バイクのエアークリーナーの交換時期は?費用目安や自分で交換できるかまで徹底解説

バイクのエアークリーナーの交換時期は?費用目安や自分で交換できるかまで徹底解説

バイクのエアークリーナーとは?

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バイクのエアークリーナーとは、その名が示すように空気(エア)を掃除するもので、エンジンに送り込む混合気になる空気にホコリや砂などが混じらないよう、きれいにする役割を持っています。

エンジンに異物が入り込まないよう、ゴミを取り除くフィルターの役割を果たしているのがエアークリーナーです。
エンジンは、気化させた燃料と空気を混ぜた混合気を燃焼させることで爆発力を得ていますが、混合気の空気にホコリや異物などが入り込むと、異常燃焼の原因やピストンなどの破損につながることもあります。

エアークリーナーは定期的に交換するなどのメンテナンスが必要となり、メンテナンスを怠ると、最悪の場合エンジンに不調をきたすこともあります。

バイクのエアークリーナーの種類は大きく分けると3つ

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バイクのエアークリーナーには、ゴミを除去するフィルター(エレメント)の方式によって、従来からある「乾式」と「湿式」のほかに、最近では「ビスカス式」も主流になってきました。

エアクリーナーエレメントの方式により、掃除して再利用できるタイプと交換が必要なタイプがあり、方式に応じたメンテナンスが必要となります。

乾式

乾式のエアークリーナーは、エレメントが乾式(オイルなどに浸っていないタイプ)のもので、湿式に比べると細かなゴミを通しやすいですが、価格は安価です。

表面に付着したゴミをエアガンで飛ばすことはできますが、乾式は汚れてきたら洗うことができないため、交換が基本となります。

湿式

湿式は、ウレタン製のスポンジに油を染み込ませたタイプで、乾式に比べると、ホコリを吸着しやすい特徴があります。

多くの湿式エレメントは洗浄して再利用することができ、灯油で洗浄して乾燥させた後、専用のオイルか2サイクル用オイルを少し染み込ませることで、再利用が可能です。

湿式は乾式に比べると値段がやや高くなっていますが、洗浄しながら使えるので、長く使えばお得になります。

ビスカス式

ビスカス式のエレメントは、ろ紙(フィルター紙)にオイルを染み込ませてあるエレメントで、乾式と湿式を合わせたような方式です。

見た目は乾式のようになっていますが、エレメントの表面を手で触れ、オイルが付着しているようならビスカス式、乾いているようなら乾式と見分けがつきます。

ビスカス式も湿式同様に再利用はできないため、メンテナンスの際は交換が基本です。

バイクのエアークリーナーの交換タイミング・時期の目安は?

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バイクのエアークリーナーは定期的に掃除や交換など、メンテナンスが必要ですが、交換するタイミングはどのように見極めればよいのでしょうか。

エアークリーナーの点検や交換時期の判断方法と、エアクリーナーエレメントごとのメンテナンス方法について解説していきます。

走行距離で交換の判断する

バイクのエアークリーナー(エレメント)の交換やメンテナンスは、走行距離を目安にするとよいでしょう。

走る場所やエンジンを掛けている時間の長さなどによっても異なりますが、おおむね5,000Kmを目安に点検を行い、汚れているようなら交換か洗浄(湿式の場合)を行うのがおすすめです。

乾式・ビスカス式は交換

バイクのエアークリーナーは、方式によって交換か再利用可能かが異なり、乾式やビスカス式は洗浄できないので交換が必要です。

乾式はエアブローなどで表面のホコリや汚れを吹き飛ばせば、継続して使えることもありますが、完全に綺麗にはならないので、汚れが進んでいるようなら交換を検討しましょう。

湿式は洗浄すれば再利用可能

湿式のエアークリーナーは、スポンジ形状のエレメントなら汚れを洗浄し、再利用が可能です。

洗浄には専用のクリーナーを使うか、灯油に浸して洗浄を行うのが一般的で、厚めの袋に入れて洗浄液とエレメントを入れ、優しく手もみするようにすれば手も汚れず洗浄できます。

洗浄が終わったら洗浄液が残らないようしっかり拭き取り、専用オイル(フィルターオイルなど)か、2サイクル用オイルを薄くまんべんなく表面に染み込ませたうえ、取り付けましょう。

ドレンパイプも忘れずに点検する

エアークリーナーの点検や交換ついでに、エアクリーナーボックスにつながっているドレンパイプ(ブリーザードレン)の点検も忘れずに行いましょう。

ドレンパイプは、エンジン内部で高温・高圧によって生じた未燃焼ガスが、ピストンやクランクから漏れ出た液体(ブローバイガス)が外に排出されないよう、溜めておくパーツです。

ブローバイガスがドレンパイプに溜まってくると、エアークリーナーの性能を存分に発揮できなくなるばかりか、エンジン不調の原因につながることもあるので、パイプに液体が溜まっているようなら排出させましょう。

バイクのマニュアルにも、ドレンパイプの点検は最低でも1年に1回は行うよう記載されていますので、エアークリーナーのメンテナンスの際に合わせてドレンパイプも点検するのが、手間もかからずおすすめです。

バイクのエアークリーナーを交換しないとどうなる?

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バイクのエアークリーナーの交換を怠ると、以下の症状が現れることがあります。

1. 燃焼効率が悪くなる
2. 燃費が悪くなる
3. エンジンの掛かりが悪くなる
4. 突然エンジンが停止する

順番に解説していきますので、これらの症状が現れてきたなとおもったら、エアークリーナーの点検を行ってみてください。

症状1. 燃焼効率が悪くなる

エアークリーナーの交換を怠っていると、吸い込む空気の量が減ることで、空燃比(ガソリンと空気の混合気)に変化が生まれ、燃焼効率にも悪影響を及ぼします。

燃焼効率が悪くなると、異常燃焼の発生や燃えきらない燃料が生まれやすくなり、ノッキングなどの原因となることも。

症状2. 燃費が悪くなる

燃焼効率が低下することで、エンジンの調子が出なくなるので、アクセルを開け気味となって燃費にも悪影響が及んできます。

以前と同じ速度を出すにも、よりアクセルを開ける必要が出てくるので、燃料に悪影響が及び、特に坂道や高速走行では顕著です。

症状3. エンジンの掛かりが悪くなる

エンジンに必要な量の空気が確保できなくなるので、エンジンが掛かりにくくなります。

エンジンの掛かりが悪くなることで、よりセルを回す時間も延びるため、バッテリーへの負担も増え、冬場など気温の低い日は特に掛かりが悪くなることも。

症状4. 突然エンジンが停止する

エアークリーナーの交換を怠ることで、アイドリング時や、信号待ちなど停車時に突然エンジンが停止する症状が出ることがあります。

走行時に比べ低回転時やアイドル状態は、もともと供給される空気の量が少ないこともあり、エンジンが停止しやすいです。

バイクのエアークリーナーの交換費用はどのくらい?

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バイクのエアークリーナーについて、ショップで交換してもらう場合と、自分で交換する場合の費用をそれぞれ解説していきます。

ショップで交換してもらう場合

ショップでバイクのエアークリーナーを交換してもらう場合の費用は、車種によっても変わりますが、純正タイプで交換する場合は2,000円~4,000円程度(純正品の場合)が目安です。

純正以外ではパワーフィルターなど、吸気抵抗を減らしてくれるものもありますが、吸気抵抗を減らすとブローバイガスが排出されにくくなるなど、逆効果になることも。

カスタムでエアクリーナーボックスが取り付けられなくなった場合を除き、エンジンのスムーズな燃焼を妨げることもあるので、基本は純正で交換するのがおすすめです。

自分で交換する場合

自分でエアークリーナーを交換する場合の費用は、エアクリーナーエレメント(フィルター)代だけで済むので、1,000円~2,500円程度です。

エアークリーナーは大抵の場合ガソリンタンクやシートの下にあるので、ガソリンタンクやシートなどを取り外すための工具も必要になります。

自分でもバイクのエアークリーナーは交換できる?

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バイクのエアクリーナーエレメントは、必要な工具があれば自分でも交換できます。

自分でエアクリーナーエレメントの交換をする際の手順をまとめてみましたので、自分で交換してみようと思っている方は参考にしてみてください。

取り外し

バイクのエアクリーナーエレメントは、多くの場合がガソリンタンクやシートの下辺りにあります。

必要に応じてガソリンタンクやシートを取り外すと、エアクリーナーボックスが見えてくるので、ボックスを開けて中にあるエレメントを取り外しましょう。

ガソリンタンクを外す際は、まずコックをOFFの位置にして、ガソリンの流れを遮断した上で燃料ホースを取り外します。

清掃

乾式やビスカス式エレメントの場合は、新しいものに交換もしくは、汚れが軽い場合はエアブローで吹き飛ばすなど清掃と行います。

湿式でスポンジ形状のエレメントなら清掃が可能なので、専用のクリーナーなどを使って洗浄を行いましょう。

取り付け

エレメントを新品に交換、もしくは洗浄が終わったら、元あったようにエアクリーナーボックスにエレメントを取り付けます。

エアクリーナーボックスにエレメントを取り付けた後、ガソリンタンクやシートを取り付けましょう。

ガソリンタンクの取り付けは、燃料ホースをしっかりと接続した後、ガソリンタンクを固定していきますが、固定が終わったら燃料コックをONにするのを忘れずに。

バイクのエアークリーナー交換に関するFAQ

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こちらの項では、バイクのエアークリーナーに関する「よくある質問」と「回答」についてまとめてあります。

エアークリーナーの交換を考えている方や、メンテナンスについて知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

バイクのエアークリーナーが詰まるとどうなる?

バイクのエアークリーナーが詰まると、エンジンが不調になったり燃費が悪化したりします。
キャブレターのバイクはエンジンの不調が現れやすいですが、インジェクションのバイクは自動で燃料を調整してくれるので、エンジンの不調が分かりにくいです。

「いつの間にか燃費が悪化していた」ということもあるので、定期的にエアークリーナーの点検や交換を行いましょう。

バイクのエアクリーナーボックスってどこ?

バイクのエアクリーナーボックスは、多くの車種の場合ガソリンタンクかシートの下にあります。
シートカウルを外すとボックスを取り外せるタイプもありますが、おおむねガソリンタンクの下が定位置です。

パワーフィルターとエアークリーナーの違いは?

パワーフィルターとは一般的に商品名を指しますが、純正以外のエアークリーナーをパワーフィルター、純正品をエアークリーナーと区別して呼ぶこともあります。

パワーフィルターには、吸気効率が上がるとうたっている商品もありますが、吸気効率が上がることでエンジンからブローバイガスが排出されにくくなることもあり、エンジンの燃焼効率を妨げることも。

カスタムによってエアクリーナーボックスが装着できないなどの場合を除き、純正のエアクリーナーエレメント(フィルター)で交換するのが無難です。

バイクのエアークリーナー交換の効果は?

バイクのエアークリーナーを交換することで、エンジンの始動性が改善したり、燃費性能が向上したりします。
走行することでエアークリーナーに汚れが蓄積し、吸気効率が下がっていくことで、エンジンの効率が悪くなりますが、交換することで本来の性能を取り戻してくれるのが、エアークリーナー交換の効果です。

まとめ

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バイクのエアークリーナーについて、汚れたまま走行していると起こりうる症状や、交換することで得られる効果について解説してきました。

エアークリーナーは定期的なメンテナンスや交換が必要ですが、交換せずに乗り続けていると知らない間に燃費の悪化やエンジン始動性が悪くなるなど、不調の原因になります。

定期的に新品に交換し、エンジンのコンディションを保つことで、より快適なバイクライフが送れるでしょう。

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