バイクのブレーキパッドは自分で交換することはできる?残量の見方から交換の手順、かかる費用について解説!

バイクのブレーキパッドは自分で交換することはできる?残量の見方から交換の手順、かかる費用について解説!

バイクのブレーキパッドとは?

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バイクのブレーキパッドとは、ブレーキキャリパーの中に収容されたパーツで、ブレーキディスク(ブレーキローター)に押し付けて、摩擦力でブレーキ力を発揮させる非常に重要なパーツです。

ブレーキパッドは交換が必要な消耗品でもあり、交換時期が来てもそのまま使用していると事故やトラブルに発展する可能性があります。また、整備不良の取り締まり対象となることもあるため、注意が必要です。

ブレーキの種類

バイクのブレーキには、ディスクブレーキとドラムブレーキがあり、ブレーキパッドはディスクブレーキのパーツなので、ディスクブレーキのあるバイクにしか付いていません。

ドラムブレーキでブレーキパッドにあたるパーツがブレーキシューで、ブレーキパッド同様に消耗品です。

ディスクブレーキとは

ディスクブレーキとは、ホイールの中心に円盤状のディスクローターが1枚または2枚装着されたブレーキです。

ブレーキディスクに付いている、ブレーキキャリパーの中にブレーキパッドが入っており、ブレーキを握るとブレーキパッドがディスクローターに押し付けられ、摩擦によって制動力を生み出します。

バイクのブレーキパッドの寿命は?交換目安はいつ?

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バイクのブレーキパッドは消耗品で交換が必要になるパーツですが、交換時期はどんな基準で判断すればよいのでしょうか。

ブレーキパッド交換の目安となる寿命は、走行距離で5,000Km~10,000Kmが目安とされていますが、他にも次の判断基準があります。

  • ブレーキパッドの減り具合で判断する
  • 異音がしないかどうかでも判断

ブレーキパッドの減り具合で判断する

ブレーキパッドはディスクローターとの摩擦で制動力を発揮するので、ブレーキを使えば使うほどすり減っていきます。

どの程度まで使えるのか判断できるよう、ブレーキパッドには溝が掘られており、溝がなくなってきたら交換時期です。

ブレーキパッドはブレーキキャリパーの中に入っているので、斜めから覗き込んで残量の確認をしましょう。

異音がしないかどうかでも判断

ブレーキパッドの残量が減ってくると、ブレーキを掛けた際に「キーキー」という金属音が聞こえ出し、さらに残量が減ってくるとブレーキを掛けてないときでも、異音が聞こえてくることがあります。

異音が聞こえてきたら、ブレーキパッドの残量が2mmを切っている可能性がありますので、摩耗していたらできるだけ早く新品に交換しましょう。

ブレーキパッド交換を怠るとどうなる?

ブレーキパッドの交換時期を超えたまま交換をせずに乗っていると、ブレーキパッドの下地の金属が出てきて、ブレーキローターを傷つけることがあります。

ブレーキローターを傷つけると、ブレーキパッドとの接地面が減るなど、制動性能にも影響がでることも。

ブレーキ性能の低下にもつながって危険ですので、ブレーキパッドは定期的に残量の確認をし、減ってきたら早めに新品に交換しましょう。

ブレーキローターも消耗品

ブレーキパッドとの摩擦で制動力を発揮するブレーキローターも、ブレーキパッド同様に消耗品で、定期的な交換が必要です。

走行距離で10,000Kmあたりがブレーキローターの交換時期とされており、摩耗したまま走行していると制動距離にも影響が出て危険なので、交換時期になったら早めに交換しましょう。

ちなみに、ブレーキローターの交換費用は、12,000円~25,000円程度(部品代含む)です。

ブレーキパッドを交換しないといけない理由

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ブレーキパッドは交換が必要になる消耗品ですが、交換時期を過ぎてもそのまま走行していると、ブレーキパッド周辺のパーツにまで影響が及びます。

ブレーキパッドの交換だけで済んでいた話が、パーツ破損になるとそれらの交換費用も余計に発生するので、交換時期が来たらできるだけ早く交換しましょう。

ブレーキローターに影響が出る

ブレーキパッドの使用限度を超えてそのまま使用していると、ブレーキローター(ディスク)を傷つけることがあります。

ブレーキローターが削れると、ブレーキパッドとの接地面が減り、摩擦力を発揮できなくなることがあり、ブレーキの制動性能にも影響して危険です。

ブレーキ周りの修理費用

ブレーキパッド交換を怠り、ブレーキローターに傷をつけるなど破損に至った場合、交換費用はシングルディスクで20,000円程度、ダブルディスクだと40,000~65,000円程度の費用となります。(ローター代含む)

ブレーキローターはパッド同様に消耗品ではありますが、パッドの摩耗によって削れたまま走行しているとブレーキ性能にも影響が出るので、早めの交換が必要です。

バイクのブレーキパッドの残量確認方法

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ブレーキパッド交換の目安となるのがブレーキパッドの残量確認ですが、確認方法は目視や音でも確認できることがあります。

またブレーキパッドのみならず定期的にブレーキフルードの残量や、ブレーキのタッチ(握った際の感触)も確認しておきましょう。

目視で確認

ブレーキパッドは、残量が確認できるよう溝が掘られており、目視で確認できます。

ブレーキパッドには溝が掘られていたり、緑色のラインが付いていたりするなど、目視で使用限度が分かるので定期的に確認をし、残量がわずかになってきたら早めに交換しましょう。

音でも確認できる

ブレーキパッドが減ってくると、ブレーキの際に「キーキー」と金属のこすれる異音が出てくるので、音でも判断できます。

さらにパッドの摩耗が進むと、ブレーキを掛けていないときでも常に金属がこすれる音がするようになるので、そうなるとブレーキローターへのダメージも出始め、早めの点検や交換が必要です。

ブレーキパッドの寿命

ブレーキパッドは、残量が2mmに達したら交換時期です。

走行距離では、交換時からおおよそ5,000Km~10,000Kmほどで、パッドの残量が3mmを下回るとブレーキを掛けた際に「キーキー音」がするようになります。

ブレーキフルードも確認

ブレーキフルードも劣化していき、性能が落ちてくるので、点検と定期的な交換も必要です。

ブレーキフルードは淡い黄色か無色に近いですが、経年やブレーキ頻度によって色が黒くなっていきますし、規定量より下回るとブレーキ本来の性能も発揮できなくなるので、色と量も確認しましょう。

ブレーキフルードは、ハンドルあたりにあるマスターシリンダーで、色や規定量入っているかを確認するほか、ブレーキを掛けたときにカッチリ動作するかも確認ポイントです。

バイクのブレーキパッド交換手順

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バイクのブレーキパッドを自分で交換しようと思っている方に向け、ブレーキパッド交換の手順を解説しています。

ブレーキパッド交換に必要な工具もご紹介していますので、合わせて交換の参考にしてみてください。

交換に必要な工具

バイクのブレーキパッド交換には、以下のような工具が必要です。

  • メガネレンチまたはラチェット(12mm)
  • 六角レンチ
  • マイナスドライバー
  • キャリパーピストン押し戻しツール
  • ブレーキパッドグリス
  • パーツクリーナー(ゴム・樹脂も使えるもの)
  • ウエス
  • 軍手(手の汚れが気になる方)
  • 新しいブレーキパッド

特殊工具はキャリパーピストン押し戻しツールくらいですが、Daytonaなどから販売され、価格は3,500円程度で手に入るほか、ウォーターポンププライヤーなどでも代用できます。

作業手順

バイクのブレーキパッド交換の手順は、以下の通りです。

  1. ブレーキキャリパーを外す
  2. ブレーキパッドを外す
  3. キャリパーの洗浄
  4. ピストンを戻し新しいブレーキパッドの取り付け
  5. ブレーキキャリパーを取り付ける
  6. ブレーキの動作確認をする

順番に解説していきます。

手順1.ブレーキキャリパーを外す

バイクのブレーキパッドは、ブレーキキャリパーの中に収まっているので、まずはブレーキキャリパーを取り外しましょう。

ついでキャリパーとブレーキパッドを固定しているパッドピンを、マイナスドライバーと六角レンチを使って緩め(軽く緩める程度でOK)、メガネレンチまたはラチェットで、キャリパーを固定しているボルトを外します。

手順2.ブレーキパッドを外す

ブレーキキャリパーが外せたら、パッドピンを引き抜き、ブレーキパッドをキャリパーから取り出します。

もしパッドピンが抜けにくい場合は、キャリパーの裏側からドライバーで押し出すか、ドライバーの柄の部分を軽く叩きながら押し出すと外れやすいです。

手順3.キャリパーの洗浄

ブレーキパッドが外せたら、キャリパーと取り外したピンやボルトの清掃を行います。

キャリパーはブレーキ出すとなど汚れも大量に付着しているので、パーツクリーナーを使って汚れを洗い落としましょう。

このとき、パーツクリーナーがブレーキローターにかからないよう、噴射した際に飛ばないよう風向きにも注意して使用します。

手順4.ピストンを戻し新しいブレーキパッドの取り付け

ブレーキキャリパーの洗浄が終わったら、キャリパーピストン押し戻しツールなどを使い、キャリパーのピストンを押し込みましょう。

2ポッド(ピストンが2つあるタイプ)は、片方のみを一気に押し込むのではなく、両方のピストンをバランスよく、かつ少しずつゆっくり押し込んでいきます。

ピストンの押し戻しが終わったら、ブレーキパッドグリスを塗ったあと新しいブレーキパッドをキャリパーに収め、パッドピンでパッドが外れない程度に締めましょう。

手順5.ブレーキキャリパーを取り付ける

ブレーキキャリパーに新しいパッドを装着したら、取り外した手順とは逆に、キャリパーを取り付けていきます。

キャリパーの取り付けが終わったら、パッドピンを締め込みガタツキがないか確認しましょう。

手順6.ブレーキの動作確認をする

ブレーキキャリパーの取り付けが終わったら、まずは走行する前に「カッチリ」とブレーキのタッチが出てくるまでブレーキレバーを何度か握りましょう。

ブレーキのタッチが確認できたら動作確認を行い、問題がなければブレーキパッドの交換は完了です。

バイクのブレーキパッド交換にかかる費用の目安

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ブレーキパッドの交換は、ブレーキパッドの手配や購入も含めてショップで交換してもらう場合と、自分でブレーキパッドを用意してショップに持ち込み、交換してもらう場合があります。

それぞれの費用がいくらくらいになるのか、交換費用の目安をご案内しますので、ブレーキパッドの交換を考えている方は、参考にしてみてください。

ショップでパッドの購入と交換を行う場合

ディスクブレーキのブレーキパッド交換をショップで行った場合、交換費用のみでディスクローターがシングル(1枚)で2,000円~3,500円、ダブル(2枚)では3,500円~5,500円前後です。

上記の交換工賃に加え、ブレーキパッド代(シングル:2,000円~4,000円程度、ダブル:3,500円~6,000円程度)が加算され、パッド代と工賃の合計で、シングル:4,000円~7,500円程度、ダブルで7,000円~11,500円前後となります。

ブレーキフルードも同時に交換した場合

ブレーキフルードの交換費用は、ブレーキフルード代込みでシングルは2,000円~3,500円、ダブルでは3,500円~5,500円前後で、エア抜き作業も含まれます。

ブレーキフルードが劣化してくると、ブレーキが効きづらくなったり、ペーパーロック現象を起こしやすくなったりするので、ブレーキ性能を安定して発揮させるために定期的な交換が必要です。

ペーパーロック現象とは、ブレーキを使い続けると熱によってブレーキフルード内に気泡が発生し、気泡によってブレーキパッドに押し付ける圧力が伝わりにくくなる現象で、ブレーキが効かなくなります。

バイクショップに持ち込む場合

ブレーキパッドを自分で用意し、ショップに持ち込んで交換のみを行って貰う場合の費用目安は、シングルで4,000円~6,000円程度、ダブルで6,000円~11,000円前後です。

ショップからパッドを購入する場合に比べ、作業工賃が1.5倍から2倍程度になりますので、持ち込み工賃の負担が大きいなと思う方は、ショップで購入し交換してもらう方法も検討するとよいでしょう。

自分で交換する場合

ブレーキパッドを自分で交換する場合は、ブレーキパッド代(シングル:2,000円~4,000円程度、ダブル:3,500円~6,000円前後)のみです。

ショップに依頼せず、自分で交換すると交換工賃が発生しないので、必要な費用はブレーキパッド代のみとなります。

まとめ

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バイクのブレーキパッドについて、ブレーキパッドとは何なのか、という基本知識から交換の手順までお伝えしてきました。

ブレーキパッドはバイクになくてはならない超重要パーツですが、消耗品でもあり、しっかり性能を発揮させるためには点検もかかせません。

ブレーキパッドの点検方法や交換時期の目安、バイクショップに交換を依頼した場合の費用相場など、ブレーキパッドに関する内容を網羅していますので、ライダーの方はぜひ当記事を参考にしてみてください。

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