをチェックし、もしほつれが見つかったら、切れるなどのトラブルを未然に防ぐため、ワイヤーも新しいものに交換しましょう。

手順④:新しいレバーにワイヤーを取り付ける

クラッチレバーからワイヤーが外れたら新しいレバーに交換し、外した逆の手順で組み込んでいきます。

ますはレバーにワイヤーを組み込みますが、可動部分にグリス(万能グリスなど)を薄く塗っておくと、クラッチ操作の際にスムーズに動くようになるので、組み込む前にグリスアップしておくのがおすすめです。

手順⑤:レバーを取り付け動作の確認

レバーの取り付けが終わったら、クラッチがちゃんと動作するか、クラッチの遊びは最適かの確認をしましょう。

クラッチの遊びが多いとクラッチの切れが悪くなるので、レバー取り外しの際に緩めたアジャスターを回し、最適な切れ具合になるよう調整します。

油圧式クラッチレバー

油圧式クラッチレバーは油圧によってクラッチの操作を行うタイプで、スーパースポーツやスポーツネイキッド、大型モデルなどハイスペックなバイクに採用されています。

ワイヤー式のようにクラッチワイヤーがないので、レバーを固定するボルトを外すだけで簡単にレバーが取り外せ、可動部にグリスアップを行い、取り外せたら新品のレバーを取り付けるだけです。

レバーの交換が終わったら、しっかり動作するか確認のため、交通量の少ない道路で動作確認を行いましょう。

クラッチレバーの調整方法

引用元:https://unsplash.com/ja/%E5%86%99%E7%9C%9F/TgsvjMCkI0Y

クラッチレバーの遊び調整は簡単にでき、適切な調整を行うことで操作性が向上したり、クラッチの切れる位置を自分の好みにできたりします。

また、遊び調整ができるのは基本的にワイヤー式のみですが、油圧式でも調整ダイヤルが付いたレバーに交換することで、レバーの位置調整が可能です。

クラッチの遊び量を調整する

クラッチの遊び量調整には、メイン調整と微調整の2通りの方法があり、まずは微調整を行い、それでも遊び量が調整しきれない場合はメイン調整を行います。

【微調整】クラッチの遊び調整の方法

クラッチの根本にあるゴムカバー(ダスト防止用カバー)をめくり、中にあるアジャスターを調整すると遊び量が変化します。

アジャスター横の大きなリング状のものがロックナットで、ロックナットを緩めることでアジャスターの調整が可能です。

【メイン調整】クラッチの遊び調整の方法

メイン調整はエンジンのクラッチ側に調整できる箇所があり、2つのナットを回すことで、クラッチの遊び量も調整できます。

クラッチワイヤーをたどると、エンジン周辺にナットで固定された箇所がありますが、ナットを調整することで遊び量が変化しますので、微調整でも遊びが調整しきれない場合はメイン側で調整しましょう。

クラッチレバーの高さを調整する

クラッチレバーの高さを調整する方法は、ハンドルに固定しているボルトを緩めるだけで調整が可能です。

ハンドルにクラッチレバーホルダーがボルトで固定されているので、固定ボルトを緩め(完全にはすさなくてもOK)、レバーホルダーごと回して自分の好みの位置を決めます。

位置決めは、実際に操作するときのようにバイクにまたがって微調整を行い、位置が決まったらボルトを締めて固定しましょう。

ブレーキレバーも同じ要領で高さ調節ができますが、工場出荷時の状態に戻せるよう、作業前にレバーの位置を確認しておきましょう。

クラッチレバー交換に関するFAQ

引用元:https://unsplash.com/ja/%E5%86%99%E7%9C%9F/19E9EBLASuE

こちらの項では、クラッチレバーの交換に関する「よくある質問」と「回答」をまとめてあります。

クラッチレバーが折れていて交換を考えている方はもちろん、バイクに乗っている方はぜひ参考にしてみてください。

クラッチレバーが重い…。交換する方がいい?

クラッチレバーが重く感じる場合、注油することで重さが改善することがあるので、まずは可動部に注油してみるのがおすすめです。

注油しても重さが改善されない場合は、クラッチレバーの交換を検討しましょう。

クラッチレバーが遠い場合は交換する?調整する?

クラッチレバーが遠い場合は、まずレバーの根本に付いているアジャスターで、クラッチの遊び調整を行いましょう。

レバー根本のアジャスターのほかに、エンジン側にもクラッチワイヤーの遊びが調節できますが、両方を調整してもなお遠い場合は、交換を検討するのがおすすめです。

クラッチレバーのゴムカバーがなくなった…

クラッチレバーのゴムカバーがなくなった場合は、できるだけ早く注文するなどして、カバーをかけましょう。

クラッチレバーとワイヤーの接点付近が可動部となっており、ゴムカバーは可動部を保護する役割ですが、カバーが無くなることで可動部にホコリやゴミなどが入りやすくなり、クラッチワイヤーの滑りも悪くなります。

可動部にはグリスなどの油分もあってホコリが付着しやすく、トラブルの原因にもなりやすいので、できるだけ早くカバーを用意し元の状態に戻しましょう。

クラッチレバー折れたままでも大丈夫?

クラッチレバーが折れたなら、できるだけ早く新しいレバーに交換しましょう。

レバーの先端が丸く加工されていますが、丸くなっていることで万が一の転倒の際、人体を傷つける可能性が低くなります。

特に、レバーが折れ先端が鋭利になっている場合は、立ちゴケでも怪我を負う可能性があり危険ですので、早めに交換を検討しましょう。

クラッチレバーが出先で折れた…応急処置は?

クラッチレバーが出先で折れてしまい、交換できるレバーを持ち合わせていない場合は、スパナ(10-12mm当たりの小さなもの)などの工具や、金属製のものを当ててビニールテープをしっかり巻き付け完全に固定します。

ビニールテープやあてがう金属製のものが用意できない場合は、走行できるようなら慎重に走行するか、JAFなどのロードサービスを利用するとよいでしょう。

まとめ

引用元:https://unsplash.com/ja/%E5%86%99%E7%9C%9F/B24YC2OA91s

バイクのクラッチレバーについて、立ちゴケや転倒などで折れてしまった場合の交換方法について解説してきました。

ショップで交換してもらう際の費用目安と、自分で交換する際の方法や遊び調整についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

よく転倒してレバーを折ってしまう方は、予めストックとして予備のレバーを用意しておくのもおすすめですし、車載工具とビニールテープがあれば出先で折れても応急処置が可能なので、普段から準備しておくとよいでしょう。

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