バイクのアイドリング不調でエンストに?9つの原因と対処法から調整方法まで徹底解説!

バイクのアイドリングとは
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バイクのアイドリングとは、「エンジンが掛かった状態でアクセルを全く開けていない状態」のことを言います。
気温の低い日において、バイクを走行させる前にまずは暖気運転をし、エンジンを暖めてから走り出す方もいらっしゃるかと思いますが、その暖機運転がアイドリング状態です。
アイドリングは英語の「アイドル(idol)」=働いていない、使われていない、という意味からで、アイドルに現在進行形のingが付いてアイドリング(idoling)と呼ばれていますが、単にアイドル状態と言うこともあります。
車種にもよりますが、アイドリング時のエンジン回転数はだいたい1,000rpm辺りを差していることが多く、回転数がほぼ一定で安定しているのがアイドリングの正常な状態です。
アイドリングが不調ならエンジンの不調かも
アイドリングの不調とは、アイドリング時のエンジン回転数が安定しない、または安定していても極端に回転数が低い・高い状態のことを言います。
エンジンに問題があったり、点火プラグが正常に働いていなかったりと、エンジン回りが不調になるとアイドリング不調となって現れてくることも多いので、アイドリングはエンジンの調子を見る上でのバロメーターです。
アイドリングが不調だとエンストの原因にもなりやすく、発進時や停車時に必要以上に気を使うようになるなどバイクが乗りにくくなります。
アイドリングの不調はエンストの原因にも
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アイドリングが不調になることで、停止状態からの発進でエンスト(エンジンストール)しやすくなったり、アイドリング中に突然エンジンが停止したりするほか、アクセルを開けてもすぐに回転数が上がらないこともあるなど、エンストの原因にもなりやすいです。
プラグの劣化やガソリンの劣化など、アイドリングが不調となる原因にはいろいろありますが、エンジン回りが不調となっていることがアイドリング不調となって現れていることも多いです。
インジェクション車は電子制御でアイドリング調整が行われている場合がほとんどなので、不調に気づいたら早めにバイク店で点検を依頼して、症状を見てもらうと良いでしょう。
アイドリングが不調となる原因には主に次の9つが挙げられます。
アイドリングが不安定な原因9つ
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アイドリングが不調となる原因には、
- 電圧不足
- プラグの劣化
- ガソリンの劣化
- エアクリーナーの汚れ
- キャブレターの不具合
- バッテリーケーブルの緩み
- マニーホールド周辺の不具合
- リードバルブの緩み
- ジェネレーターやイグニッションコイル、コンデンサーの故障
が主な原因としてあります。
これらに問題がある場合はアイドリング不調となって現れてくることもあり、そのまま走行しているとさらなる不調を生んだり、突然バイクが動かなくなったりすることもあるので、早めにバイク店などで点検をしてもらいましょう。
アイドリング不調となるそれぞれの原因を、詳しく解説していきます。
1.電圧不足
電圧が不足となると、スパークプラグ(プラグ)が適切な働きができなくなり、アイドリング不調となることがあります。
プラグはエンジンの混合気(ガソリンと空気をまぜたもの)を爆発させるための火花を出す役割ですが、電圧が不足していると爆発させるのに最適な火花が飛ばせなくなり、その結果アイドリング不足となることもあるのです。
バッテリーの劣化や、プラグコードの劣化によっても適切な電流がプラグまで流れず、電圧不足に陥ることもあります。
2.プラグの劣化
プラグの劣化や破損によって適切な火花が飛ばなくなることがあり、その結果アイドリング不足につながることもあります。
プラグを取り外し、焼け具合や電極の減り具合を確認することでプラグの状態が分かりますが、正常に働いているプラグは焼け色がきつね色のような茶色です。
カーボンが付着して電極が隠れるくらい黒ずんでいたり、オイルがまとわりついていたりする場合は、火花が正しく飛んでいない可能性があるので、プラグを交換するかブラシなどで優しく掃除をすると良いでしょう。
ただしイリジウムプラグは電極部を磨くことはできないので、電極部にカーボンが付着しているなど汚れがひどい場合は、新しいプラグに交換するのが良いです。
3.ガソリンの劣化
ガソリンを入れたまま長期間(2~3ヶ月以上)乗っていなかったバイクを走らせる場合は、ガソリンが劣化している可能性があり、ガソリンの劣化がアイドリング不足を生むことがあります。
ガソリンが劣化することで、燃焼割合が減ったり異常燃焼が起きたりしやすくなり、アイドリングの不安定さを生み出すだけでなく、場合によってはエンジンが停止してしまうこともあるので注意が必要です。
長期間バイクに乗っていなかった場合は、エンジンをかける前に入っているガソリンをすべて抜き、最寄りのガソリンスタンドなどで古いガソリンを引き取ってもらった上で、新しいガソリンを給油してから乗りましょう。
4.エアクリーナーの汚れ
エアクリーナーが汚れることで、アイドリングの異常となって現れることもあります。
エンジンを爆発させるには適したガソリンと空気量をエンジンに提供してやる必要があり、エアクリーナーが汚れで目詰まりを起こしていると、爆発に最適な空気をエンジンに送ることができません。
エアクリーナーが汚れている場合は、エアクリーナーを清掃するか新しいものに交換しましょう。
5.キャブレターの不具合
古いバイクはキャブレター(キャブ)が使われていることがほとんどですが、キャブの不具合によって適切な空気や燃料がエンジンに送られず、アイドリング不良となることがあります。
スロージェットの調整がおかしくなっていることでアイドリングに異常が出ているケースがあるほか、ガソリンを供給するメインジェットのつまりやニードルジェットの不良、キャブの中に入っているガソリンの劣化など原因は様々です。
アクセルを閉じた状態ではスロージェットにニードルジェットが刺さった状態になっていますが、アクセルの開け具合に応じてニードルジェットが持ち上がり、メインジェットに開いた穴が大きくなってガソリンが供給されます。
キャブの不具合は原因の特定や、ばらして組み上げる際のセッティングが難しい面があるので、バイク店などで見てもらうのが無難です。
6.バッテリーケーブルの緩み
バッテリーケーブルが緩んでいたり劣化していたりすると正常な電流が流れなくなることもあります。
ケーブルに異常があると、電圧不足となってプラグが正常な火花を飛ばすことができず、アイドリング不良になることも。また、バッテリーケーブルとバッテリーを接続する端子部が汚れていたり、錆びていたりしても通電不良となりやすいのです。
バッテリーケーブルが緩んでいないか、バッテリーと接続している端子部分に錆や汚れがないか定期的に点検を行うと、不良となる前に対応できるでしょう。
7.マニーホールド周辺の不具合
マニホールドに破損や接続不良などがある場合も、アイドリング不良の原因となることがあります。
マニホールドとは、エンジンから排気を出す排気管をまとめる部位のことで、エキゾーストマニホールドと呼ばれることが多いです。
マニホールドが破損や接続不良があることで、必要以上に空気が入り込んで混合気が異常となってアイドリング不良となることがあります。
8.リードバルブの緩み
2ストローク(2スト)車の話になりますが、リードバルブが緩むことで誇りや余分な空気が入り込みやすくなり、アイドリング不足になることがあります。
リードバルブとは、2ストのエンジンに付いた吸気弁の役割を果たし、開閉することで適切に吸気を行う役割を果たすのに加え、混合気がキャブに差し戻されてガスまみれになるのを防ぐパーツです。
リードバルブが経年劣化でヘタるなどして緩んでくると埃を吸い込みやすくなったり、適切な吸気が行われなくなったりしてアイドリング不調につながることもあります。
9.ジェネレーターやイグニッションコイル、コンデンサーの故障
ジェネレーターやイグニッションコイル、コンデンサーなどの電装回りの故障で適切な電力が生み出されず、電圧不足となってアイドリング不良につながることがあります。
ジェネレーターなどに異常があると、適切に電力が生まれないためバッテリーが上がりやすくなる原因にもなる上、チェックには専用のテスターが必要になるなど、なかなか個人では原因の特定がし辛いです。
アイドリングが不安定な場合の対処法
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こちらでは、アイドリングが不安定になった場合の対処方法について記載しています。
ただし、アイドリング不調の原因は多岐に渡るので、早く確実に直したい場合はショップに依頼するのが無難です。
スパークプラグの点検
スパークプラグの焼け具合や電極を点検することで、プラグがちゃんと火を飛ばしているのかが分かります。
正常ならばこんがりキツネ色に焼けていますが、電極がすり減っていたり、カーボンにまみれていたりする場合は正しく火花が飛んでいない可能性が高いです。
新しいプラグに交換するか、カーボンが付着している場合はブラシなどで掃除をすることで一時しのぎにはなりますが、早めに交換すると良いでしょう。
またイリジウムプラグは電極が繊細なため、ブラシなどで磨くとかえって悪化することもあるため磨かずに交換を行うほうが無難です。
バッテリー回りの点検
アイドリングが不安定の場合は、バッテリーケーブルが劣化していたり、バッテリーとケーブルの間で接続不良を起こしたりしている場合もあるので、バッテリー回りを点検してみると良いでしょう。
バッテリー交換から数年経過している場合は、バッテリー自体が劣化して能力を失っていることもあります。
特に冬場など気温の低い日はバッテリーの能力も出にくくなり、トラブルが発生しやすくなりますので、バッテリー上がりしやすいです。
劣化した部品の交換・清掃
アイドリング不調の原因が劣化した部品のようならば、部品の交換や掃除をすることで正常に戻るかもしれません。
交換は取り外して逆の手順で組み込んでいきますが、手順を忘れるなどリスクもあるので、自信のない方は点検も含めてショップに依頼したほうが良いでしょう。
バイクショップに依頼する
自分で点検してみたけれどあまり改善されない、点検に自信がないという場合は信頼のおけるバイクショップに持ち込んで点検や修理を依頼しましょう。
アイドリングが不調となる原因は多岐に渡り、いくつかの原因が重なって不調となっていることもありますので、確実に原因をつきとめる意味でもプロに相談・依頼したほうが安心です。
アイドリングが不安定な場合の調整方法
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バイクのアイドリングの不調を治す方法は、キャブレター車(キャブ車)かインジェクション車かによって異なります。
キャブ車かインジェクション車かを見分けるには、バイクの年式が2006年を境にそれまでのキャブ車主流からインジェクション車へと移行しているので、年式を参考にすると良いでしょう。(一部車種に例外はあります)
2006年より前の年式の古いバイクはキャブ車、以降は排ガス規制の影響でインジェクション車となっていますが、ハーレーは2007年モデルを境にインジェクションへと移行していますので、ハーレーは2007年がキャブとインジェクションを分ける境の年式となります。
キャブレター車のアイドリング調整方法
キャブレター車(主に2006年以前のモデル)の場合は、エアスクリューのネジを回してアイドリングを調整することができまので、アイドリングが低い場合にはネジを右に、低い場合は左に回すことでエンジン回転数を変化させることができます。
エンジン始動直後はエンジン高回転が高めになりやすく、その状態で調節を行っても意味がありませんので、アイドリング調節をする前にまずは十分にエンジンを暖めてから行うようにしましょう。
エアスクリューのネジはほんの少し回しただけでもエンジン回転数に変化が現れるので、調節の際は優しくゆっくりと回すように行い、もし固くて回らない場合は無理して回そうとせず、バイクショップなどで見てもらう方が無難です。
インジェクション車の場合はプロに依頼
インジェクション車(主に2006年以降のモデル)のアイドリング調整は、バイクショップに依頼して調整してもらうのが無難です。
インジェクション車は、マイコンなどの制御によりバイク側で自動的に調整を行っているので、アイドリングひとつ調整するのも専用の計器が必要になるなど、素人にはなかなか手が出せない面があります。
インジェクションのアイドリング調整はバイクショップに依頼したほうが良いでしょう。
まとめ
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バイクのアイドリングは車種にもよりますが、1,000rpm辺りで安定しているのが正常な状態で、アイドリングが上がったり下がったりと安定していないならアイドリング不調を疑ったほうが良いでしょう。
アイドリングが不調となる原因は様々ですが、キャブ車なら多少は自分で調節できるものの、インジェクション車の調節には専用の機器が必要となるので、バイクショップなどプロに依頼したほうが無難です。
パーツ交換を要することもあるので、アイドリングに不調が出たら他の部分の点検も兼ねてプロに点検依頼をすることをおすすめします。
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